植える前に大きさと用途を決める
キンモクセイは放任すると高さ5メートルを超える常緑の中高木で、10月に橙色の小さな花を枝いっぱいに付けて香ります。日本にあるのはほぼ雄株で実はなりません。生垣にするのか、庭のシンボルにするのか、鉢で小さく育てるのかで、株間と苗の大きさが変わります。
香りは風下に広がるので、窓や玄関に対してどちらから風が吹くかを考えて位置を決めます。建物や塀から1.5メートル以上離し、将来の枝張りを見込んで空けます。狭い場所に植えると毎年の刈り込みが欠かせなくなります。
| 目的 | 株間の目安 | 苗の選び方 |
|---|---|---|
| 生垣・目隠し | 60〜90センチ | 高さ1メートル前後の枝数が多い苗 |
| 庭のシンボル | 3メートル以上空ける | 幹がまっすぐで根鉢の大きな苗 |
| 鉢・玄関先 | 10号以上の鉢に1株 | 高さ50〜80センチの若い苗 |
| 並木風に列植 | 2〜3メートル | 高さのそろった同じ規格の苗 |
排気ガスの多い道路沿いでは花付きが落ちるといわれます。香りを目的にするなら、通りから少し奥まった場所を選びます。
適期は春、根鉢を崩さず植える
植え付けの適期は3月下旬から4月と、9月下旬から10月です。常緑樹なので真冬と真夏は避けます。特に春は新芽が動く直前で活着がよく、寒冷地でも安心です。秋植えは暖地向きで、寒冷地では根が張る前に寒さが来るので春を待ちます。
キンモクセイは根が傷むのを嫌い、根鉢を崩すと葉を落として回復に一年かかることがあります。ポット苗でも根巻き苗でも、根鉢はそのまま植えるのが基本です。根巻きの麻布は自然に腐るので、上部の縄を切るだけで外さなくて構いません。
- 苗は葉色と根鉢で選ぶ
- 葉が濃い緑でつやがあり、下枝まで葉が付いている苗を選びます。根鉢が小さくぐらつく苗、葉が黄ばんで落ちている苗は避けます。
- 植え穴は根鉢の2倍
- 直径と深さを根鉢の2倍ほど掘り、掘り上げた土に腐葉土か堆肥を3割混ぜます。粘土質で水がたまるなら、軽石か川砂を2割加えて水はけを作ります。
- 元肥は底に入れて土をかぶせる
- 元肥(植えるときに土へ混ぜておく肥料)として緩効性の有機質肥料をひと握り穴の底に入れ、土を5センチかぶせてから苗を据えます。根に直接触れると根が傷みます。
深植えを避けて支柱を立てる
根鉢の上面が地面と同じ高さになるよう据えます。深く植えると株元が蒸れて葉が落ち、浅すぎると乾いて活着が遅れます。常緑で葉が多く風を受けやすいので、植えた年は支柱で幹を固定します。根が動く前に揺すられると細い根が切れて、いつまでも根付きません。
- 水ぎめで隙間をなくす
- 土を半分戻したら穴に水をためて土を落ち着かせ、水が引いてから残りの土を戻します。棒で軽くつついて根の間に土を入れ、最後にもう一度たっぷり与えます。
- 支柱を斜めに一本
- 高さ1メートル以上の苗は、風上側から斜めに支柱を立てて幹と結びます。結ぶ位置は幹の中ほどで、麻ひもを八の字にかけて幹に食い込まないようにします。
- 株元をマルチで覆う
- 腐葉土やバークチップを3〜5センチ敷き、夏の乾燥と冬の凍結から根を守ります。幹に直接触れないよう少し空けて敷きます。
鉢植えで育てるときの鉢と土
庭が狭い場合は鉢植えでも育ち、玄関先で香りを楽しめます。高さ1〜1.5メートルに保ちながら毎年咲かせられますが、鉢は乾きやすく根詰まりもしやすいので、鉢の大きさと植え替えの間隔が要です。10号以上の深鉢に植え、2〜3年に一度植え替えます。
- 鉢は根鉢より二回り大きく
- 6号ポット苗なら10号鉢が目安です。重さで倒れにくいよう釉薬鉢か素焼き鉢を使い、鉢底石を厚めに敷いて排水を確保します。
- 土は水はけを優先
- 赤玉土中粒6、腐葉土3、軽石1の配合か、庭木用の培養土に軽石を1割足します。保水だけの土では冬に根腐れしやすくなります。
- 置き場所は日なたで風通しよく
- 一日5時間以上日が当たる場所に置きます。真夏は鉢の側面が熱くならないよう、鉢カバーやすのこで照り返しを避けます。
植えたあとに葉が落ちるときの切り分け
キンモクセイは植え付け後に葉を落として不安にさせることがあります。多くは根が動くまでの一時的な反応か、水切れ、過湿のどれかです。落ちた葉の色と土の状態を見て、待つだけでよいのか手当てが必要かを判断します。あわてて肥料を足すのは逆効果です。
| 症状 | 考えられる原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 古い葉から黄色く落ち新芽は出ている | 植え傷みの一時的な反応 | そのまま待ち、水だけ切らさない |
| 葉がしおれて土が乾いている | 根鉢の水切れ | 株元に集中して水を与え、マルチを敷く |
| 葉が黒ずんで落ち土が湿ったまま | 過湿か深植え | 水を控え、株元の土を除いて根鉢を露出させる |
| 株が揺れて葉先が枯れる | 支柱不足で根が切れた | 支柱を立て直し、枝先を軽く切って葉の量を減らす |
植えた年は花が咲かないか香りが弱いことがあります。根が張れば翌年から本来の花数になるので、株元をこすって枝が緑なら心配いりません。
キンモクセイの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
キンモクセイの上手に育てるコツは作物ページに
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