採り時は品種と味で決める
オレンジは色づいてすぐは酸味が強く、木に付けたまま寒さに当てると甘みが乗ります。ただし氷点下二度以下で中身が傷むので、関東では色づきと寒波の予報の両方を見て決めます。ネーブルは12月から1月、清見とタロッコは2月から3月が目安で、いずれも一つ味見してから判断します。
採り時を見極めるには、全体が濃い橙色になっているか、皮を軽く押して弾力があるか、一つ切って酸味が抜けているかの三つを確かめます。色は良くても酸っぱいなら一二週間待つか、採って室内で貯蔵して酸を抜きます。
| 品種 | 採り時の目安 | 見分け方 |
|---|---|---|
| ワシントンネーブル | 12月上旬〜1月 | 全体が濃い橙色。へその周りまで色づく |
| 清見 | 2月〜3月上旬 | 皮がやや柔らかくなり、香りが強くなる |
| タロッコ | 2月〜3月 | 皮に赤みが差し、切ると果肉に赤い筋が入る |
| バレンシア | 5月〜6月 | 冬に色づいた後、春に一度緑に戻ってから再び橙色になる |
収穫の手順
収穫は晴れた日の午前中、実が乾いているときに行います。手で引きちぎると皮が裂けたり枝が傷んだりするので、必ずはさみで軸を切ります。軸を長く残すと保存中に隣の実を傷つけるので、実の付け根で二度切りして短くします。
- 軸を長めに切る
- 実を持ち上げて軸をはさみで切ります。最初は枝を傷めないよう軸を少し長めに切り、実を手に取ってから付け根で切り直します。
- 付け根で二度切り
- 残った軸を実の表面と同じ高さで切り落とします。出っ張った軸は保存中にほかの実の皮を傷つけ、そこから腐ります。
- 傷のある実は分ける
- 傷や病斑のある実は別にして先に食べます。健全な実と一緒に保存すると、傷んだ実から腐りが広がります。
- 鉢植えは一度に採る
- 鉢植えは寒さ対策で移動が多いので、味が乗ったら一度に採ってしまいます。木に残すより室内で貯蔵したほうが安全です。
貯蔵で酸味を抜く
採りたてのオレンジは酸味が強いことが多く、涼しい場所で一二週間置くと酸が抜けて食べやすくなります。段ボールや発泡スチロールの箱に新聞紙を敷いて並べ、5度から10度の暗い場所に置きます。玄関や北側の部屋が向きます。冷蔵庫は乾燥するので、長く入れると皮がしなびます。
- 一つずつ新聞紙で包む
- 実を一つずつ新聞紙で包むか、箱に新聞紙を敷いて重ならないよう並べます。包むと乾燥と腐りの広がりを防げます。
- へたを下にして置く
- へたを下に向けて置くと水分が抜けにくく、日持ちします。上向きだとへたから乾燥が進みます。
- 週に一度は見て回る
- 一つでも傷んだ実があると隣に広がります。週に一度は箱を開けて、柔らかくなった実やカビの出た実を取り除きます。
貯蔵中に温度が15度を超えると腐りが早まります。暖房の入る部屋には置きません。
保存の期間と方法
ネーブルは貯蔵で一か月ほど、清見は三週間ほど日持ちします。それ以上置くなら果汁を搾って冷凍するか、皮ごとマーマレードにします。皮を使うときは収穫前の一か月間、薬を使っていないことを確かめてからにします。冷凍した果汁は半年ほど風味が保てます。
| 保存の方法 | 期間の目安 | 向く使い方 |
|---|---|---|
| 新聞紙に包んで冷暗所 | 三週間〜一か月 | そのまま食べる |
| ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室 | 二週間 | 少量を早めに食べる |
| 果汁を搾って冷凍 | 半年 | ジュース、料理の風味付け |
| 皮ごとマーマレード | 冷蔵で三か月 | 余った実の活用。無農薬の実に限る |
木に残すか採るかの判断
木で完熟させたほうが甘みは乗りますが、寒さ、鳥、実の重みによる翌年の花芽の減少という三つの損があります。関東では1月中旬までを木に残す限度と考え、それ以降は採って貯蔵します。寒波の予報が出たときは、色づいた実を全て採るほうが結果として無駄が少なくなります。
| 場面 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 色は良いが酸っぱい、寒波の予報なし | 一二週間待つ | 木で酸が抜けるのを待てる |
| 色は良いが氷点下二度の予報 | すぐ採る | 中身が凍って苦くなる前に採る |
| 鳥が突き始めた | 採るかネットをかける | 突かれた実は腐りが広がる |
| 1月中旬を過ぎた | 全て採る | 木に残すと翌年の花芽が減る |
実がまずい・付かないときの切り分け
採ったオレンジが酸っぱい、皮が厚くて中身が少ない、実が付かないという悩みは、原因がそれぞれ違います。酸っぱいなら採り時が早いか日当たり不足、皮が厚いなら肥料と水の過多、実が付かないなら前年の実の付けすぎか冬の落葉です。実の姿と前年の管理を照らして原因を切り分けます。
| 状態 | 考えられる原因 | 翌年の対策 |
|---|---|---|
| 色は良いのに酸っぱい | 採り時が早い、日当たり不足 | 採ってから二週間貯蔵。混んだ枝を抜いて日を入れる |
| 皮が厚く中身がすかすか | 窒素と水が多い | 春肥を半分に。秋は水を控える |
| 実が小さく数だけ多い | 摘果不足 | 8月に葉80枚に一果まで減らす |
| 花が咲かず実が付かない | 前年の付けすぎか冬の落葉 | 摘果を守り、冬は不織布で包む |
| 実が割れる | 乾燥後の急な雨 | 夏に水を切らさない。株元にわらを敷く |
オレンジの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
オレンジの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はオレンジの育て方にまとめています。
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