一年の流れ
十二月から四月に開花し、花後の四月から六月に植え替え、五月から九月に新しい葉と根を育て、十月から十一月に夜の低温で花芽を付け、十二月から花茎を伸ばして再び咲きます。作業の山は花後の植え替えと、秋の低温管理の二つです。
贈答でもらう時期によって開花のずれがありますが、株のリズムは温度で決まります。月よりも株の姿で判断し、花が終わったら花茎を切る、新しい根が動いたら植え替え、夜が涼しくなったら花芽作り、花芽が出たら暖かい部屋へ、と切り替えます。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 12月〜2月 | 開花、夜は部屋の中央へ、水は二〜三週間に一回 | 十五度を下回らせない |
| 3月〜4月 | 花後に花茎を切る、水は七〜十日に一回 | 花がすべて終わったら |
| 4月〜6月 | 植え替え、一株ずつに分ける | 新しい根が動き出したら |
| 5月〜9月 | 薄い液肥を月二回、水は五〜七日に一回 | 新しい葉と根を育てる |
| 7月〜8月 | 東の窓辺か窓から離して風を通す | 三十五度を超えない |
| 10月〜11月 | 暖房前の窓辺で夜の低温に当てる | 夜十五〜十八度を三〜四週間 |
| 11月〜12月 | 花芽が出たら暖かい部屋へ、支柱を立てる | 花芽が二〜三センチになったら |
冬の作業
開花中の冬は、十八度以上の安定した場所で動かさずに楽しみます。昼は明るい窓辺、夜は窓から離れた部屋の中央へ移します。水は水苔が乾いてさらに数日おいてから、午前中に常温の水を与えます。肥料は与えません。
暖房の風が当たるとつぼみが落ちるので、エアコンの吹き出し口の下は避けます。乾燥する部屋では日中に葉の裏へ霧吹きをします。花が終わった茎は、株の状態を見て二〜三節を残すか株元で切るかを決めます。
- 夜は部屋の中央へ
- 窓辺は夜に外気に近い温度まで下がります。日が落ちたら部屋の中央の棚などへ移し、朝に戻します。
- 水は乾いてから数日待つ
- 冬は根が水を吸いにくいので、水苔が乾いてさらに数日待ってから、午前中に常温の水を与えます。
- 花後は花茎を切る
- 花がすべて終わったら、葉が四枚以上ある元気な株は二〜三節を残し、葉が少なく張りのない株は株元で切って休ませます。
春の作業
三月から日差しが強まるので、レースのカーテン越しでも葉焼けしないか葉の色を確かめます。四月に新しい根の先が緑や赤に色付いて動き出したら植え替えの合図です。花後で水苔が二年たった株や、寄せ植えのままの株はこの時期に植え替えます。
植え替えたら一週間は水を与えず、その後は水苔が乾いてから七〜十日に一回の水やりに戻します。五月に新しい葉が動き出したら、規定の二〜三倍に薄めた液体肥料を月二回始めます。
| 時期 | 作業 | 注意 |
|---|---|---|
| 3月 | 日差しの確認、水は七〜十日に一回 | 葉の色を見て遮光を調整 |
| 4月〜6月 | 植え替えと株分け | 新しい根が動いてから |
| 5月 | 薄い液肥を開始 | 月二回、九月まで |
夏の作業
夏は葉と根を育てる時期で、風通しと水やりが中心です。東の窓辺か、南なら窓から一〜二メートル離し、直射と西日を避けます。室温が三十五度を超える締め切った部屋は根が蒸れるので、サーキュレーターで空気を回します。
水は五〜七日に一回が目安ですが、乾きを確かめてから与えます。夕方以降の水やりは夜に蒸れて根腐れと軟腐病の原因になるので、午前中に済ませます。薄い液肥は九月まで続け、新しい葉が一〜二枚出れば翌年の花の力になります。
- 直射と西日を避ける
- 東の窓辺か、南の窓から離した場所に置きます。葉に茶色いくぼみが出たら光が強すぎます。
- 空気を回す
- サーキュレーターを壁に向けて弱く回し、株に直接当てないようにします。窓を少し開けるだけでも違います。
- 水は午前中に
- 水苔が乾いていることを確かめて、午前中に鉢底から流れるまで与えます。受け皿の水は捨てます。
秋の作業
十月に入って夜が涼しくなったら、花芽を付けるための一番大事な時期です。暖房を入れる前の窓辺に置き、夜の温度が十五〜十八度に下がる日を三〜四週間続けます。この時期に暖かい部屋に入れると花芽が付きません。肥料は九月で止めます。
十一月に株元の葉の付け根から扁平な緑の芽が出たら花芽です。根は先が丸く、花芽は先が平らで上へ伸びます。花芽が二〜三センチになったら十五度を下回らない暖かい部屋へ移し、鉢の向きを固定して伸ばします。
| 時期 | 作業 | 注意 |
|---|---|---|
| 9月 | 液肥を止める | 十月以降の肥料は花芽を妨げる |
| 10月〜11月 | 暖房前の窓辺で夜十五〜十八度に当てる | 十度以下にはしない |
| 11月〜12月 | 花芽を確認し暖かい部屋へ、向きを固定 | 根と花芽を見分ける |
作業が遅れたときの立て直し
植え替えが六月を過ぎたなら、真夏は避けて九月に行うか、水苔が崩れていなければ翌春まで待ちます。秋の低温に当てそびれて花芽が付かないなら、その年は無理に咲かせず、翌年の十月にやり直します。一年咲かなくても株は育ちます。
冬に窓辺に置きっぱなしで葉が黄色くなったなら、傷んだ葉を残したまま暖かい場所へ移し、水を控えて春を待ちます。中心の成長点が生きていれば春に新しい葉が出ます。焦って肥料や水を増やすと、弱った根が腐って株を失います。
| 場面 | 遅れたとき | 次の機会 |
|---|---|---|
| 植え替えが六月を過ぎた | 真夏は避け九月に行う | 翌年の四月〜六月 |
| 秋の低温に当てそびれた | その年は咲かせない | 翌年の十月〜十一月 |
| 冬に葉が黄色くなった | 暖かい場所で水を控える | 春に新しい葉が出るのを待つ |
胡蝶蘭の栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
胡蝶蘭の長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は胡蝶蘭の育て方にまとめています。
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