年間の組み立て方
パキラの一年は、生育する5月から9月と、ほとんど動かない11月から3月に分かれます。剪定も植え替えも挿し木も、根が伸びる生育期の前半に集めるのが基本の組み立てです。
月ではなく気温で判断してください。同じ5月でも寒冷地の室内は20℃に届かないことがあり、その場合は作業を2週間から1か月遅らせるほうが安全です。
| 時期 | 株の状態 | 中心になる作業 |
|---|---|---|
| 4〜5月 | 生育開始 | 植え替え、剪定、施肥の再開 |
| 6〜9月 | 盛んに伸びる | 水やり、葉焼け対策、挿し木 |
| 10〜11月 | 生育が鈍る | 施肥終了、水やりの間隔を空ける |
| 12〜3月 | 休眠に近い | 乾かし気味に保ち低温を避ける |
作業の可否は室温で決まります。室内に温度計を置き、最低気温を把握しておくと判断が迷いません。
1月から6月の作業
| 月 | 置き場所と温度 | 水やり | 作業 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 日中は窓辺、夜は室内側 | 3週間に1回程度 | 何もしない |
| 2月 | 最低5℃以上を確保 | 3週間に1回程度 | 傷んだ葉を取り除く |
| 3月 | 日中の窓辺に戻す | 10日から2週間に1回 | 新芽の動きを確認する |
| 4月 | レースカーテン越し | 1週間に1回程度 | 植え替え、施肥の再開 |
| 5月 | レースカーテン越し | 表面が乾いて2日後 | 剪定、植え替え、挿し木 |
| 6月 | 強い日ざしから離す | 3日から5日に1回 | 剪定、挿し木、葉の水拭き |
3月に新芽が動き出したら生育期の始まりです。芽の動きを見てから水やりの間隔を詰めると失敗しません。
7月から12月の作業
| 月 | 置き場所と温度 | 水やり | 作業 |
|---|---|---|---|
| 7月 | 西日を避けた明るい室内 | 3日から5日に1回 | 剪定の締め切り、施肥 |
| 8月 | 冷房の風が当たらない場所 | 3日から4日に1回 | 葉水でハダニ予防 |
| 9月 | 窓辺に戻し始める | 4日から6日に1回 | 軽い枝抜き、施肥は今月まで |
| 10月 | 窓辺で日光を確保 | 1週間に1回程度 | 屋外の株を室内へ取り込む |
| 11月 | 夜間の冷え込みを避ける | 10日に1回程度 | 肥料を止める |
| 12月 | 夜は窓から離す | 2週間から3週間に1回 | 置き場所の最低温度を確認 |
9月までに施肥を終えます。秋以降に効かせると、寒さに弱い柔らかい芽が伸びたまま冬を迎えます。
作業が重なる5月から7月
剪定、植え替え、挿し木はどれも5月から7月が適期ですが、同じ日にまとめて行うと株の負担が重なります。特に植え替えと強い剪定を同時に行うと、根も葉も同時に減って回復が遅れます。
- 植え替えを先に行う
- 根が落ち着くまで2週間ほど待ってから剪定します。順番を守るだけで、新芽の出方がはっきり変わります。
- 剪定した枝で挿し木
- 切った枝はその日のうちに挿し穂にします。時間が経つと切り口が乾き、水揚げしても発根率が落ちます。
- 施肥は最後にする
- どちらの作業も根や枝に傷をつけます。新芽が動き始めたことを確認してから、薄い液体肥料で再開してください。
梅雨の間は湿度が高く、切り口が乾きにくくなります。作業は雨の続く日を避け、晴れ間の午前に済ませてください。
冬の不調を切り分ける
冬に出る不調は、寒さ・乾燥・水のやりすぎのどれかです。原因ごとに手当てが逆になるので、葉の落ち方と幹の硬さを見て切り分けてから動いてください。
- 夜間の最低室温を測る
- 暖房を切った明け方が最も冷えます。窓辺は室温より5℃以上低くなることがあり、ここで葉が黒く傷みます。
- 水やりを午前に済ませる
- 夕方に与えると夜の低温で鉢が冷え続けます。暖かい日の午前に与え、日中のうちに余分な水を切ります。
- 暖房の風を避ける
- 温風が直接当たると葉が乾いて先から枯れ、ハダニも増えます。風の通り道から外し、時々葉水を与えてください。
- 葉が落ちても待つ
- 寒さで下葉が落ちても、幹が硬ければ春に芽を吹きます。あわてて水や肥料を足すと根腐れを重ねることになります。
| 症状 | 考えられる原因 | 冬のあいだの手当て |
