剪定は茎の更新が基本
ナンテンは株元から茎が立ち上がり、それぞれの茎の先に葉と実が付きます。茎の途中で切ると、そこから細い枝が数本出て姿が乱れ、実も付きにくくなります。剪定は、実を付け終えた古い茎や伸びすぎた茎を根元から切り、株元から出る新しい茎に世代交代させる更新剪定が基本です。
実は前年に伸びた茎の先に付きます。全ての茎を一度に切ると翌年は実がなくなるので、若い茎と実を付けそうな茎を残し、株の3分の1程度を目安に切ります。
| 目的 | 時期 | 切り方 |
|---|---|---|
| 実を付け終えた茎を更新 | 2〜3月 | 古い茎を根元から切る |
| 高さを抑える | 2〜3月 | 伸びすぎた茎を根元から切り、若い茎を残す |
| 混んだ株を透かす | 2〜3月 | 細い茎と内側の茎を根元から抜く |
| 切り枝を取る | 12〜1月 | 実の付いた茎を根元近くで切る |
「途中で切らず根元から」が原則です。迷ったら切らず、翌年に持ち越しても株は乱れません。
2月から3月の更新剪定の手順
剪定の適期は実が終わって新芽が動く前の2月から3月です。実を付け終えた古い茎は下の葉が落ちて棒のようになっているので、これを根元から切ります。伸びすぎた茎も同じく根元で切り、代わりに株元から出ている若い茎を育てます。残す茎は太さの違うものを組み合わせると、自然な株立ちになります。
切る本数は株全体の3分の1までに留めます。それ以上切ると翌年の実が減り、株元から出る新しい茎も細くなります。何年も剪定していない株は、3年かけて古い茎を順に更新すると無理がありません。
- 古い茎を見分ける
- 下半分に葉がなく、表面が茶色く硬い茎が古い茎です。実の跡が残っている茎も、次の年は実が付きにくいので更新の候補です。
- 根元で切る
- 地際から2センチから3センチ残してのこぎりか太枝ばさみで切ります。残った部分は自然に枯れるので、新芽が出てから取り除きます。
- 残す茎を決める
- 太い茎を2本から3本、中くらいの茎を2本から3本、若い茎を数本残します。高さの違う茎が混ざると姿が自然になります。
- 全体を離れて見る
- 数本切るごとに離れて姿を確かめます。一度に切りすぎると戻せないので、少しずつ進めます。
高さを抑えたいときの考え方
ナンテンは放置すると3メートルを超えますが、茎の途中で切っても高さは抑えられません。切った位置から細い枝が扇状に出て、翌年にはまた伸びるからです。高さを抑えるには、高い茎を根元から抜いて、株元から出る低い茎に世代交代させます。こうすると常に若い茎が実を付け、高さも一定に保てます。
どうしても途中で切る必要があるときは、葉の付け根のすぐ上で切ります。そこから出る枝は細く実も少ないので、翌年か翌々年にその茎ごと根元から更新する前提で切ります。
- 高い茎から抜く
- 目標より高い茎を、太さに関係なく根元から切ります。一度に全部ではなく、毎年2本から3本ずつ抜きます。
- 若い茎を残す
- 株元から出た1年目から2年目の茎は、目標の高さに届くまで育てます。細すぎる茎は抜き、太いものを残します。
- 翌年に様子を見る
- 残した若い茎が実を付け始めたら、その年に一番高い古い茎をまた根元から抜きます。これを繰り返します。
切り枝と正月飾り
11月から12月に赤く色づいた実の付いた茎は、正月飾りや生け花に使えます。実の付いた茎を根元近くで切れば、それがそのまま更新剪定になります。切った茎は水に挿しておけば1か月以上実が持ちます。切りすぎると翌年の実がなくなるので、実のない若い茎は残します。
実は鳥に食べられやすいので、切り枝に使うなら色づいた12月上旬までに切るか、防鳥ネットをかけておきます。ヒヨドリは数日で株の実を食べ尽くすことがあります。
- 実の色を確かめる
- 実全体が赤くつやがあれば切りごろです。まだ橙色が残っているなら1週間から2週間待ちます。
- 根元近くで切る
- 実の付いた茎を地際から5センチほど残して切ります。翌春に残りを根元で切り直せば更新剪定になります。
- 水に挿す
- 切り口を水中で切り直し、深めの器に挿します。暖房の風が当たらない場所なら1か月以上実が持ちます。
剪定で失敗したときの立て直し
茎の途中で切って細い枝が扇状に出てしまったときは、その茎を翌年の2月に根元から切り直し、株元から出る新しい茎に更新すれば直ります。全ての茎を切ってしまって実が付かない年があっても、株が枯れたわけではないので、若い茎が育つ2年後には実が戻ります。
夏に剪定すると花と幼い実を落とします。ナンテンは5月から6月に花が咲いて実が育つので、5月から11月は根元から抜く作業も避け、2月から3月に集中させます。
| 失敗の場面 | 起きること | 立て直し |
|---|---|---|
| 茎の途中で切った | 細い枝が扇状に出て実が少ない | 翌年2月にその茎を根元から切り直す |
| 全ての茎を切った | 翌年に実が付かない | 若い茎を育て、2年後を待つ |
| 夏に剪定した | 花と幼い実が落ちる | 秋まで待ち、翌年は2〜3月に切る |
| 何年も放置して3メートル超 | 高くて実が見えない | 3年かけて毎年古い茎を根元から抜く |
ナンテンの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
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