水苔が乾いてから与える
胡蝶蘭は木の幹に根を張り、雨のあとすぐ乾く環境で育つランです。根が常に湿っていると腐ります。水苔の表面だけでなく中まで乾いてから与えるのが基本で、週に一回など日数で決めず、乾き具合を確かめて決めます。
乾いたかどうかは、水苔に指を二センチほど差し込んで湿り気を確かめるか、鉢を持ち上げて重さを比べます。透明な内鉢なら、根の色で分かります。白っぽい根は乾いている合図、緑がかった根はまだ湿っています。
| 状態 | 見分け方 | 対応 |
|---|---|---|
| 乾いている | 根が白く、鉢が軽く、水苔が指に付かない | たっぷり与える |
| まだ湿っている | 根が緑がかり、水苔が指に付く | 与えない |
| 乾きすぎ | 葉がしわになり根が縮む | 与えたあと霧吹きで湿度を足す |
贈答の寄せ植えは、化粧鉢の中に三〜五株のポリポットが入っています。株ごとに乾き方が違うので、それぞれ確かめて与えます。
与え方と量
与えるときは鉢底から流れ出るまでたっぷり注ぎ、受け皿にたまった水は必ず捨てます。化粧鉢の中に水がたまったままだと、ポットの底が浸かって根腐れします。葉の付け根や株の中心に水がたまると腐るので、株元の水苔に注ぎ、かかった水はティッシュで吸い取ります。
水は常温にします。冬に冷たい水道水をそのまま与えると根が冷えて傷むので、汲み置きして室温にしてから与えます。与える時間は午前中が基本で、夕方以降に与えると夜に湿ったままになり、冬は特に根が冷えます。
- 株元に注ぐ
- 葉の付け根に水がかからないよう、株元の水苔に静かに注ぎます。鉢底から流れ出るまで与えて水苔全体を湿らせます。
- 受け皿の水を捨てる
- 化粧鉢や受け皿にたまった水は必ず捨てます。ポットの底が水に浸かったままだと根が腐ります。
- 株の中心の水を拭く
- 葉の付け根や中心に水が残っていたら、ティッシュで吸い取ります。残ると腐って成長点が傷みます。
- 午前中に常温の水で
- 汲み置いて室温にした水を午前中に与えます。冬に冷たい水を夕方に与えるのが一番の失敗です。
季節で変わる回数
回数の目安は春と秋が七〜十日に一回、夏は五〜七日に一回、冬は二〜三週間に一回です。ただし部屋の温度と湿度、鉢の大きさ、水苔の詰め方で大きく変わるので、目安はあくまで確かめる間隔と考え、乾いていなければ与えません。
冬は十五度を下回ると根が水を吸わなくなります。この時期に春と同じ回数で与えると確実に根腐れします。冬は乾いてからさらに数日待つくらいでちょうどよく、葉が少ししわになる程度なら傷みません。
| 時期 | 回数の目安 | 注意 |
|---|---|---|
| 3月〜5月 | 七〜十日に一回 | 生育が始まり乾きが早くなる |
| 6月〜9月 | 五〜七日に一回 | 夕方の水やりは蒸れる |
| 10月〜11月 | 七〜十日に一回 | 花芽が付く時期、乾かしすぎない |
| 12月〜2月 | 二〜三週間に一回 | 十五度以下では根が吸わない |
肥料は薄く、生育期だけ
胡蝶蘭は肥料をほとんど必要としません。与えるなら生育期の五月から九月に、ラン用か草花用の液体肥料を規定の二〜三倍に薄めて、月に二回ほど水やりの代わりに与えます。開花中と冬は与えません。
多く与えると根が焼けて先端が黒くなり、葉が軟らかくなって病気が出やすくなります。肥料で花を増やすことはできず、光と温度と根の健康が花を決めます。迷うなら与えないほうが安全です。
- 五月から九月だけ
- 新しい葉や根が動く五月から九月に限って与えます。開花中、つぼみが付いている間、冬は与えません。
- 規定の二〜三倍に薄める
- 液体肥料を表示より薄くし、水苔が乾いたときの水やりの代わりに与えます。濃いと根の先が黒く焼けます。
- 根の先を見て判断
- 根の先端が緑や赤で伸びているなら順調です。黒くなったら肥料を止めて水だけにします。
ラン用の置き肥を使うなら、五月に一回だけ株元から離して置きます。夏に足すと濃くなりすぎます。
水の失敗の見分けと立て直し
葉がしわになってしおれるのは、乾かしすぎと根腐れの両方で起きます。土を触って湿っているのに葉がしわなら根腐れ、乾いているなら水不足です。対処が逆になるので、鉢から抜いて根の色を確かめるのが確実です。
根腐れなら、鉢から抜いて黒く柔らかい根をはさみで切り、白く硬い根だけ残して新しい水苔に植え直します。植え直したら一週間は水を与えず、明るい日陰で霧吹きだけにします。根が少なくても葉が硬ければ、新しい根が出て回復します。
| 症状 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 葉がしわで水苔が湿っている | 根腐れ | 腐った根を切り新しい水苔に植え直す |
| 葉がしわで水苔が乾いている | 水不足 | たっぷり与え霧吹きで湿度を足す |
| 根の先が黒い | 肥料の焼けか水質 | 肥料を止め常温の水だけにする |
| 株の中心が茶色く柔らかい | 中心に水がたまった | 腐った部分を取り乾かし、殺菌剤を塗る |
胡蝶蘭の水やりに使うもの
水やりの失敗は、回数ではなく「乾いていないのに与えた」ことで起きます。判断する道具と、与える道具に分けて考えます。
- ジョウロ(ハス口付き)探す言葉「ジョウロ 5L ハス口 外せる」
- 規格の目安
- 容量 4〜5L。ハス口の外せるものを選びます。
外して株元に注ぐと、葉や花を濡らさずに土だけへ届きます。病気の広がり方が変わります。
- 水分計(土壌水分計)探す言葉「土壌水分計 鉢植え」
- 規格の目安
- 土に挿して読む針式。乾き・適・湿の 3 段階が読めれば十分です。
表面が乾いていても中は湿っていることがあります。何日おきと決めるより、測って決めるほうが確実です。
- 底面給水鉢・受け皿探す言葉「底面給水 プランター」
- 規格の目安
- 水をためる部分が下にある鉢か、深めの受け皿。
留守にする日があるとき、乾きの速い夏の鉢を持たせられます。ただし常時ためたままにはしません。
- 自動潅水装置は、鉢の数が増えてからで十分です。
- 受け皿に水をためたままにするのは、根を傷める原因になります。屋外では受け皿を使わない選択もあります。
胡蝶蘭の長く咲かせるコツは作物ページに
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