|---|---|---|
| 葉が黒くなって落ちる | 夜の冷え込みで凍えた | 窓辺から離し、夜は部屋の中央に移す |
| 葉先が茶色く乾く | 暖房の風が当たっている | 風の通り道から外し、葉水で湿りを補う |
| 下葉が黄色く垂れる | 冬も同じ間隔で水を与えた | 間隔を倍にあけ、土が乾くまで待つ |
| 幹がぶかぶかになる | 低温と過湿が重なった | 切り戻して春まで乾かし気味に置く |
冬に葉が減った株は、春の芽出しまで肥料を与えません。根が働いていない時期の施肥は根を傷めるだけです。
記録しておくとよいこと
パキラは変化がゆっくりで、記憶だけでは前回の作業を思い出せません。水やりと剪定の日付を残しておくと、翌年に同じ判断を繰り返せます。
| 記録する項目 | 記録の頻度 | 役に立つ場面 |
|---|---|---|
| 水やりの日付 | そのつど | 季節ごとの間隔を見直すとき |
| 剪定した位置と日付 | 作業のたび | 翌年の樹形を計画するとき |
| 植え替えの日付と鉢の号数 | 2年に一度 | 次の植え替え時期の判断 |
| 冬の最低室温 | 冬に数回 | 置き場所を決めるとき |
葉の写真を月に一度残すと、色や大きさの変化に気づけます。不調のとき、いつから始まったかをさかのぼれます。
地域と住まいによる差
同じ月でも室内の環境は住まいによって大きく違います。表の日付をそのまま当てはめず、自分の部屋の最低気温を基準に前後させてください。
| 条件 | 作業の目安 | 冬の注意 |
|---|---|---|
| 暖地の暖房のある部屋 | 表のとおりで進める | 窓辺の夜間だけ注意する |
| 中間地の暖房を使う部屋 | 作業を2週間ほど遅らせる | 10℃を切る日は室内側へ |
| 寒冷地や暖房のない部屋 | 作業を1か月遅らせる | 5℃を下回らない場所を確保 |
| 鉄筋の集合住宅 | 早めに作業できる | 乾燥でハダニが出やすい |
引っ越しや模様替えのあとは条件が変わります。置き場所を動かした年は、水やりの間隔を測り直してください。
パキラの栽培に一年を通して使うもの
鉢ものは、季節ごとに買い足すものがほとんどありません。年に一度の植え替えと、日々の水やりの判断を支えるものだけです。
数量は直径 24cm(8 号)の鉢 1 個を単位にしています。号数は直径 cm を 3 で割った数です。
- 観葉植物用の培養土探す言葉「観葉植物 培養土 水はけ」
- 規格の目安
- 水はけ重視の配合。多肉植物・サボテンならさらに粒の粗い専用土。5〜14L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、6 号鉢で約 3L。
室内では土が乾きにくく、水もちのよい土だと根が傷みます。用途の書かれた土を選ぶだけで失敗が減ります。
- 土壌水分計探す言葉「土壌水分計 観葉植物」
- 規格の目安
- 土に挿して読む針式。乾き・適・湿の 3 段階が読めれば十分です。
鉢ものを枯らす原因の筆頭は水のやりすぎです。表面が乾いていても中は湿っていることが多く、測るのがいちばん確実です。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 観葉植物 置き肥」
- 規格の目安
- 2〜3 か月効く粒状。土の上に置くだけのもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢に 10〜15g を、生育期(春から秋)に 2〜3 か月ごと。
冬は生育が止まるので与えません。休眠中に肥料を置くと、吸われずに土に残って根を傷めます。
- サーキュレーター探す言葉「サーキュレーター 静音 小型」
- 規格の目安
- 小型で首振りのあるもの。植物に直接強い風を当てない置き方ができるもの。
室内は風がありません。空気が動かないと土が乾かず、ハダニやカイガラムシも増えます。弱い風を回すだけで変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 冬の間は、肥料も植え替えも要りません。水やりの回数を減らすだけです。
パキラの上手に育てるコツは作物ページに
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