季節ごとの置き場所
胡蝶蘭は熱帯の木の幹に着生し、木漏れ日の中で育つランです。強い直射日光は葉を焼き、暗すぎると花芽が付きません。一年を通してレースのカーテン越しの明るい窓辺が基本で、季節によって窓からの距離と温度で調整します。
贈答の鉢をもらった直後は、まず置き場所を決めることが最初の仕事です。玄関やトイレなど暗い場所に置いたままだと、花は一か月ほど楽しめても、その後の株が弱って二度と咲きません。花を楽しんだあとも育てるなら、明るい窓辺に移します。
| 時期 | 置き場所 | 注意 |
|---|---|---|
| 3月〜5月 | レースのカーテン越しの南か東の窓辺 | 日差しが強まるので直射は避ける |
| 6月〜9月 | 東の窓辺か、南なら窓から一〜二メートル離す | 西日と三十五度を超える室温を避ける |
| 10月〜11月 | 南の窓辺で日を多めに | 花芽を付ける時期 |
| 12月〜2月 | 窓から離れた暖かい場所、夜は部屋の中央へ | 窓辺の夜の冷え込みが一番の敵 |
光の強さを葉で確かめる
ちょうどよい光かどうかは、葉の色と硬さで判断します。健康な葉は明るい緑で、少し光沢があり、手で触って張りがあります。濃い緑で柔らかく垂れているなら暗すぎ、黄色っぽくなったり葉の表面に茶色いくぼみが出たりするなら強すぎます。
目安は、置き場所に手をかざして影がぼんやり見える程度の明るさです。影がくっきり出るなら直射に近く、影がほとんど見えないなら暗すぎます。真夏の南向きの窓辺は直射でなくても強すぎることがあるので、東向きか窓から離した場所が安全です。
- 手をかざして影を見る
- 置き場所で手をかざし、影がぼんやり見えればちょうどよい明るさです。くっきり出るなら遮光を足し、見えないなら明るい場所へ移します。
- 葉の色で判断する
- 明るい緑で張りがあれば適正です。濃い緑で垂れるなら光不足、黄ばんで茶色いくぼみが出るなら葉焼けなので場所を変えます。
- 季節で窓からの距離を変える
- 春と秋は窓辺、夏は一〜二メートル離す、冬は昼は窓辺で夜は部屋の中央へと、季節で動かします。
葉焼けの茶色いくぼみは治りません。広がらなければそのまま育ちますが、出た時点で光が強すぎる合図です。
温度は十五度を下回らせない
胡蝶蘭が元気に育つのは十八〜二十八度で、十五度を下回ると生育が止まり、十度以下が続くと根が傷んで葉が黄色く落ちます。冬の窓辺は日中暖かくても夜は外気に近い温度まで下がるので、夜だけ部屋の中央や暖房の残る部屋へ移します。
暖房の風が直接当たると乾燥して葉がしわになり、つぼみが落ちます。エアコンの吹き出し口の下や、ストーブの近くは避けます。日本の住宅なら、リビングのレースのカーテン越しの窓辺と、夜は部屋の中央の棚の上、という二か所を使い分けるのが現実的です。
| 状態 | 温度 | 起きること |
|---|---|---|
| 適温 | 十八〜二十八度 | 葉と根がよく育つ |
| やや低温 | 十五〜十八度 | 生育が止まるが傷まない、花芽を付ける刺激になる |
| 低温 | 十度〜十五度 | 根が動かず水を吸わない、水やりを減らす |
| 危険 | 十度以下 | 葉が黄色く落ち根が腐る |
風通しと湿度
着生ランなので、根の周りに空気が動くことが大切です。締め切った部屋で空気がよどむと、根が蒸れて腐り、葉に病気が出ます。窓を少し開けるか、扇風機やサーキュレーターの弱い風を部屋に回します。ただし株に直接風を当て続けると乾燥します。
湿度は五十〜七十パーセントが理想で、冬の暖房で乾いた部屋では葉に霧吹きをするか、加湿器で補います。夏は蒸れないよう風を優先します。冬に葉の裏へ霧吹きをするなら日中に行い、夜に葉が濡れたままにならないようにします。
- 空気を動かす
- サーキュレーターを株に直接当てず、壁に向けて部屋の空気を回します。窓を少し開けるだけでも根の蒸れは減ります。
- 冬は湿度を足す
- 暖房で乾く部屋では、日中に葉の裏へ霧吹きをするか、加湿器を使います。夜に葉が濡れたままにしないようにします。
- 夏は風を優先
- 真夏は湿度よりも風通しを優先します。蒸れると根腐れと軟腐病が一気に来るので、葉に触って熱気がこもっていないか確かめます。
置き場所の失敗の見分けと直し方
胡蝶蘭の不調の多くは置き場所から始まります。葉の色、葉の張り、つぼみの様子を見て、光と温度と風のどれが合っていないかを切り分けます。原因が分かれば場所を変えるだけで回復することが多いです。
つぼみが黄色くなって落ちるのは、購入直後の環境の変化、暖房の風、夜の冷え込みのどれかです。花が咲いてから場所を動かすのも落ちる原因になるので、開花中は置き場所を決めたら動かさず、水やりも鉢を持ち上げずにその場で行います。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が濃い緑で垂れる | 光不足 | 明るい窓辺へ移す |
| 葉に茶色いくぼみ | 葉焼け | レースのカーテン越しか窓から離す |
| 葉が黄色く落ちる | 夜の低温 | 夜は部屋の中央へ移す |
| つぼみが黄色く落ちる | 暖房の風か環境の変化 | 風の当たらない場所で動かさない |
| 葉がしわになる | 乾燥か根の傷み | 湿度を足し根の状態を確かめる |
胡蝶蘭の置き場所を整えるのに使うもの
置き場所は、動かせるようにしておくのがいちばんです。季節で日の当たり方が変わります。
- 遮光ネット探す言葉「遮光ネット 50% 園芸」
- 規格の目安
- 遮光率 50% 前後。強すぎると花が咲かなくなります。
真夏の直射は葉を焼きます。ただし遮光率 70% を超えると、今度は日照不足になります。
- キャスター付き鉢台探す言葉「鉢 キャスター 台」
- 規格の目安
- 耐荷重を鉢の重さ(土 + 水)で見ます。8 号鉢で 10kg 前後。
大きな鉢は動かせないと季節に合わせられません。台に載せると鉢底の通気も良くなります。
- フラワースタンド探す言葉「フラワースタンド 屋外」
- 規格の目安
- 屋外なら金属製か樹脂製。段になっているものは日当たりを稼げます。
地面に直に置くと、鉢底から虫が入り、風も通りません。高さを付けるだけで環境が変わります。
- 簡易温室は、寒さに弱い植物を持っていないなら要りません。
- 遮光ネットの代わりに、夏の間だけ半日陰へ動かせば済むことが多いです。
胡蝶蘭の長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は胡蝶蘭の育て方にまとめています。
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