一年の流れを表で
シャクヤクは冬に地上部が消え、三月に芽を出し、五月に咲き、秋に枯れて休眠します。作業は追肥の三回と支柱、花がら切り、秋の地際切りが中心です。植え付けと株分けは秋だけです。関東平野部の露地を基準にまとめます。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 12月〜1月 | 寒肥、休眠 | 堆肥をすき込む |
| 2月下旬〜3月 | 芽出し肥、芽の深さの確認 | 赤い芽が見えたら |
| 4月 | 支柱立て、つぼみの整理、液肥 | つぼみが小豆大で脇芽を摘む |
| 5月 | 開花、花がら切り、切り花 | 散り始めで切る |
| 6月 | 花後の追肥、病気の葉の除去 | 葉は残す |
| 7月〜8月 | 水やり、病害虫の観察 | 肥料は与えない |
| 9月下旬〜10月 | 秋の追肥、植え付け、株分け | 彼岸を過ぎたら |
| 10月〜11月 | 葉が枯れたら地際で切る | 切った葉は持ち出す |
冬から三月は肥料と芽の確認
地上部のない冬は、十二月から一月に寒肥として堆肥を株の周りにすき込みます。二月下旬に赤い芽が地表に見え始めたら緩効性肥料を与え、芽の深さが三センチから五センチにあるかを確かめます。芽が見えないうちに株元を耕したり踏んだりすると芽を傷めるので、株の位置に目印を立てておきます。
鉢植えは冬も屋外に置きます。室内に入れると低温に当たらず、翌春の芽が動きません。霜柱で土が持ち上がっても、シャクヤクの根株なら問題ありません。
- 株の位置に目印
- 地上部が消えると株の位置が分からなくなります。秋の地際切りのときに棒を立て、冬の作業で踏まないようにします。
- 寒肥は離して浅く
- 株から三十センチ離れた場所を深さ十センチほど掘り、堆肥を入れます。株元を掘ると芽と根を傷めます。
- 芽が見えたら追肥
- 二月下旬から三月に赤い芽が地表に出たら、緩効性肥料を一握り、株の周りに置いて軽く混ぜます。
四月から五月は支柱と開花
四月に茎が伸びてつぼみが付きます。四月下旬までに支柱を立て、脇の小さなつぼみを摘んで一茎一花にします。つぼみが見えてから開花までは液肥を週一回与えると花が大きくなります。五月上旬から中旬に咲き、一株の見ごろは一週間から十日です。散り始めたら花がらを葉の上で切ります。
| 時期 | 作業 | 注意 |
|---|---|---|
| 4月上旬〜中旬 | 支柱立て、脇のつぼみを摘む | 小豆大のうちに |
| 4月中旬〜下旬 | 液肥を週一回 | 開花が始まったら止める |
| 5月上旬〜中旬 | 開花、雨の前に支柱を確認 | 花に水をかけない |
| 5月中旬〜下旬 | 花がら切り、切り花 | 葉は残す |
つぼみに甘い液が付いてアリが集まることがありますが、これは正常です。アリが花を傷めることはありません。
六月から八月は葉を守る
花後の六月上旬に緩効性肥料を与え、翌年の花芽作りを助けます。梅雨は灰色かび病が出やすいので、病気の葉だけを取って株元を乾かします。梅雨明け後は猛暑で葉が垂れたら朝に水を与えます。七月から八月は肥料を与えず、葉を残すことだけを考えて夏を越します。
- 六月上旬に花後の追肥
- 花がら切りが終わったら緩効性肥料を一握り、株の周りに置きます。翌年の花芽を作る力になります。
- 梅雨は病気の葉を取る
- 斑点や灰色のかびが出た葉だけを付け根から切り、株の周りの落ち葉も拾って持ち出します。
- 猛暑は朝に水
- 一週間以上雨がなく葉が垂れたままなら、朝に株の周り全体へたっぷり与えます。夕方には与えません。
九月から十一月は追肥と株の更新
彼岸を過ぎて涼しくなったら秋の追肥(育ちの途中で足す肥料)を与え、根を太らせます。植え付けと株分けはこの時期だけの作業で、十月中に済ませます。葉が黄色く枯れてきたら地表から五センチで茎を切り、切った葉は持ち出します。株元には堆肥を薄く敷いて冬を待ちます。
- 九月下旬に秋の追肥
- 緩効性肥料か堆肥を一握り、株の周りに置きます。この肥料が翌春の芽の太さを決めます。
- 十月に植え付けと株分け
- 新しい株の植え付け、七年以上たった株の株分けは十月中に済ませ、冬までに根を張らせます。
- 葉が枯れたら地際切り
- 黄色くなって倒れ始めたら地表から五センチで切ります。青いうちに切ると翌年の芽が細ります。
- 目印を立てる
- 切ったあと株の位置に棒を立て、冬に踏んだり掘ったりしないようにします。芽は地表のすぐ下にあり、踏むと傷みます。
時期を外したときの立て直し
作業の時期を逃したときは、無理に季節外れの作業をせず次の適期に回すのが原則です。シャクヤクは秋にしか動かせないので、春や夏に気付いた不調は秋まで持たせてから直します。
| 場面 | 起きること | 立て直し |
|---|---|---|
| 春に植え付けた | 当年はほとんど育たない | そのまま育て、秋に深さを直す |
| 支柱を立てる前に開花した | 雨で倒れ花が泥に付く | 倒れた茎は切り花にし、来年は四月中に |
| 花後の追肥を忘れた | 翌年の花が小さい | 九月の追肥を忘れず、翌年六月に必ず |
| 青い葉のうちに切った | 翌年の芽が細い | 秋の追肥を増やし、翌年は枯れるまで待つ |
| 株分けを春にした | 根が動かず枯れやすい | 水を切らさず秋まで持たせる |
シャクヤクの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
シャクヤクの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はシャクヤクの育て方にまとめています。
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