切り戻す時期と見極め
ペンタスは五月から咲き続けるうちに茎が伸び、七月頃には下葉が落ちて花が先端にしか付かなくなります。茎が長く伸びて株元がすかすかになったら切り戻しの合図です。七月中旬から八月上旬に行うと、九月から十月に秋の花が咲きそろいます。九月に入ってから切ると、花が戻る前に寒くなります。
| 株の姿 | 判断 | 切る量 |
|---|---|---|
| 茎が伸びて花が先端だけ | 切り戻す | 株の高さの三分の一 |
| 下葉が落ちて株元がすかすか | 強めに切り戻す | 株の高さの半分 |
| 形は良いが花が減った | 軽く切る | 花の終わった茎の先を一〜二節 |
| 九月以降で花がある | 切らない | 花がらだけ取って秋を楽しむ |
切り戻しの手順
茎は葉の付け根のすぐ上で切ります。葉の付け根には芽があり、そこから新しい茎が出て房が上がります。葉を全部落とすほど深く切ると回復が遅れるので、各茎に葉が数枚残る高さで切ります。花が咲いている茎を切るのは惜しいですが、切らないと秋の花が小さくなります。
- 晴れた日の午前中に
- 切り口が早く乾く晴れた日に行います。雨の日や湿った夕方に切ると切り口から腐り、枝が枯れ込みます。
- 葉の付け根の上で切る
- 葉の付け根の五ミリほど上で切ります。外側に向いた葉の上で切ると、枝が外へ広がって株がまとまります。
- 葉を数枚残す
- 各茎に葉が三〜四枚残る高さで切ります。葉を全部落とすと芽が出るまで時間がかかり、株が弱ります。
- 切ったら追肥
- 切り戻し後に液体肥料を与えます。追肥(育ちの途中で足す肥料)を切らさなければ、三週間ほどで新しい茎が伸びて房が上がります。
真夏の三十五度を超える日に切ると回復が遅れます。曇りの日か、猛暑がひと息ついた日を選びます。
挿し芽で増やす
切り戻しで出た茎は挿し芽にできます。六月と九月が適期で、先端から七〜八センチの柔らかい茎を使います。挿し芽用の土に挿して明るい日陰に置けば二〜三週間で根が出ます。九月に作った小苗は冬越しがしやすく、翌春に大株を作り直す元になります。
- 先端の柔らかい茎を切る
- 花や房の付いていない、先端から七〜八センチの茎を切ります。つぼみが付いていたら取り除きます。
- 下の葉を取って挿す
- 土に入る部分の葉を取り、湿らせた挿し芽用の土に二〜三センチ挿します。上の葉は二〜三枚残し、大きければ半分に切ります。
- 明るい日陰で乾かさない
- 直射日光を避けた明るい場所に置き、土を乾かさないように霧吹きで湿らせます。二〜三週間で根が出ます。
- 根が出たら鉢に植える
- 新しい葉が動き出したら根が出た合図です。小さな鉢に植えて日向に慣らし、一か月後に定植するか冬越し用に室内へ入れます。
摘心で株をこんもりさせる
植え付け直後の若い株に摘心(茎の先端を摘んで枝分かれさせること)をすると、枝の数が増えて株がこんもりします。一本立ちの苗は植えたときに先端を摘み、二週間後に伸びた枝の先をもう一度摘みます。既に枝が数本出ている苗は摘む必要がありません。
| 場面 | 作業 | 効果 |
|---|---|---|
| 植え付け時、一本立ちの苗 | 先端の芽を指で摘む | 下の節から二〜三本の枝が出る |
| 二週間後、枝が五〜六節に | 各枝の先端を摘む | 枝が倍に増えてこんもりする |
| 既に枝が数本ある苗 | 摘まない | そのまま育てて花を早める |
| 六月以降 | 摘心はせず切り戻しへ | 花を待ってから切る |
秋の切り戻しと冬越し株の準備
冬に室内で越冬させる株は、十月下旬に株の半分ほどに切り詰めて室内に入る大きさにします。花壇の株を鉢に上げるなら十月中に行い、根が落ち着いてから取り込みます。大株のまま室内に入れると光不足で葉が落ちるので、小さくしてから入れるほうが春の立ち上がりが良くなります。
- 十月下旬に半分に切る
- 株の高さの半分まで切り、室内に収まる大きさにします。切った茎は挿し芽にして小苗も作っておくと保険になります。
- 花壇の株は鉢に上げる
- 十月中に根を大きく掘り上げ、根鉢を崩さず鉢に植えます。二週間ほど軒下で落ち着かせてから室内へ入れます。
- 葉裏を洗って虫を落とす
- 取り込みの数日前に葉の裏まで水で洗い、ハダニやコナジラミを落とします。室内で増えると手に負えません。
切ったあと芽が出ないときの原因
切り戻しから三週間たっても新芽が出ないときは、切る時期、切る量、株の状態に原因があります。茎を軽く曲げてみて、しなやかで緑なら生きているので待ちます。茶色く乾いて折れるなら枯れているので、その下の生きた部分で切り直します。
| 場面 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 葉を全部落として切った | 光合成できず芽が出ない | 水を控え、生きていれば一か月待つ |
| 猛暑日に切った | 暑さで株が動かない | 半日陰に移し涼しくなるのを待つ |
| 切り口が黒く腐った | 雨の日に切ったか過湿 | 腐った部分の下で切り直す |
| 九月下旬に切った | 気温が下がり芽が動かない | 翌春まで待つか挿し芽で作り直す |
ペンタスの剪定・切り戻しに使うもの
切り戻しは株を若返らせる作業です。切る位置と、切り口を乾かすことに関わるものだけで足ります。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。バイパス式(刃が交差するもの)は切り口がきれいです。
アンビル式(刃が台に当たるもの)は茎を潰します。生きた枝を切るならバイパス式を選びます。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
株を変えるたびに刃を拭きます。病気の株から健全な株へ、はさみが運んでしまうのを防げます。
- 園芸用手袋探す言葉「園芸手袋 背抜き」
- 規格の目安
- 手のひらにゴムを張った背抜きタイプ。細かい作業ができる薄手のもの。
茎の汁でかぶれる植物があります。厚い革手袋だと、切る位置を指で確かめられません。
- 柔らかい茎の草花は、指で摘めばはさみは要りません。
- 癒合剤は木の太い枝を切るときのもので、草花には要りません。
ペンタスの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はペンタスの育て方にまとめています。
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