植え替えの時期と目安
植え替えの適期は花が終わって新しい根が動き出す四月から六月です。この時期なら根を整理しても回復が早く、夏までに新しい根が張ります。真夏と冬、そしてつぼみや花が付いている間は株が弱るので避けます。
二年に一度が目安ですが、水苔が黒く崩れて乾きにくくなった、鉢から根があふれている、株がぐらつく、贈答の寄せ植えを一株ずつにしたい、のどれかに当てはまれば時期を待って植え替えます。水苔が古くなると乾きが遅れ、根腐れの原因になります。
| 状態 | 植え替えるか | 時期 |
|---|---|---|
| 花後で水苔が二年たった | する | 四月〜六月 |
| 贈答の寄せ植えのまま | 一株ずつに分ける | 花後の四月〜六月 |
| 水苔が黒く崩れ乾かない | する、急ぐなら秋でも | 四月〜六月、または九月 |
| つぼみや花が付いている | しない | 花後まで待つ |
用意するもの
胡蝶蘭の植え込み材は水苔が最も一般的で、水を含みやすく管理しやすいです。バークチップは乾きが早く根腐れしにくい反面、水やりの回数が増えます。初めてなら水苔を選び、根の様子が見える透明なポリポットに植えると、水やりの判断がしやすくなります。
鉢は根がぎりぎり収まる小さめのものを選びます。大きな鉢に植えると水苔の量が増えて乾きにくくなり、根腐れします。目安は根鉢よりひと回り大きい程度で、株の大きさに対して鉢が小さいと感じるくらいでちょうどよいです。
- 水苔を戻す
- 乾燥水苔を水に三十分ほど浸けて戻し、軽く絞って水が滴らない程度にします。硬く絞りすぎると根が乾きます。
- 鉢は小さめを
- 根が収まるぎりぎりの大きさの透明ポリポットを用意します。三号から三・五号が一株の目安です。
- はさみを消毒する
- 根を切るはさみは火であぶるか、消毒用のアルコールで拭きます。病気は切り口から入ります。
根の整理
鉢から抜いたら古い水苔を根からていねいに取り除きます。根に張り付いた水苔は水に浸けるとほぐれます。黒く柔らかい根、中が空洞でつぶれる根は腐っているので、白く硬い根の付け根まで切り戻します。緑や白で硬い根は生きているので残します。
根が多く残らなくても、葉が硬く張りがあれば新しい根が出ます。根を切りすぎるのは怖いものですが、腐った根を残すほうが新しい水苔の中で腐敗が広がって危険です。鉢から外に出ている根も、傷んでいなければ切らずに鉢の中に収めます。
- 古い水苔を取る
- 鉢から抜き、根の間の古い水苔を指で取ります。取れない部分は水に浸けてほぐします。
- 根を触って判断
- 指でつまんで硬い根は残し、柔らかくつぶれる根や中が空の根は付け根まで切ります。切り口は乾かします。
- 葉の付け根を確かめる
- 株元に黒く腐った部分がないか見ます。あればそこも切り取り、殺菌剤があれば塗って一日乾かします。
植え込みの手順
株の中心が鉢の中央に来るように持ち、根の間に湿らせた水苔を詰めながら鉢に収めます。水苔は鉢の縁で軽く押して固定できる程度の硬さに詰めます。ゆるいと株がぐらつき、硬すぎると乾かず根腐れします。株元が水苔に埋まらないよう、葉の付け根は水苔の上に出します。
植え替え直後は水を与えず、明るい日陰で一週間ほど霧吹きだけにします。切り口が乾いてから最初の水やりをすると、腐敗が入りません。新しい根の先が伸び始めたら、通常の水やりに戻します。
- 根に水苔を巻く
- 湿らせた水苔を根の間に入れ、根全体を包むように巻きます。株元の位置が鉢の縁から一センチほど下になるように高さを合わせます。
- 鉢に収めて詰める
- 根を包んだ株を鉢に入れ、隙間に水苔を詰めます。鉢の縁を親指で押して、株がぐらつかない程度の硬さにします。
- 一週間は水を与えない
- 植え替え後は明るい日陰に置き、水苔を湿らせず霧吹きで葉の周りの湿度だけ保ちます。一週間後に最初の水やりをします。
支柱で株を固定すると根付きが早くなります。ぐらつくと新しい根の先が傷んで伸びません。
植え替えで失敗するときの原因と直し方
植え替え後に葉がしわになるのは、根が減って水を吸えないためで、一か月ほどは自然なことです。葉が硬さを保っていれば待ちます。葉が黄色く落ちる、株元が黒く柔らかいなら、切り口から腐敗が入ったか、水を早く与えすぎています。
腐敗が入ったら、もう一度抜いて腐った部分を切り取り、乾かしてから植え直します。葉が一枚になっても中心の成長点が生きていれば回復することがあります。植え替えの失敗を減らすには、根を触って硬さで判断すること、切り口を乾かすこと、小さな鉢に植えることの三つを守ります。
| 症状 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 葉がしわになるが硬い | 根が減って吸えない、正常 | 霧吹きで湿度を保ち一か月待つ |
| 株元が黒く柔らかい | 切り口から腐敗が入った | 抜いて腐った部分を切り乾かして植え直す |
| 水苔がいつまでも乾かない | 鉢が大きい、水苔が硬い | 小さい鉢にゆるめに植え直す |
| 株がぐらついて根が出ない | 固定が弱い | 支柱で株を固定する |
胡蝶蘭の植え替えに使うもの
植え替えは、鉢を大きくする作業ではなく、根を新しくする作業です。同じ鉢に戻す選択もあります。
- 鉢(ひと回り大きいもの)探す言葉「植木鉢 8号 スリット」
- 規格の目安
- 直径で 3cm(1 号)だけ大きいもの。スリット鉢は根が回りにくく、鉢底で根が団子になりません。
急に大きくすると、根の届かない土が長く湿ったままになり、根腐れの原因になります。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、10 号鉢で約 15L。
古い土は粒が潰れて水はけが落ちています。土を替えることが植え替えの目的の半分です。
- 鉢底石探す言葉「鉢底石 ネット入り」
- 規格の目安
- 軽石。ネット入りは次の植え替えでそのまま取り出せます。
底に石を敷くと、鉢底の穴が土でふさがりません。ネット入りなら繰り返し使えます。
- 根切りばさみ探す言葉「根切りばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃が厚く、土をかんでも欠けないもの。
固まった根鉢は、外側を切ってほぐさないと新しい根が出ません。普通のはさみは土で切れなくなります。
- 同じ鉢に戻すなら、新しい鉢は要りません。根を切って土を替えるだけで十分です。
- 鉢底ネットは、スリット鉢なら要りません。
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