日当たりで実付きと葉の色が変わる
ナンテンは「難を転ずる」に通じる縁起木として、玄関脇や鬼門に植えられてきました。日なたでも半日陰でも育ちますが、日が当たるほど実が多く付き、冬の葉も赤く色づきます。日陰では茎が細く間延びして実が減り、葉は緑のまま冬を越します。実を楽しむなら午前中に日が当たる場所を選びます。
高さは2メートルから3メートルになり、株元から茎が何本も立ち上がる株立ちの姿です。横にはあまり広がらないので、狭い場所でも植えられます。寒さには比較的強く、関東の平野部なら防寒なしで冬を越します。
| 場面 | 向き不向き | 理由 |
|---|---|---|
| 南か東向きで午前中に日が当たる | 最適 | 実が多く付き、冬に葉が赤くなる |
| 建物の北側の明るい日陰 | 適する | 実は減るが葉は美しく育つ |
| 玄関脇の狭いスペース | 適する | 横に広がらず高さも剪定で抑えられる |
| 一日中暗い日陰 | 不向き | 茎が間延びし実がほとんど付かない |
| 寒風が吹き抜ける場所 | やや不向き | 葉が傷んで落ちる。風よけがあれば可 |
植え付けは春か秋の穏やかな時期
植え付けの適期は3月から4月と、9月中旬から10月です。実付きの苗は11月から12月に出回りますが、寒い時期に地植えすると根付く前に葉が傷むので、鉢のまま春まで待つか、風の当たらない場所に仮置きしてから3月に植えます。真夏は根が傷みやすく、乾燥で枯れることがあるので避けます。
苗は株元から茎が3本以上出ていて、葉に厚みがあるものを選びます。1本立ちの苗は年数がかかるので、株立ちの苗を選ぶと最初から見栄えがします。
植え付けの時期を判断するときは、暦より株の姿を見て決めます。新芽が動き始めたころなら根も動くので活着が早く、真夏や真冬で葉が固く止まっているなら待つのが無難です。土を触って冷たく湿りすぎているなら、乾くまで数日待ってから植えます。
- 植え穴を掘る
- 根鉢の2倍の幅と1.5倍の深さに掘ります。掘った土に腐葉土を3割混ぜ、水はけが悪い庭なら軽石を1割足します。
- 根鉢を軽くほぐす
- 根鉢の表面と底を手で軽くほぐし、固く巻いた根があれば切ります。細かい根は崩さないようにします。
- 深植えしない
- 根鉢の上面が地面と同じ高さになるように据えます。株元が土に埋まると茎が腐りやすくなります。
- 水をやり株元を覆う
- たっぷり水を与えて土を落ち着かせ、腐葉土を3センチほど敷きます。根付くまでの1か月は土が乾いたら水を与えます。
土は選ばないが水はけは大切
ナンテンは土質を選ばず、ふつうの庭土で育ちます。ただし水がたまる場所では根が腐り、下の葉から落ちます。粘土質の庭では植え穴の底に軽石を敷くか、盛り土にして植えます。乾きやすい砂質の土では腐葉土を多めに混ぜ、株元を覆って保水します。
土の酸度は弱酸性から中性まで幅広く育ちます。石灰をまいた畑の跡地でも問題なく育つので、ツツジ類のような酸性の調整は不要です。
| 土の種類 | 問題 | 改良の目安 |
|---|---|---|
| ふつうの庭土 | 特になし | 腐葉土を3割混ぜるだけでよい |
| 粘土質で水が残る | 根腐れで下葉が落ちる | 底に軽石を5センチ敷き、腐葉土3割と軽石1割を混ぜる |
| 砂質ですぐ乾く | 水切れで葉が縮れる | 腐葉土を4割混ぜ、株元を厚く覆う |
植え穴に元肥(植え付け時に土に混ぜておく肥料)は不要です。腐葉土だけで十分に根付きます。
鉢植えで育てる
鉢植えなら玄関やベランダで実を楽しめます。鉢は根鉢より一回り大きい7号から8号を使い、赤玉土と腐葉土を7対3に混ぜた土で植えます。置き場所は午前中に日が当たる場所が理想で、夏は西日を避けます。冬は寒風の当たらない軒下に置くと葉が傷みません。
鉢は2年から3年で根が回ります。水がしみ込みにくくなったり、鉢底から根が出たりしたら植え替えの合図で、3月か9月下旬に一回り大きな鉢へ移します。
- 鉢と土を用意する
- 7号から8号の鉢に鉢底石を敷き、赤玉土と腐葉土を7対3に混ぜた土を使います。深めの鉢のほうが根が伸びやすいです。
- 置き場所を決める
- 午前中に日が当たり、午後は明るい日陰になる場所が最適です。夏に鉢の表面に直射日光が当たり続けるなら位置を変えます。
- 冬は軒下に
- 12月に入ったら寒風の当たらない軒下や壁際に移します。室内には入れません。実が付いたまま暖かい部屋に置くと、乾燥で数日で実が落ちます。
植え付け後に葉が落ちるときの見分け
植え付け後に下の葉が黄色くなって落ちるのは、環境の変化による一時的な反応か、水のやりすぎのどちらかです。土が常に湿っているなら水を控えます。葉の縁が茶色く縮れるのは乾燥か寒風で、株元を覆って風よけをします。新芽が緑色で伸びていれば、古い葉が落ちても回復します。
冬に葉が赤くなるのは寒さに当たった正常な反応で、春には緑に戻ります。赤くなることと落ちることは別なので、色が変わっただけなら心配いりません。
| 葉の見た目 | 考えられる原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 下の葉が黄色く落ちる | 過湿か環境の変化 | 水を控え、新芽の様子を見る |
| 縁が茶色く縮れる | 乾燥か寒風 | 株元を覆い、風よけを立てる |
| 葉全体が赤くなる | 冬の寒さの反応 | 何もしない。春に緑に戻る |
| 新芽が黒く縮む | 根の傷み | 水を控え、日陰で1か月休ませる |
ナンテンの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
ナンテンの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はナンテンの育て方にまとめています。
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