増やし方を目的で選ぶ
日本にあるキンモクセイはほぼ雄株で実がならず、種では増やせません。増やす方法は挿し木が中心で、確実に1本欲しいなら枝を伏せる取り木も使えます。キンモクセイの挿し木は発根に時間がかかり、成功率も7割程度なので、少し多めに挿すのが目安です。
| 目的 | 向く方法 | 時期 |
|---|---|---|
| 生垣用に数本以上そろえる | 挿し木 | 6月中旬〜7月上旬 |
| 失敗なく1〜2本増やす | 取り木 | 4〜6月 |
| 前年枝で増やす | 休眠枝の挿し木 | 3月 |
| 香りの強い親木を残す | 挿し木か取り木 | 6月 |
挿し木苗が咲くまでは5年ほどかかります。早く香りを楽しみたいなら、取り木で親木の太い枝から苗を作ると2〜3年で咲きます。
挿し穂の取り方と準備
挿し木の適期は、その年に伸びた枝が少し硬くなる6月中旬から7月上旬です。指で曲げてしなり、無理に曲げると折れるくらいの枝が目安です。柔らかすぎる枝はしおれ、古い枝は根が出にくくなります。株の上のほうで日がよく当たった充実した枝を選びます。
- 午前中に枝を切る
- 水が上がっている朝のうちに、今年伸びた枝の先から10〜15センチを切ります。切った枝はすぐ水に浸けて乾かさないようにします。
- 下葉を取り切り口を整える
- 下半分の葉を取り、上に葉を3〜4枚残します。切り口はよく切れるカッターで斜めに切り直し、1〜2時間水に浸けて吸水させます。
- 葉を半分に切り発根剤を付ける
- 残した葉を半分に切って蒸散を減らします。キンモクセイは発根しにくいので、発根促進剤を切り口に付けると成功率が上がります。
挿し床の作り方と挿し方
挿し床には肥料の入っていない清潔な土を使います。小粒の赤玉土か鹿沼土の単用、あるいは市販の挿し木用土が向きます。育苗箱にまとめて挿すと湿度が保ちやすく、本数が多いときの管理も楽です。透明の袋や衣装ケースで覆い、湿度を高く保つと葉のしおれを防げます。
- 湿らせた土に穴を開けて挿す
- 土をたっぷり湿らせ、割り箸で穴を開けてから挿し穂を差し込みます。深さは穂の3分の1ほどで、周りを軽く押さえて土と密着させます。
- 葉が触れない間隔で並べる
- 株間4〜5センチを目安に、葉同士が重ならないよう並べます。挿し終えたらもう一度水を与え、土を落ち着かせます。
- 明るい日陰で湿度を保つ
- 直射日光の当たらない明るい日陰に置き、土の表面が乾く前に水を与えます。袋で覆う場合は、日に一度開けて空気を入れ替えます。
発根後の鉢上げと育て方
キンモクセイは発根が遅く、2〜3か月かかります。秋になっても葉が緑のまま残っていれば見込みがあります。挿し穂を軽く引いて抵抗があれば発根しています。年内は挿し床のまま冬を越し、翌春に鉢上げすると失敗が少なくなります。
鉢上げ後の1年は根がまだ少なく、乾きに弱い時期です。夏は毎日水を与え、冬は軒下で霜を避けます。地植えにするのは2年目以降の春が目安で、高さ50センチほどに育ってから植え付けると活着がよくなります。
- 秋に葉が残っていれば待つ
- 秋の時点で葉が緑なら根が出始めています。抜いて確かめず、そのまま挿し床で冬を越させます。霜が当たらない軒下に移します。
- 翌年3月に3号ポットへ
- 新芽が動く前に、草花用の培養土で3号ポットに一本ずつ植えます。1週間は日陰で慣らし、その後は午前だけ日が当たる場所で薄い液体肥料を月2回与えます。
- 秋に4〜5号鉢へ
- 9〜10月に一回り大きな鉢へ植え替え、翌年から日なたで育てます。2年目の春以降に地植えか生垣の位置へ植え付けます。
取り木で確実に一本作る
挿し木がうまくいかないときや、香りの強い親木をそのまま残したいときは取り木が確実です。枝の途中の樹皮をはいで湿らせた水苔で包み、根が出たら切り離します。親木から水と養分をもらいながら根を出すので失敗が少なく、早く花が見られます。
- 4〜6月に樹皮をはぐ
- 鉛筆から指ほどの太さの枝を選び、幅2センチほど樹皮を一周はぎ取ります。木部が見えるまではぎ、発根促進剤があれば塗ります。
- 水苔で包んで覆う
- 湿らせた水苔をはいだ部分に厚く巻き、ビニールで包んで上下をひもで縛ります。乾かないよう、月に数回上の口から水を足します。
- 秋か翌春に切り離す
- ビニール越しに根が見えたら、根の下で枝を切り離して鉢に植えます。根が少なければ翌春まで待ちます。切り離した苗は1か月ほど日陰で養生します。
挿し木が付かないときの原因
キンモクセイの挿し木は時間がかかるぶん、途中で枯れることも珍しくありません。挿し穂の硬さ、置き場所、水の管理のどこで失敗したかを穂の姿から判断し、次の挿し木に生かします。
| 状態 | 考えられる原因 | 次にすること |
|---|---|---|
| 数日でしおれて枯れた | 穂が柔らかすぎるか日に当てた | 少し硬い枝を使い、覆いをして明るい日陰に置く |
| 土の中で黒く腐った | 水のやりすぎか古い土 | 清潔な土に替え、表面が乾いてから水を与える |
| 秋まで葉は緑だが根が出ない | 発根が遅いだけ | そのまま冬を越させ、翌春に確かめる |
| 根は出たが鉢上げで枯れた | 急に日なたへ出した | 1週間日陰で慣らしてから移す |
10本挿して6〜7本付けば上出来です。少し多めに挿しておけば、必要な本数は十分にそろいます。
キンモクセイの挿し木・接ぎ木に使うもの
木を増やす方法は挿し木と接ぎ木で、要るものが違います。まず自分の木がどちらで増えるかを確かめます。
- 挿し木用土(鹿沼土・赤玉土小粒)探す言葉「挿し木 用土 鹿沼土」
- 規格の目安
- 鹿沼土か赤玉土の小粒、単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木 ルートン」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプ。
木は草花より根が出にくく、種類によっては差がはっきり出ます。
- 接ぎ木用ナイフ探す言葉「接ぎ木ナイフ 園芸」
- 規格の目安
- 片刃で、刃の平らなもの。よく研げるもの。
接ぎ木は切り口の面が合うかどうかがすべてです。普通のカッターでは平らな面を作れません。
- 接ぎ木テープ探す言葉「接ぎ木テープ 園芸」
- 規格の目安
- 伸びて自然に劣化するタイプ。幅 20〜30mm。
接いだところを密着させ、乾燥を防ぎます。外し忘れると幹に食い込むので、劣化するものが安全です。
- 挿し木で増える種類なら、接ぎ木の道具は要りません。
- 苗木を買うほうが早く実を付ける木も多く、増やすのは趣味の範囲と割り切る選択もあります。
キンモクセイの上手に育てるコツは作物ページに
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