地植えと鉢で水の考え方が違う
シャクヤクは根が太く深いので、地植えなら根付いた後の水やりはほとんど要りません。ただし芽が伸びてつぼみが付く四月から五月の乾きは花に直接響くので、この時期だけは注意します。鉢植えは乾きやすく、生育期は毎日の観察が必要です。
| 場面 | 水やりの目安 | 見るところ |
|---|---|---|
| 地植え・植え付け後の秋冬 | 植えた日にたっぷり、以後は雨に任せる | 乾燥が続いたら月に一回 |
| 地植え・四月から五月 | 一週間以上雨がなければ朝に | 葉が垂れる前に |
| 地植え・夏から秋 | 基本は不要 | 猛暑が続き葉が垂れたら |
| 鉢植え・生育期 | 表面が乾いたら鉢底から流れるまで | つぼみの時期は特に切らさない |
| 鉢植え・冬 | 乾いたら暖かい日中に少量 | 凍る夕方は避ける |
追肥は年三回
シャクヤクは肥料をよく食べる植物で、追肥(育ちの途中で足す肥料)を切らすと花が小さくなり、翌年の芽も細ります。芽出し前の二月から三月、花が終わった直後の六月、根が太る九月下旬から十月の三回、緩効性の固形肥料を株元から少し離して置きます。特に花後の肥料は翌年の花芽を作る力になるので忘れません。
| 時期 | 肥料 | 量の目安と狙い |
|---|---|---|
| 2月〜3月(芽出し前) | 緩効性の固形肥料 | 一株に一握り。芽と茎を太らせる |
| 6月(花後) | 緩効性の固形肥料 | 一株に一握り。翌年の花芽を作る |
| 7月〜8月 | 与えない | 暑さで根が休む |
| 9月下旬〜10月 | 緩効性の固形肥料か堆肥 | 一株に一握り。根を太らせる |
| 12月〜1月 | 寒肥として堆肥 | 株の周りに堆肥を一掘り分すき込む |
肥料は株元の芽に直接触れさせず、株の周り二十センチほどの円に置きます。芽に触れると腐ります。
肥料の与え方
固形肥料は株の周りに円を描くように置き、軽く土に混ぜます。冬の寒肥は株から三十センチほど離れた場所を浅く掘り、堆肥を入れて埋め戻します。根を切らないよう、深さは十センチまでにとどめます。液肥は補助として、つぼみが見えてから開花までの間に週一回与えると花が大きくなります。
- 株元から二十センチ離す
- 固形肥料は芽や茎の根元に触れないように、株の周り二十センチほどの円に置きます。芽に触れると腐ります。
- 軽く土に混ぜる
- 置いた肥料を指か小さな熊手で表面の土に混ぜます。表面に置いたままだと雨で流れます。
- 寒肥は浅く掘る
- 十二月から一月に、株から三十センチ離れた場所を深さ十センチほど掘り、堆肥を入れて戻します。太い根を切らないようにします。
- つぼみの時期は液肥を足す
- 四月にがくが見え始めたら、規定倍率の液肥を週一回与えます。開花が始まったら止めます。
支柱で花を支える
シャクヤクの花は大きく重いので、雨に当たると茎が倒れて花が泥に付きます。つぼみが大きくなる四月下旬までに支柱を立て、茎をゆるく結びます。株全体を囲む輪の付いた支柱を使うと、茎を一本ずつ結ぶ手間が省けます。
- 四月下旬までに立てる
- つぼみがふくらんで重くなる前に立てます。開花後に立てると茎や葉を傷めます。芽が二十センチほどのころが目安です。
- 輪の付いた支柱が楽
- 株を囲む輪型の支柱を芽が三十センチほどのころにかぶせ、茎が伸びるにつれて輪をくぐらせます。
- 一本ずつ結ぶなら八の字
- 茎と支柱をひもで八の字に結び、茎に食い込まないようゆるみを持たせます。茎が太るので一か月後にゆるみを見直します。
- 雨の前に確かめる
- 開花期に雨の予報が出たら、結びのゆるみと支柱のぐらつきを確かめます。倒れてからでは戻せません。
つぼみの整理で大きな花に
一本の茎に主なつぼみと脇の小さなつぼみが付きます。脇のつぼみを小豆大のうちに摘んで一茎一花にすると、主の花が大きく開きます。花数を優先するなら脇のつぼみを残しても構いませんが、その分一つ一つは小さくなります。株が若いうちは一茎一花で株を作ります。
- 脇のつぼみを小豆大で摘む
- 主のつぼみの下に付く小さなつぼみを、小豆ほどの大きさのうちに指で摘み取ります。大きくなってから摘むと傷が残ります。
- 一年目は全部摘む
- 植えて最初の春はつぼみを全部摘み、葉と根を育てます。翌年から本来の花が咲きます。
- 花数を取るなら残す
- 切り花にたくさん使いたいなら脇のつぼみを残します。開花がずれるので長く楽しめます。
葉の異変から原因を切り分ける
シャクヤクの葉の変化は、水、肥料、根の状態がそれぞれ違う姿で出ます。薬をまく前に、葉のどこがどう変わっているかを見て、原因を絞ります。
| 症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 葉が垂れて夕方も戻らない | 乾き(四月から五月に多い) | 朝に株の周りへたっぷり与える |
| 葉が黄色く小さい | 肥料切れか日陰 | 追肥を三回守る。日当たりを確かめる |
| 葉のふちが茶色く枯れる | 肥料が根に触れた | 肥料を離し、水で流す |
| 葉が黒ずんで茎が倒れる | 根腐れ・水はけ不良 | 水を止める。秋に高畝へ植え直す |
| 秋に葉が枯れ込む | 自然な休眠 | 地際で切って冬を待つ |
九月以降に葉が枯れ込むのは休眠に入る正常な姿です。夏の葉の色が保てていれば、秋の枯れは心配ありません。
シャクヤクの育てている間に使うもの
草花の管理は、花がらを摘むことと、肥料を切らさないことに尽きます。どちらも道具は小さくて済みます。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。手に収まる小さいものが疲れません。
咲き終わった花をそのままにすると、種を作るほうへ養分が回って次の花が減ります。摘み続けるほど花期が伸びます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸の数字が高いもの。
つぼみの上がる時期に週 1 回。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり茂って花が減ります。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 置き肥 花」
- 規格の目安
- 2〜3 か月効く粒状。鉢の縁に置きます。
- 数量の目安
- 8 号鉢に 10〜15g を 2〜3 か月ごと。
水やりのたびに考えなくて済みます。液肥との併用なら、置き肥は規定量の半分から始めます。
- ジョウロ(ハス口付き)探す言葉「ジョウロ 5L ハス口」
- 規格の目安
- 容量 4〜5L。ハス口が外せるものは、株元だけに与えるときに便利です。
花に水をかけると傷んで早く終わります。ハス口を外して株元へ注げば、花を濡らさずに済みます。
- 花がらは指で摘める種類が多く、はさみが要るのは茎の硬いものだけです。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。
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