一年の作業の全体像
プリムラの一年は秋の苗選びから始まります。十一月から十二月に植え、一月から四月に花を楽しみ、五月に花が終わります。マラコイデスとオブコニカは一年草として処分するのが普通で、ジュリアンとポリアンサは夏を越せば翌年も咲きます。
| 月 | 主な作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 10月 | 苗を探し始める、花壇の準備 | 早めの苗は寒さに慣れていない |
| 11月〜12月 | 植え付け、株元に水やり | つぼみの多い苗を選ぶ |
| 1月 | 薄い液体肥料を開始、花がら摘み | 水やりは暖かい午前中 |
| 2月 | 花がら摘み、霜よけ | 強霜の夜は不織布 |
| 3月 | 肥料を規定の濃さに、花数が最大 | 週に一回の液体肥料 |
| 4月 | 半日陰へ移動、伸びた花茎を切る | 桜が咲く頃が目安 |
| 5月 | 花が終わる、宿根種は夏越しの準備 | 一年草は片付ける |
| 6月〜9月 | 宿根種を日陰で夏越し | 水を控えめに蒸れを避ける |
秋の作業 (十月〜十二月)
十月に出回り始める苗は温室で早く咲かせたもので、戸外の寒さに慣れていません。十一月に入ってから買った苗を、まず軒下で一週間慣らしてから植えると傷みません。花壇は植える前に土を耕し、緩効性肥料を混ぜておきます。
苗を植える前に、花壇の水はけを確かめておきます。雨のあとに水たまりが残る場所は、腐葉土を混ぜて土を高く盛ってから植えます。
- 苗を慣らす
- 買った苗は一週間ほど軒下の明るい場所に置き、夜の冷え込みに慣らしてから植えます。急に霜に当てると花が傷みます。
- 株間を取って植える
- 花壇では株間十五から二十センチで植えます。葉が触れ合うと蒸れて灰色かび病が出ます。
- 芽を埋めない
- 株の中心の芽が土より少し高くなるように植えます。芽を埋めると水がたまって腐り、株の中心から枯れます。
- 植えたら霜よけ
- 植えて一週間は不織布で霜をよけます。根が張ってからは霜に当てても平気なので、不織布は昼間に外します。
冬の作業 (一月〜二月)
冬は水やりと花がら摘みが中心です。土が凍る夜は水を控え、暖かい日の午前中に株元へ与えます。一月から薄めた液体肥料を十日に一回始めると、二月以降の花数が変わります。強い霜が予想される夜は不織布をかけて花を守ります。
| 場面 | 作業 | 注意 |
|---|---|---|
| 晴れて暖かい午前 | 株元に水やり | 葉と芽にかけない |
| 最低気温が氷点下三度以下 | 不織布で霜よけ | 朝になったら外す |
| 花がしおれた | 花茎ごと摘む | 三日に一回は見回る |
| 葉が黄色くなった | 付け根から取る | 晴れた日に行う |
春の作業 (三月〜五月)
三月は花数が最も多く、肥料を規定の濃さに戻して週一回与えます。四月に入って気温が上がったら半日陰へ移し、伸びすぎた花茎を切って新しい花茎を出させます。五月に花が終わったら、一年草として扱う種類は片付け、宿根する種類は夏越しに入ります。
四月に入ると日ごとに花の終わりが早くなります。この時期は水切れで花が一気に傷むので、朝と夕方に土を見る回数を増やします。
- 三月は肥料を増やす
- 液体肥料を規定の濃さで週に一回与えます。追肥(育ちの途中で足す肥料)を切らすと四月の花が小さくなります。
- 四月に半日陰へ
- 桜が咲いたら午前だけ日が当たる場所へ移します。日向のままだと花が縮み早く終わります。
- 五月に切り分ける
- マラコイデスとオブコニカは片付け、ジュリアンとポリアンサは花茎を全部切って夏越しの準備をします。
夏越し (六月〜九月)
ジュリアンとポリアンサは暑さと蒸れに弱く、夏越しできるかは置き場所で決まります。風通しの良い日陰で、鉢なら軒下、地植えなら落葉樹の下が向いています。夏の間は葉が減って休んでいるように見えますが、株元の芽が生きていれば秋に動き出します。
夏越しに成功した株は九月下旬から新しい葉が出ます。十月に根鉢を崩さず新しい土に植え替え、株分けするならこのときに行います。
| 状態 | 夏の管理 | 秋の見込み |
|---|---|---|
| 鉢植えで軒下の日陰 | 土が乾いたら少量の水 | 九月下旬に新葉が出れば成功 |
| 地植えで木陰 | 水は雨に任せ乾いたら与える | 株が残れば十月に植え替え |
| 地植えで日向 | そのままだと枯れやすい | 五月に鉢上げして日陰へ |
| 室内で夏越し | 涼しい窓辺で乾かし気味 | エアコンの風を当てない |
予定通りに進まないときの立て直し
苗を買うのが遅れた、花がらを放置した、夏越しに失敗した、といったずれは毎年起こります。プリムラは苗が安く出回るので、うまくいかなかった年は無理に立て直さず、翌秋に苗から始め直すのも一つの判断です。
| 場面 | 起きること | 戻し方 |
|---|---|---|
| 一月に苗を買った | 植えても根が動かない | 鉢のまま軒下で管理し二月下旬に植える |
| 花がらを放置した | 灰色かび病が出て花が減る | 傷んだ花と葉を全部取り風通しを確保 |
| 三月に肥料を忘れた | 四月の花が小さい | 薄い液体肥料を週二回で追い上げる |
| 夏越しで葉が全部落ちた | 株元の芽が残っていれば生きている | 九月に新しい土で植え替える |
プリムラの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
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