花が終わったらどこで切るか
花がすべて終わった花茎は、放っておくと株の養分を使い続けます。切る位置は二通りあり、株元近くで切って株を休ませるか、花茎の節を残して二番花を狙うかを、葉を触って確かめ、株の状態で判断します。葉が四枚以上あり張りのある元気な株なら二番花、葉が少なく弱っている株なら株元で切ります。
二番花を狙う場合は、花茎の下から数えて二〜三節目の上で切ります。節から新しい花茎が伸び、二〜三か月後に少なめの花が咲きます。ただし株の体力を使うので、翌年の花は小さくなります。長く育てるなら株元で切って休ませるほうが、翌年の花が大きくなります。
| 状態 | 切る位置 | その後 |
|---|---|---|
| 葉が四枚以上で張りがある | 花茎の二〜三節目の上 | 二〜三か月で二番花 |
| 葉が三枚以下か張りがない | 花茎の株元から二〜三センチ | 株を休ませ翌年に咲かせる |
| 花茎が茶色く枯れた | 枯れた部分を株元で | 自然に枯れたら切るだけでよい |
切り口には園芸用の殺菌剤か、なければ何も塗らずに乾かします。花茎を手で折らず、清潔なはさみで切ります。
花後の株を回復させる
花が終わった株は体力を使い切っています。花後の三〜四か月は明るい窓辺に置き、水苔が乾いてから水を与え、五月以降に薄い液体肥料を月二回与えて、新しい葉と根を出させます。この時期に新しい葉が一〜二枚出れば、翌年に咲く力が付きます。
贈答の寄せ植えは花後に一株ずつ分けて植え替えるのが基本です。化粧鉢の中で三〜五株が詰まっていると根が蒸れやすく、株ごとに乾き方が違って水やりの失敗が起きます。花後の四月から六月が植え替えの適期で、詳しくは植え替えの解説を参照してください。
- 明るい窓辺で休ませる
- 花茎を切ったら、レースのカーテン越しの明るい窓辺に置きます。暗い場所のままでは新しい葉が出ません。
- 寄せ植えは一株ずつに
- 花後の四月から六月に、化粧鉢から取り出して一株ずつ新しい水苔で植え替えます。傷んだ根はこのとき切ります。
- 五月から薄い肥料
- 新しい葉や根が動き出したら、規定の二〜三倍に薄めた液体肥料を月二回、九月まで与えます。
秋の低温で花芽を付ける
胡蝶蘭は夜の温度が十五〜十八度に下がる日が三〜四週間続くと花芽を作ります。日本の住宅なら、十月から十一月に暖房を入れる前の窓辺がちょうどこの条件になります。この時期に暖かい部屋へ入れてしまうと、花芽が付かずに葉ばかり育ちます。
花芽は株元の葉の付け根から、根とは違う扁平な緑の芽として出てきます。根は先が丸く、花芽は先が平らで上に向かって伸びるので見分けられます。迷ったら数日見て、上へ伸びるなら花芽と判断します。花芽が二〜三センチになったら、十五度を下回らない暖かい部屋へ移して伸ばします。
| 時期 | 管理 | 目安 |
|---|---|---|
| 10月〜11月 | 夜十五〜十八度の窓辺に置く | 三〜四週間続ける |
| 11月〜12月 | 花芽が出たら暖かい部屋へ | 花芽が二〜三センチになったら |
| 12月〜2月 | 十八度以上で花茎を伸ばす | 二〜三か月で開花 |
花茎を伸ばして咲かせる
花芽が伸び始めたら、株の向きを変えないようにします。花茎は光の方向へ曲がるため、途中で向きを変えると花茎がくねって花が乱れます。花茎が十五センチほどになったら支柱を立て、伸びるたびに柔らかいひもで軽く留めます。
つぼみが付いてから開くまでの間は、暖房の風、夜の冷え込み、乾燥、置き場所の変更のどれもつぼみを落とす原因になります。この時期は水苔を乾かしすぎず、霧吹きで湿度を保ち、十八度以上で安定した場所に置いたまま動かしません。
- 向きを固定する
- 花芽が出たら鉢の向きを決め、水やりも鉢を回さずに行います。光に向かって素直に伸びると花が一列にそろいます。
- 支柱を立てる
- 花茎が十五センチになったら、根を傷めないよう鉢の縁近くに支柱を差し、花茎を柔らかいひもで留めます。
- つぼみの時期は動かさない
- つぼみが見えてから開くまでは置き場所を変えず、暖房の風を避け、十八度以上を保ちます。
咲かないときの原因と直し方
翌年に咲かない原因は、暗い場所に置いた、秋に低温に当てなかった、根腐れで株が弱った、二番花で体力を使い切ったのどれかがほとんどです。葉が新しく出ているのに咲かないなら低温と光、葉が減っているなら根を疑います。
咲かなかった株も、葉が硬く根が白ければ来年に持ち越せます。夏に新しい葉を出させ、十月から十一月に暖房の入っていない窓辺で夜の低温に当て、花芽が出たら暖かい部屋へ、という流れをもう一度試します。二年目に咲くことは珍しくありません。
| 原因 | 今年の様子 | 来年の直し方 |
|---|---|---|
| 光不足 | 葉が濃い緑で垂れ花芽がない | 明るい窓辺へ移す |
| 低温に当てなかった | 葉は元気なのに花芽がない | 十月から十一月に窓辺で夜の低温に当てる |
| 根腐れ | 葉がしわで減っている | 植え替えて根を回復させ来年に持ち越す |
| 二番花で体力を使った | 花が小さく葉が出ない | 今年は花茎を株元で切り休ませる |
胡蝶蘭の花が終わったあとに使うもの
来年も咲かせるかどうかは、この時期の手当てで決まります。切ることと、球根をしまうことです。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。硬くなった茎を切るので、花がら摘み用より丈夫なもの。
花後の切り戻しは、次の芽を出させる作業です。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- お礼肥用の緩効性肥料探す言葉「緩効性肥料 お礼肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢に 10g 前後、花壇 1 ㎡ あたり 30〜50g。
咲かせるのに使った養分を戻す肥料です。ここを飛ばすと、翌年の花数が目に見えて減ります。
- 球根の保存ネット探す言葉「球根 保存 ネット袋」
- 規格の目安
- 目の粗いネット袋。品種を書いたラベルを付けられるもの。
掘り上げた球根は、風の通るところに吊るして乾かします。密閉すると中から腐ります。
- 掘り上げずに植えっぱなしでよい球根も多く、その場合は保存の資材は要りません。
- 花後すぐに葉まで切らないでください。葉が来年ぶんの養分を作ります。
胡蝶蘭の長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は胡蝶蘭の育て方にまとめています。
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