症状から原因を見分ける
ナンテンの不調は、環境、虫、ウイルス病の3つに分けて考えます。葉の縁が縮れるだけなら乾燥や寒風、葉が黄色と緑のまだら模様で縮れるならモザイク病、茎や葉裏に白い綿や茶色の粒があるならカイガラムシです。まず葉の模様と葉裏を確かめ、どれに当たるかを切り分けます。
実が付かない、実が落ちるという相談も多く、これは剪定の時期、開花期の乾燥、日照不足のどれかがほとんどです。虫や病気を疑う前に、管理の時期を振り返ります。
| 症状 | 考えられる原因 | 対応 |
|---|---|---|
| 葉が黄色と緑のまだらで縮れる | モザイク病(ウイルス) | 治らない。ひどい株は処分する |
| 茎や葉裏に白い綿か茶色の粒 | カイガラムシ | 歯ブラシでこすり落とす |
| 葉がかすれて白っぽい | ハダニ | 葉裏に水をかける |
| 葉に赤褐色の斑点 | 褐斑病などのカビ | 病葉を取り、風通しを良くする |
| 葉の縁が茶色く縮れる | 乾燥か寒風 | 株元を覆い、風よけをする |
| 赤い実が急に減る | 鳥の食害 | 防鳥ネットをかける |
モザイク病は治らないので広げない
ナンテンに特有の困りごとがモザイク病です。葉に黄色と緑のまだら模様が出て、葉が縮れて小さくなります。ウイルスが原因で薬では治らず、アブラムシが他の株へ運びます。症状が軽い株は実を付けることもありますが、株全体に広がると弱ります。他のナンテンや近くの植物に広げないことが対処の中心です。
症状のある茎を切るときは、はさみを使うたびに消毒します。汁が付いたはさみで別の株を切ると感染が広がります。ひどい株は根元から抜いて処分し、同じ場所にすぐ新しいナンテンを植えるのは避けます。
- まだら模様を見分ける
- 葉が黄色と緑のまだらで、縮れて波打っていたらモザイク病です。全体が黄色いだけなら肥料や土の問題で、別の対処になります。
- 症状の茎を切る
- 症状の出た茎を根元から切り、袋に入れて処分します。はさみは切るたびに消毒します。
- アブラムシを防ぐ
- 春の新芽にアブラムシが付いていたら水で洗い流すか、野菜用の殺虫剤を使います。ウイルスを運ぶ虫を減らすことが予防です。
- ひどい株は処分する
- ほとんどの茎に症状が出て実も付かないなら、根元から抜いて処分します。他のナンテンを守ることを優先します。
カイガラムシとハダニの手当て
カイガラムシは茎や葉の裏に白い綿状か茶色の貝殻状で付き、樹液を吸って株を弱らせます。成虫は薬が効きにくいので、歯ブラシでこすり落とすのが確実です。5月から6月にふ化した幼虫が動く時期なら樹木用の殺虫剤が効きます。ハダニは乾燥した夏に葉裏で増え、葉裏への水かけが予防になります。
カイガラムシの排せつ物で葉が黒くすすけることがあり、これをすす病と呼びます。虫を落とせばすすは次第に消えます。黒い葉を見つけたら、上の茎にカイガラムシがいないかを確かめます。
- 歯ブラシで落とす
- 茎に付いたカイガラムシを古い歯ブラシで軽くこすって落とします。落とした虫は再び付かないので、地面に落ちても構いません。
- 幼虫の時期に薬を使う
- 5月から6月に小さな虫が茎を動いていたら幼虫です。この時期なら樹木用の殺虫剤で退治できます。
- 葉裏に水をかける
- 夏の夕方にホースで葉裏に水をかけます。ハダニの予防になり、3日おきに3回繰り返すと数が減ります。
実が付かない、実が落ちるときの原因
実が付かない原因で最も多いのは、5月から11月に剪定して花芽や花を落としたことです。次に多いのが開花期の乾燥と長雨で、日陰も実を減らします。緑の実が夏に落ちるなら乾燥か肥料の与えすぎです。植えて2年目までは株が若く実が少ないのが普通で、3年目から本格的に付きます。
ナンテンの実は観賞用で、生で食べることはできません。小さな子どもやペットが口にしないよう、手の届く高さの実には注意します。
| 時期 | 起きること | 原因と対応 |
|---|---|---|
| 春〜夏 | 花が咲かない | 夏以降の剪定。翌年は2〜3月だけ切る |
| 5〜6月 | 花は咲いたが実にならない | 開花期の乾燥か長雨。水を与え、花房の水滴を落とす |
| 7〜9月 | 緑の実が落ちる | 乾燥か肥料過多。水を与え、肥料を止める |
| 通年 | 茎が細く実が小さい | 日陰。明るい場所へ移す |
ナンテンの実や葉には有毒成分が含まれます。民間で薬用にされてきた歴史はありますが、家庭で口にすることは避けます。
鳥の食害と葉の病気の予防
11月から12月に赤くなった実はヒヨドリやムクドリの好物で、数日で食べ尽くされることがあります。色づき始めたら目の細かい防鳥ネットを株全体にかけ、切り枝を取る12月まで残します。葉に赤褐色の斑点が広がる褐斑病は雨の多い年に出るので、病葉を取って風通しを良くします。
病気の予防は風通しです。2月の剪定で混んだ茎を根元から抜き、落ちた病葉は拾って処分します。薬を使うなら樹木用の殺菌剤を梅雨前に1回かけると予防になります。
- ネットをかける
- 実が赤くなり始めたら株全体に防鳥ネットをかけ、裾を地面に留めます。隙間があると鳥は入ります。
- 病葉を取る
- 赤褐色の斑点が広がった葉は付け根から切って袋に入れて捨てます。落ちた葉も拾い、株元に残さないようにします。
- 梅雨前に風通しを作る
- 6月に入る前に、内側で交差する茎や細い茎を根元で抜いて、株の中に風が通るようにします。
ナンテンの上手に育てるコツは作物ページに
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