花後にすることを整理する
シャクヤクは花が終わったあとの五月下旬から九月までに、葉で養分を作って根に蓄え、翌年の芽を根株の上に作ります。この時期に葉を切ってしまうと翌年の花がなくなります。花がらだけを切り、葉は秋に枯れるまで残すのが原則です。
| 作業 | 時期 | 目安 |
|---|---|---|
| 花がら切り | 花びらが散り始めたら | 花のすぐ下、葉の上で |
| 花後の追肥 | 花がら切りの直後 | 緩効性肥料を一握り |
| 葉を残す | 6月〜9月 | 切らない。病気の葉だけ取る |
| 地際で茎を切る | 10月〜11月、葉が枯れたら | 地表から五センチ |
| 株分け・植え替え | 9月下旬〜10月 | 必要なときだけ |
花がら切りの手順
花びらが散り始めたら、種を作らせないうちに花を切ります。切る位置は花のすぐ下ではなく、花の下の最初の葉の上です。茎を長く残しても葉が付いていれば養分を作り続けます。切り花として楽しんだ茎も、葉を二枚以上残して切ればその後の株に影響しません。
- 散り始めたら切る
- 花びらが数枚落ち始めた段階で切ります。完全に散るまで待つと種ができ始めて株の力を使います。
- 最初の葉の上で切る
- 花の下にある最初の葉のすぐ上で切ります。葉を残せば茎の長さは問いません。葉を残すことが翌年の花につながります。
- 葉は一枚も取らない
- 花を切るついでに葉を整理したくなりますが、葉は翌年の花を作る工場です。病気の葉以外は残します。
- 切ったら追肥
- 花がらを切り終えたら、株の周りに緩効性肥料を一握り置きます。翌年の花芽を作る最も大事な肥料です。
切り花にするときは、つぼみが少しゆるんで色が見えたころに、葉を二枚以上残して切ります。全部の茎を切り花にすると翌年の花が減ります。
葉を残して夏を越す
六月から九月の葉は、翌年の花芽を作るために残します。この間の管理は、水を切らさないこと、病気の葉を早めに取ること、株元に風を通すことの三つです。梅雨明け後の猛暑では葉が垂れることがありますが、朝の水やりで戻るなら問題ありません。
- 梅雨明け後は乾きを見る
- 一週間以上雨がなく葉が垂れたままなら、朝に株の周りへたっぷり与えます。土が湿っていれば与えません。
- 病気の葉だけ取る
- 斑点が出た葉や灰色のかびが付いた葉は、その葉だけを付け根から切って持ち出します。健全な葉は残します。
- 株元を風通しよく
- 株元の雑草を抜き、落ちた花びらや枯れ葉を取り除きます。湿気がこもると病気が出ます。
- 夏の肥料は止める
- 七月から八月は肥料を与えません。暑さで根が休んでいる時期に肥料が効くと根が傷みます。
秋の地際切り
十月から十一月に葉が黄色くなって枯れてきたら、茎を地表から五センチほどの高さで切ります。青い葉が残っているうちに切ると翌年の芽が細るので、必ず枯れるのを待ちます。切った茎と葉は株元に残さず持ち出します。病気の胞子が冬を越して翌年に出るのを防ぐためです。
| 葉の状態 | 作業 | 注意 |
|---|---|---|
| まだ緑の葉が多い | 切らずに待つ | 養分を根に送っている |
| 黄色くなり倒れ始めた | 地表から五センチで切る | 切った葉は持ち出す |
| 枯れて茶色い | すぐ切る | 病気の残りを片付ける |
| 切ったあと | 株元に堆肥を薄く | 芽の上に厚く積まない |
切ったあとの株元には翌春の芽がすでにできています。歩いて踏んだり、深く耕したりしないように、目印の棒を立てておきます。
冬の休眠と芽出し前
冬のシャクヤクは地上部がなくなり、根株の上に赤い芽を付けて休んでいます。寒さには非常に強く、関東では保護は要りません。むしろ冬の低温が翌年の花に必要なので、暖かい場所で保護しないようにします。十二月から一月に寒肥として堆肥をすき込み、二月下旬に芽が動く前の追肥(育ちの途中で足す肥料)を与えます。
- 保護はしない
- 冬の寒さは花芽の充実に必要です。鉢植えも室内に入れず、屋外の霜の当たらない場所に置きます。
- 十二月に寒肥
- 株から三十センチ離れた場所を浅く掘り、堆肥を一掘り分入れて埋め戻します。深さは十センチまでにして太い根を切らないようにします。
- 二月下旬に芽出し肥
- 赤い芽が地表に見え始めたら、緩効性肥料を一握り、株の周りに置いて軽く混ぜます。芽に肥料が直接触れないように離します。
- 芽の深さを確かめる
- 芽が地表から三センチから五センチにあるかを見ます。深く沈んでいたら秋まで待って土をどけます。
翌年の花が減ったときの原因と直し方
去年より花が減った、咲かなかったというときは、花後から秋までの管理のどこかに原因があります。株の年数と去年の作業を思い出して切り分けます。
| 状態 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 葉は茂るが花が付かない | 深植え、または肥料の窒素が多い | 秋に芽の深さを直す。肥料をリン酸主体に |
| 花が年々小さくなる | 株の老化か肥料不足 | 七年以上なら秋に株分け。追肥三回を守る |
| 夏に葉を切ったら翌年咲かない | 養分を蓄えられなかった | 今年は葉を残し、追肥を続ける |
| 去年たくさん切り花にした | 葉が減って蓄えが足りない | 切り花は株の半分までに |
| 日陰になってきた | 周りの木が育った | 秋に日当たりへ移植 |
シャクヤクの花が終わったあとに使うもの
来年も咲かせるかどうかは、この時期の手当てで決まります。切ることと、球根をしまうことです。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。硬くなった茎を切るので、花がら摘み用より丈夫なもの。
花後の切り戻しは、次の芽を出させる作業です。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- お礼肥用の緩効性肥料探す言葉「緩効性肥料 お礼肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢に 10g 前後、花壇 1 ㎡ あたり 30〜50g。
咲かせるのに使った養分を戻す肥料です。ここを飛ばすと、翌年の花数が目に見えて減ります。
- 球根の保存ネット探す言葉「球根 保存 ネット袋」
- 規格の目安
- 目の粗いネット袋。品種を書いたラベルを付けられるもの。
掘り上げた球根は、風の通るところに吊るして乾かします。密閉すると中から腐ります。
- 掘り上げずに植えっぱなしでよい球根も多く、その場合は保存の資材は要りません。
- 花後すぐに葉まで切らないでください。葉が来年ぶんの養分を作ります。
シャクヤクの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はシャクヤクの育て方にまとめています。
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