切るのは5月から7月
剪定の適期は、気温が安定して20℃を超え、これから生育が伸びる5月から7月です。この時期に切れば切り口の下から2週間ほどで新芽が動き、秋までに枝が充実して冬を越せる状態になります。
秋以降の剪定は避けます。芽が出ないまま切り口が乾き、冬の低温で枝先から枯れ込むことがあるためです。どうしても伸びすぎて困る場合は、混み合った枝を数本抜く程度にとどめます。
| 時期 | できる作業 | 理由 |
|---|---|---|
| 5〜7月 | 強い切り戻し、丸坊主 | 切ってから芽吹きと充実の期間が長い |
| 8〜9月 | 軽い切り戻し、枝抜き | 気温は高いが充実の期間が短くなる |
| 10〜3月 | 原則行わない | 芽が動かず切り口から枯れ込む |
剪定に使うはさみは切る前に消毒します。汚れた刃は切り口から菌を入れ、枝の中で黒く枯れ込む原因になります。
どこで切ると枝が増えるか
パキラは枝の先端の芽が優先して伸び、その間は下の芽が眠っています。先端を切ると眠っていた芽が目を覚まし、切り口のすぐ下の節から2本から3本が同時に伸び出します。これが枝数を増やす仕組みです。
- 節の少し上で切る
- 葉や葉の落ちた跡がある節を探し、その5ミリから1センチ上で切ります。節から離れた位置で切ると、残った部分が枯れ込んで見苦しくなります。
- 増やしたい高さで切る
- 芽は切り口の直下から出ます。低い位置で分岐させたいなら思い切って低く切ります。高い位置で切れば、その高さから上だけが茂ります。
- 内向きの枝は付け根から
- 株の内側へ向かう枝や交差する枝は、途中ではなく付け根で切ります。中心の風通しがよくなり、ハダニやカイガラムシがつきにくくなります。
切り口から白い樹液がにじむことがあります。異常ではないので、乾いた布で軽く押さえてそのままにしておきます。
丸坊主にしてよいか
葉をすべて落とし、幹だけを残す強い剪定はパキラでは可能です。幹の途中には目に見えない芽が潜んでおり、生育期であれば1か月ほどで新しい芽が吹きます。徒長(間のびして弱く伸びること)して姿が崩れた株を作り直す最後の手段です。
- 5月か6月に行う
- 葉がない間は光合成ができず、幹の養分だけで芽を作ります。回復に時間が必要なので、最も生育の伸びる初夏に限って行います。
- 残す高さを決める
- 好みの高さで水平に一気に切ります。低く切るほど新芽が幹の下から出て、こんもりした姿になります。幹は最低でも20センチは残します。
- 切った後は水を控える
- 葉がない株はほとんど水を吸いません。芽が動くまでは土が乾いてから数日置いて与え、鉢を湿らせ続けないようにします。
- 明るい日陰で待つ
- 直射は避け、風通しのよい明るい場所に置きます。1か月しても芽が動かない場合は、幹が生きているか押して硬さを確かめます。
弱った株や根腐れを起こした株を丸坊主にしてはいけません。芽を吹く力が残っておらず、そのまま枯れます。
幹を太らせる考え方
太い幹の株にしたいなら、まず苗の出自を確認します。ふっくらした幹は種から育てた実生株の特徴で、挿し木から育った株は幹が太らず、細い茎のまま高さだけが伸びます。
実生株でも、暗い場所と水のやりすぎで幹は太りません。光をよく当て、乾かし気味に管理し、鉢をむやみに大きくしないことが、結果として幹を充実させます。
| 条件 | 幹への影響 | 対応 |
|---|---|---|
| 明るい窓辺で管理 | 節が詰まり幹が充実する | レース越しの光を確保する |
| 暗い場所で管理 | 背丈だけ伸びて細くなる | 置き場所を変え切り戻す |
| 大きすぎる鉢 | 根ばかり伸び上が育たない | 一回り大きい鉢にとどめる |
幹を太くする近道はありません。年に一度の切り戻しで背丈を抑え、その分の力を幹に回す積み重ねになります。
編み込み株の扱い
