一年の作業を月で見る
キンモクセイは10月の開花、11月の花後剪定、2月の寒肥、3月の間引きの4つを押さえれば毎年香ります。関東平野部の露地を基準に、暖地は半月ほど早く、寒冷地は半月から1か月遅く読み替えてください。
| 月 | 作業 | 株の様子と目安 |
|---|---|---|
| 1月 | 鉢の防寒、防風ネット | 休眠、葉は濃い緑のまま |
| 2月 | 寒肥 | 芽はまだ固い |
| 3月 | 間引き剪定、強剪定、植え付け | 月末に新芽が動く |
| 4月 | 植え付け、植え替え | 新芽が伸びる、古葉が落ちる |
| 5月 | ハマキムシの見回り | 新枝が伸び切る |
| 6月 | 飛び出し枝を軽く払う、挿し木 | 枝が硬くなり始める |
| 7月 | マルチ敷き直し、水やり | 葉の付け根で花芽の分化が始まる |
| 8月 | 水やり、剪定はしない | 花芽が育つ |
| 9月 | 肥料は与えない、見回りだけ | 月末に蕾が見え始める |
| 10月 | 開花、雨の日は鉢を軒下へ | 橙色の花が咲き香る |
| 11月 | 花後の刈り込み、お礼肥、植え付け | 花が終わり枝が締まる |
| 12月 | 鉢の移動、雪対策 | 休眠に入る |
花芽の分化(葉の付け根に翌年の花のもとができること)が7〜8月に進むので、この時期に枝先を切ると翌年の花を失います。
春は寒肥と間引きの季節
2月から4月は肥料、剪定、植え付けが集中します。順序は寒肥、間引き剪定、植え付けの順で、新芽が伸び始めてから太い枝を切ると、せっかくの新芽を捨てることになります。4月に古い葉が黄色く落ちるのは葉の入れ替わりで、病気ではありません。
寒冷地では春の作業を全体に2〜3週間遅らせます。寒肥は3月、剪定と植え付けは4月が目安で、遅霜の心配がなくなってから行います。暖地では2月末から芽が動くので、剪定を3月上旬までに終えます。
- 2月に寒肥を外周へ
- 枝の広がりの真下に浅い溝を掘り、緩効性の有機質肥料を入れて土を戻します。株元に直接まくより根の先に届きやすくなります。
- 3月に間引きと強剪定
- 枯れ枝、交差枝、内向き枝を付け根から抜きます。大きくしたくない木は、葉の付いた枝の上で太い枝を切り詰めます。
- 4月に植え付けと植え替え
- 根が動き出す時期に植え付けると活着が早いです。鉢植えは2〜3年に一度、根鉢を3分の1ほど崩して一回り大きな鉢に植え替えます。
初夏は軽く整えて挿し木を取る
5〜6月は新枝が伸び切り、輪郭から飛び出す枝が目立ちます。刈り込み全体はせず、飛び出した枝だけを葉の上で軽く払います。6月中旬から7月上旬は挿し木の適期で、払った枝のうち少し硬くなったものを使えます。
- 飛び出し枝だけ払う
- 輪郭から出た枝を、葉の付け根のすぐ上で切ります。6月中に済ませ、7月以降は枝先に触れません。
- 6月に挿し木
- 今年伸びた枝が少し硬くなったころ、花の付いていない枝を10センチほど切り、下葉を取って赤玉土に挿します。明るい日陰で乾かさなければ2〜3か月で発根します。
- ハマキムシを見回る
- 新葉が糸で巻かれていたら中に幼虫がいます。巻いた葉ごと取って捨てます。数が多ければ庭木用の殺虫剤を検討します。
夏から秋は触らずに花を待つ
7月から9月は翌年の花芽が作られる大切な時期で、剪定も肥料もしません。作業は水やりとマルチの補充だけです。9月下旬に葉の付け根に小さな蕾が見え始めたら、10月上旬から中旬に一斉に咲きます。開花は一週間ほどで、雨に当たると早く散ります。
開花前に肥料や剪定をすると花が乱れることがあります。花の時期は何もせず、鉢植えなら雨の日だけ軒下へ移して香りを長持ちさせます。花が終わったら11月の剪定とお礼肥に移ります。
- 梅雨明けにマルチを足す
- 株元の腐葉土やバークチップを5センチの厚さに足し、土の乾きと温度上昇を抑えます。鉢植えは午後の照り返しを避けます。
- 晴天2週間で株元へ水
- 地植えでも雨が2週間以上ないときは、朝に株元へたっぷり与えます。鉢植えは毎朝与え、夕方にしおれていれば追加します。
- 11月に刈り込みとお礼肥
- 花が終わったら輪郭の内側で刈り込み、緩効性肥料を少量まきます。12月に入る前に終えます。
時期を外したときの立て直し
作業の時期を逃した場合、翌年の花をあきらめて株を守るのか、軽い作業で補うのかを判断します。キンモクセイは丈夫なので枯れることはまれですが、花芽に関わる失敗は翌年まで戻せません。
| 場面 | そのままだとどうなるか | 立て直し |
|---|---|---|
| 夏に刈り込んでしまった | 翌年の花が減る | 残った枝は触らず、次は11月か3月に切る |
| 11月の剪定を逃して12月になった | 切り口が寒さで枯れ込む | 軽く整えるだけにし、本剪定は3月に回す |
| 寒肥を入れ忘れた | 春の芽出しが弱い | 3月に緩効性肥料を少量まいて代用する |
| 秋の植え付けが11月後半にずれた | 根が動かず春まで弱る | 根鉢を崩さず植え、支柱と防風で守る |
「今年は香らなくても株は生きている」と割り切れる作業は来年に回すのが、キンモクセイでは一番失敗が少ない判断です。
キンモクセイの栽培に一年を通して使うもの
木の作業は冬と夏に固まります。冬に剪定と寒肥、生育期に袋かけと防鳥。この 4 つを季節の前にそろえておきます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm 程度まで切れるもの。バイパス式(刃が交差するもの)。
アンビル式は枝を潰します。生きた枝を切るならバイパス式で、切り口が滑らかなほど早くふさがります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後の折込式。生木用の刃(目の粗いもの)を選びます。
直径 2cm を超える枝は、はさみで切ろうとすると枝も刃も傷めます。工作用ののこぎりは生木で目が詰まります。
- 有機質肥料(寒肥用)探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合肥料。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に 1〜2kg。樹冠(枝の広がり)の外周に沿って埋めます。
冬に入れて、春に効き始めるのを狙う肥料です。ゆっくり分解するので、休眠期のうちに入れておきます。樹種と樹齢で必要な量は変わるので、詰めたいときは施肥基準を見てください。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- 防鳥ネット探す言葉「防鳥ネット 目合い25mm」
- 規格の目安
- 目合い 20〜25mm。小鳥まで防ぐなら 15mm。
- 数量の目安
- 高さ 2m の木 1 本を覆うのに 4m × 4m 程度。
色づく直前にかけます。目合いが大きすぎると小鳥が入り、細かすぎると風で煽られて枝を傷めます。
- 高枝切りばさみは、木が背を越してからで十分です。低く仕立てるならずっと不要です。
- チェーンソーは家庭の果樹には要りません。剪定のこぎりで足ります。
キンモクセイの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はキンモクセイの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。