植える場所を先に決める
シャクヤクは一度植えると同じ場所で十年以上咲き続ける宿根草で、植え替えを嫌います。最初の場所選びがそのまま十年の結果になるので、日当たり、水はけ、周りの木との距離を植える前に確かめます。日当たりは一日五時間以上、水はけは雨の翌日に水が残らない場所が条件です。
地植えが基本で、鉢植えは八号以上の深い鉢が要ります。鉢では根が回りやすく二年から三年で植え替えが必要になるので、置き場所があるなら地植えを選びます。
| 場所 | 向き不向き | 理由 |
|---|---|---|
| 日当たりのよい花壇の中央 | 最も向く | 五時間以上日が当たり風が通る |
| 建物の東側 | 向く | 午前の日で十分、午後の暑さを避けられる |
| 大きな木の根元 | 不向き | 木の根に水と養分を取られる |
| 雨のあと水がたまる低地 | 不向き | 根が腐る。高畝にするか場所を変える |
| 八号以上の深鉢 | 可 | 二年から三年ごとに植え替えが要る |
植え付けの時期は秋だけ
シャクヤクの植え付けは九月下旬から十月が適期で、春に植えると根が動く時期と重なって当年はほとんど育ちません。秋に植えると冬の間に根が張り、翌春に芽が伸びます。春に花付きの鉢を買った場合は、鉢のまま花を楽しみ、秋になってから庭に下ろします。
| 地域 | 植え付けの適期 | 目安 |
|---|---|---|
| 暖地 | 10月〜11月上旬 | 暑さが抜けてから |
| 関東平野部 | 9月下旬〜10月 | 彼岸を過ぎたら |
| 寒冷地 | 9月中旬〜10月上旬 | 土が凍る一か月前まで |
通販の根株は十月に届きます。届いたらすぐ植え、乾かさないようにします。植えられない場合は湿らせた新聞紙に包んで冷暗所に置き、一週間以内に植えます。
土作りは深く、肥料はたっぷり
シャクヤクは根が太く深く伸び、十年動かさないので、植え付けの土作りだけは手を抜けません。直径と深さともに四十センチの穴を掘り、掘り上げた土に堆肥と腐葉土をたっぷり混ぜます。酸性の土を嫌うので、植え付けの二週間前に苦土石灰を混ぜておきます。
- 二週間前に石灰
- 一株あたり苦土石灰を一握りまいて深く耕し、二週間置きます。酸性のままだと根の伸びが鈍ります。
- 四十センチの穴を掘る
- 直径と深さがそれぞれ四十センチの穴を掘ります。根が深く伸びる植物なので、穴の底の土もほぐしておきます。
- 堆肥と元肥を混ぜる
- 掘り上げた土に堆肥をバケツ一杯、腐葉土を同量、元肥(植え付け前に土に混ぜる肥料)として緩効性肥料を一握り混ぜます。
- 根に肥料を触れさせない
- 穴の底に肥料を入れた土を戻し、その上に肥料の入っていない土を十センチかぶせてから根株を置きます。肥料が根に直接触れると腐ります。
芽の深さが花を決める
シャクヤクの植え付けで最も大事なのが芽の深さです。根株の上に付いている赤い芽が地表から三センチから五センチの深さになるように据えます。深く植えると株は育つのに何年たっても花が咲かず、浅すぎると冬に芽が乾いて傷みます。この数センチの差が翌年以降の花を分けます。
- 芽を上に向けて置く
- 根株の赤い芽が上を向くように穴の中央に置きます。芽が横や下を向くと芽が伸びる前に力を使い切ります。
- 芽の上に三センチから五センチ
- 土を戻しながら、芽の先端から地表まで三センチから五センチになる高さで止めます。棒を横に渡して深さを測ると確実です。
- 軽く押さえて水をたっぷり
- 土を軽く押さえて根と土をなじませ、たっぷり水を与えます。水で土が沈んで深さが変わったら土を足して調整します。
- 株間は六十センチ以上
- 数株植えるなら六十センチから八十センチ空けます。三年で株の幅が五十センチを超えます。
土が沈んで芽が深くなるのがいちばん多い失敗です。植えて一か月後と、翌春の芽出しの時期に深さを確かめます。
植えてからの待ち方
秋に植えたシャクヤクは翌春に芽を出しますが、一年目は花が咲かないか、咲いても小さいのが普通です。二年目から本来の花が咲き、三年目以降に株が充実します。一年目につぼみが付いても、株を育てるために摘み取るくらいの気持ちで待ちます。植え付け後の冬は特別な保護は要らず、株元を落ち葉で軽く覆う程度です。
| 年数 | 株の様子 | することは |
|---|---|---|
| 一年目の春 | 芽が数本、花は少ないか咲かない | つぼみを摘んで株を育てる |
| 二年目 | 本来の花が咲き始める | 一茎一花に整理して大きく咲かせる |
| 三年目以降 | 株が充実し花数が増える | 支柱と追肥を続ける |
| 七年から十年 | 花が減ってきたら | 秋に株分けして更新 |
芽が出ないときの原因と立て直し
春になっても芽が出ない、出ても細くて弱いときは、植え付けの深さか根株の状態に原因があります。掘り返すのは最小限にし、まず土を少しどけて芽の位置を確かめます。
| 状態 | 考えられる原因 | 立て直し |
|---|---|---|
| 四月になっても芽が出ない | 深植えか根株が腐った | 土をどけて芽を確かめる。腐っていれば処分 |
| 芽は出たが細く花がない | 一年目の正常な姿か、深植え | 一年目なら待つ。芽が七センチ以上深ければ秋に植え直す |
| 芽が茶色く枯れた | 浅すぎて冬に乾いた | 秋に土を三センチ足す |
| 葉は茂るが年々小さくなる | 木の根や日陰に負けている | 秋に日当たりへ移す |
植え直しは秋にしかできません。春に不調に気付いても掘り上げず、その年は水と肥料で持たせて十月に直します。
シャクヤクの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
シャクヤクの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はシャクヤクの育て方にまとめています。
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