編み込み株は、細い苗を3本から5本まとめて幹を編んだものです。1本の木ではなく複数の株が寄せ植えされている状態なので、編んだ部分をほどこうとすると幹が裂けます。
- 編み目には触らない
- すでに固まった編み目はそのままにします。上に伸びた新しい部分だけを、樹形を見ながら切りそろえるのが基本の手入れです。
- 1本だけ枯れたとき
- 枯れた幹は編み目の上下で切り、無理に引き抜きません。抜くと残った幹が緩んで形が崩れるため、そのまま残して隠します。
- 上を切りそろえる
- 編み目の少し上でそれぞれの幹を同じ高さに切ると、新芽が一斉に出て頭がそろいます。高さがばらつくと一部だけが強く伸びます。
若い株なら伸びた先を自分で編み足せます。まだ緑色で曲がる部分だけを緩く編み、麻ひもで仮どめしてください。
剪定後の管理と切った枝
- 肥料は芽が動いてから
- 切った直後の株は吸う力が落ちています。新芽が伸び始めてから、薄めた液体肥料を2週間に1回程度から再開します。
- 水は控えめに戻す
- 葉が減った分だけ蒸散も減ります。剪定前と同じ間隔で与えると鉢が乾かないので、葉の量に合わせて間隔を空けてください。
- 切った枝は挿し木に使う
- 10センチ以上あり緑色の部分が残る枝は挿し穂になります。捨てる前に葉を減らして水揚げし、清潔な土に挿してみてください。
剪定した年は花や実を期待できません。室内のパキラはそもそもほとんど咲かないので、姿を作ることに集中します。
切ったあとに芽が出ないときの原因
切ってから一か月たっても芽が動かないときは、時期・切る位置・光・水の順に見ていきます。幹を触って硬さが残っていれば株は生きているので、追加で切らずに条件のほうを直します。
- 切る時期が遅かった
- 秋以降に切ると気温が下がり、芽が動かないまま冬に入ります。春まで待てば動くので、待てないからと切り足さないでください。
- 節を残していない
- 幹に横向きに並ぶ葉のあとが芽の出どころです。切り口の下にその線が見えないときは、次の線まで下げて切り直します。
- 光が足りない
- 暗い場所では芽が出ても細く伸びます。切ったあとはレースカーテン越しの明るさに置き、土の乾きを見て水を与えます。
- 水を与えすぎた
- 葉が減った株はほとんど水を吸いません。表土が乾いてから二、三日おくのを目安にし、鉢の重さを確かめてから与えます。
切り口から先が茶色く縮んできたら枯れ込みです。生きている緑の部分まで下げて切り直し、そこから芽が動くのを待ちます。
パキラの剪定・仕立てに使うもの
室内の植物は、切ることで形を保ちます。切った枝がそのまま挿し木の材料になるのも鉢ものの利点です。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 小型 室内」
- 規格の目安
- 刃渡り 4〜5cm。バイパス式(刃が交差するもの)。
生きた枝を切るならバイパス式です。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。
株を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 支柱・ヘゴ棒探す言葉「ヘゴ棒 支柱 観葉植物」
- 規格の目安
- 鉢の深さ + 植物の高さ。つる性のものは水を含む素材の棒が向きます。
つるを這わせる植物は、支えがあると葉が大きくなります。垂らしたままだと葉が小さいままのことがあります。
- 園芸用手袋探す言葉「園芸手袋 背抜き 薄手」
- 規格の目安
- 手のひらにゴムを張った薄手のもの。
切ると白い汁の出る植物があり、かぶれることがあります。厚い手袋だと細かい作業ができません。
- 柔らかい茎なら、指で摘めばはさみは要りません。
- 癒合剤は木の太い枝を切るときのもので、鉢の観葉植物には要りません。
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