花芽は春に伸びた枝の先に付く
オレンジの花は、前年の春に伸びて秋までに充実した枝の先や葉の付け根に付きます。夏や秋に伸びた枝には翌年の花がほとんど付かず、春枝を残すことが収穫の鍵です。落葉果樹のように強く切ると春枝ごと花芽を失うので、剪定は混んだ枝を間引く程度にとどめます。
残す枝と切る枝を見分けるには、枝を触って太さと伸びた時期を確かめます。春枝は細めで葉が小さく、間隔が詰まっています。夏枝と秋枝は太くて長く、とげが目立ちます。太くて勢いのよい枝ほど実が付かないと覚えておくと迷いません。
| 枝の姿 | 伸びた時期 | 扱い |
|---|---|---|
| 細めで葉が詰まっている | 春枝 | 残す。翌年の花が付く |
| 太くて長い、とげがある | 夏枝 | 半分に切り詰めるか付け根から切る |
| 秋に伸びて葉が薄い | 秋枝 | 冬に枯れやすいので付け根から切る |
| 真上に伸びる太い枝 | 徒長した枝 | 付け根から切る |
剪定は3月中旬から下旬
剪定の適期は寒さが緩んで新芽が動く直前の3月中旬から下旬です。冬に切ると切り口から寒さが入って枝が枯れ込み、4月以降に切ると新芽と花を落とします。切る量は全体の一割から二割、内側に日が入る程度で止めます。若木は骨格を作る以外は切らず、実が付き始める三年目から本格的に整えます。
- 枯れ枝と内向きの枝を抜く
- 枯れた枝、木の内側に向かう枝、下向きに垂れた枝を付け根から切ります。内側に日が入ると春枝が充実し、実の色づきもよくなります。
- 夏枝は半分に詰める
- 前年の夏に伸びた長い枝は、先端から半分ほどを切り詰めます。切った先から春枝が出て、翌年の実の枝になります。
- 混んだ部分は一本置きに
- 同じ場所から三本以上出ている枝は、外向きの一本か二本を残してかき取ります。葉が重なって影を作らない程度が目安です。
- 高さは手が届く範囲
- 地植えは2メートル、鉢植えは1.5メートルで主幹の先を止めます。上に伸びる力を横に向けると、下の枝まで実が付きます。
柑橘は切り口が枯れ込みやすいので、直径1センチを超える切り口には癒合剤を塗ります。
開心形に仕立てる
オレンジは主枝を三本ほど斜めに広げる開心形が管理しやすい樹形です。植え付け時に高さ50センチから60センチで切り戻し、出てきた枝から方向の違う三本を主枝にします。主枝が立ち上がるときはひもで引いて45度前後に開くと、内側に日が入って実の付く春枝が増えます。
- 一年目は三本を選ぶ
- 切り戻した幹から出た枝のうち、120度ずつ方向の違う三本を主枝に選びます。ほかの枝は付け根から切り、主枝の先端は切らずに伸ばします。
- 二年目は主枝を開く
- 立ち上がった主枝を地面に打った杭とひもで引き、45度前後に開きます。開いた枝は伸びが落ち着き、花芽が付きやすくなります。
- 三年目から側枝を作る
- 主枝から外向きに出た枝を側枝として30センチ間隔で残し、ほかを間引きます。ここから先は毎年の維持剪定です。
摘果は葉の枚数で決める
オレンジは実が多く付いた年の翌年に実が減る隔年結果(一年おきに実の量が大きく変わること)が起きやすい木です。防ぐには7月から8月に実を間引き、葉の枚数に対する実の数を整えます。目安はネーブルで葉80枚に一果、清見で葉60枚から70枚に一果です。実を残しすぎると小さな実ばかりになり、翌年は花が咲きません。
- 6月の生理落果を待つ
- 花が終わったあと、6月に小さな実が自然に落ちます。落ちきる前に摘果すると必要以上に減るので、6月末まで待ってから始めます。
- 7月上旬に一回目
- 傷のある実、小さい実、枝の先端で日に当たりすぎる実を先に取ります。一枝の実の数を半分ほどに減らすつもりで行います。
- 8月上旬に仕上げ
- 実がピンポン玉より大きくなったら、葉80枚に一果を目安に仕上げます。実と実の間隔が20センチ以上あくように残します。
- 鉢植えは数で決める
- 鉢植えは葉の枚数を数えるより、八号鉢で三個から五個、十号鉢で十個までと決めて残します。残しすぎは翌年の落葉につながります。
実を摘むときは軸を残さず、はさみで実の付け根から切ります。軸が残ると隣の実を傷つけます。
夏と秋の軽い整理
夏に伸びる太い枝は、翌年の実に役立たず日陰を作るだけなので、7月から8月に柔らかいうちに手で折り取ります。ただし葉を減らしすぎると実が日焼けするので、実の上に葉が残るようにします。秋枝は冬の寒さで枯れやすく、伸びてきたら10月に付け根から取ります。
| 時期 | 出てくる枝 | 対処 |
|---|---|---|
| 7月〜8月 | 真上に伸びる太い夏枝 | 30センチになる前に手で折り取る |
| 8月〜9月 | 実の周りの混んだ枝 | 実に日が当たる程度に軽く抜く |
| 10月 | 秋枝 | 付け根から取る。残すと冬に枯れて病気の入口になる |
切りすぎたときの立て直し
剪定の失敗のほとんどは、春枝まで切り落として花が咲かなかったか、太い枝を一度に何本も切って徒長(勢いだけで上に伸び実が付かない状態)した枝ばかりが出たかのどちらかです。翌年に花がなくても木は元気なので、伸びた枝を夏に軽く折り取り、翌春の剪定を最小限にして春枝を充実させます。二年で戻ります。
| 翌年の姿 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 花が咲かない | 春枝を切りすぎた | 翌年の剪定は枯れ枝だけにし、春枝を残す |
| 太い枝ばかり出る | 太い枝を一度に切った | 夏に太い枝を折り取り、冬は詰めるだけにする |
| 切り口から枯れ込む | 冬に切った・癒合剤なし | 枯れ込みの下で切り直し、癒合剤を塗る |
| 実が小さく数だけ多い | 摘果不足 | 翌年は7月と8月の二回に分けて摘果する |
オレンジの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
オレンジの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はオレンジの育て方にまとめています。
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