種類ごとに置き場所が変わる
プリムラと一口に言っても、店に並ぶのは性質の違う数種類です。ジュリアンとポリアンサは霜に耐えて戸外の花壇で育てられますが、マラコイデスは強い霜で傷み、オブコニカは屋外の冬を越せません。買う前にラベルの種類名を見て、置く場所に合うものを選ぶのが最初の判断です。
関東平野部の露地で冬越しさせたいならジュリアンかポリアンサを選びます。マラコイデスは軒下の鉢で楽しみ、オブコニカは室内の鉢花として扱うと失敗が減ります。
| 種類 | 寒さへの強さ | 向く置き場所 |
|---|---|---|
| ジュリアン | 強い、霜に耐える | 戸外の花壇や寄せ植え |
| ポリアンサ | 強い、霜に耐える | 戸外の花壇、大きめの鉢 |
| マラコイデス | やや弱い、強霜で傷む | 軒下や霜の当たらない鉢 |
| オブコニカ | 弱い、五度以下で傷む | 室内の明るい窓辺 |
オブコニカは葉に触れると肌がかぶれる成分を持つ品種があります。触れないタイプも売られているので、小さな子どもがいる家では表示を確かめます。
良い苗の見分け方
苗は十一月から二月に出回ります。花が多く咲いている苗より、つぼみが多く葉が締まっている苗のほうが長く楽しめます。温室で育った苗は花がきれいでも寒さに慣れていないので、買ってすぐ戸外に置くと傷むことがあります。
値段が安い小さなポット苗は根が回っていないことが多く、植え付けから花が増えるまで時間がかかります。年内に花壇を埋めたいなら、少し値段が高くても根の張った大きめの苗のほうが結局は早く仕上がります。
- つぼみの数を見る
- 株の中心に小さなつぼみが詰まっている苗を選びます。咲ききった苗は次のつぼみが少なく、買ってすぐに花が途切れます。
- 葉の色と締まり
- 葉が濃い緑で、葉と葉の間が詰まった苗が良い苗です。黄色い下葉が多い苗は根が傷んでいることがあります。
- 株元を確かめる
- 株元を軽く押して、ぐらつかず根がしっかり張っているか確かめます。土がぐずぐずの苗は根腐れの疑いがあります。
- 灰色のカビがない
- 花や葉の付け根に灰色の綿のようなカビがある苗は避けます。冬の温室で出やすい灰色かび病で、家に持ち込むと広がります。
植え付けの時期と土
植え付けは十一月から十二月と、二月下旬から三月が適期です。真冬の一月は根が動きにくいので、買った苗は鉢のまま軒下に置いて春を待つほうが安全です。土は水はけと保水のバランスが良い草花用の培養土で十分で、酸度を気にする必要はありません。
花壇では株間を十五から二十センチ取ります。詰めて植えると葉が重なって蒸れ、灰色かび病の原因になります。寄せ植えにするなら、株の外側の葉が触れ合わない程度が目安です。
| 時期 | 植え付け | 注意 |
|---|---|---|
| 11月〜12月 | 適期、根が動いて冬に備える | 植えたあと一週間は霜よけ |
| 1月〜2月中旬 | 鉢のまま軒下で待つ | 地植えは根が動かず傷みやすい |
| 2月下旬〜3月 | 適期、春の花に間に合う | 花が咲き進む前に植える |
植え付けの手順
根鉢は崩さず、株の中心にある芽の部分を土に埋めないように植えます。芽を埋めると水がたまって腐り、株全体がだめになります。植えたあとは鉢底から流れるまで水を与え、数日は日差しの弱い場所に置きます。
寄せ植えにするときは、プリムラより背の高い植物を後ろに置き、前に出します。プリムラの葉が他の植物の陰に入ると光が届かず、つぼみが上がらなくなります。
- 根鉢を軽くほぐす
- 根が回りきっている苗は底の部分だけ軽くほぐします。回っていなければそのまま植えます。強くほぐすと根が切れて冬に回復しません。
- 芽を土に埋めない
- 株の中心の芽が土の表面より少し高くなるように植えます。土を寄せすぎると芽に水がたまり、腐って中心から枯れます。
- 株元に土を寄せない
- 周りの土を株元に盛らず、平らに整えます。葉の下に空気が通るようにして蒸れを防ぎます。
- 植えたら霜よけ
- 植えて一週間は根が張っていないので、霜が予想される夜は不織布をかけます。根が張ってからは霜に当てても平気です。
買ってすぐ傷んだときの原因
買って一週間ほどで花がしおれ、葉が黄色くなる相談が多いのは、温室育ちの苗を急に寒さや乾燥にさらしたためです。株が枯れたわけではないことが多く、原因に合わせて置き場所と水を直せば次のつぼみが上がってきます。
| 症状 | 原因 | 立て直し |
|---|---|---|
| 花だけがしおれる | 寒さか乾燥の急変 | 軒下で数日慣らして水を切らさない |
| 中心の芽が黒く腐る | 芽に水がたまった | 腐った部分を取り、水は株元にやる |
| 下葉が黄色く枯れ上がる | 水切れか根詰まり | 鉢なら一回り大きい鉢へ植え替える |
| 花に灰色のカビ | 灰色かび病 | 花がらを取り風通しの良い場所へ |
しおれた花は元に戻りません。付け根から取ってしまい、次のつぼみに力を回します。
プリムラの苗づくりに使うもの
本葉が出てからポットに移し、根が回ってから花壇や鉢へ。この 2 段階に必要なものです。
- ポリポット(9cm)探す言葉「ポリポット 9cm 園芸」
- 規格の目安
- 直径 9cm が標準。生育の早いものは 10.5cm。
セルトレイのまま育てると根が回りきって傷みます。本葉 2〜3 枚でポットへ移します。
- 育苗用の受け皿トレイ探す言葉「育苗トレイ 受け皿 底面給水」
- 規格の目安
- ポットが並ぶ大きさで、水を張れる深さのあるもの。
上から水をやると小さな苗が倒れます。下から吸わせると茎が締まります。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 苗 薄め」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。苗には規定より薄めて使います。
種まき用土には肥料分がほとんどありません。本葉が出たら薄い液肥で足します。
- 苗を買って植えるなら、育苗の資材は要りません。
- 育苗箱の加温は、春まきの一部を除けば要りません。
プリムラの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はプリムラの育て方にまとめています。
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