切るべきものと切ってはいけないもの
シャクナゲの剪定で最も大事なのは、切りすぎないことです。翌年の花芽は夏に枝の先端にできるので、秋以降に枝を切ると花を切り落とすことになります。作業は花後の五月から六月に集中させ、それ以外の時期は枯れ枝を取る程度にとどめます。
| 作業 | 時期 | 目安 |
|---|---|---|
| 花がら摘み | 花が終わった直後 | 花房の付け根で折り取る |
| 芽かき(新芽の整理) | 5月〜6月、新芽が三センチほど | 一か所から出た芽を二本から三本残す |
| 伸びすぎた枝の切り戻し | 花後の5月〜6月上旬 | 葉のある位置の上で |
| 枯れ枝・病気の枝の除去 | いつでも | 見つけ次第 |
| 秋以降の強い剪定 | しない | 花芽を落とす |
花がら摘みの手順
花が終わると花房のあとに種ができ始め、そのままにすると株の力が種に取られて翌年の花芽が減ります。花びらが落ちたらすぐ、花房の付け根を指でつまんで折り取ります。花房のすぐ下には新芽がいくつも出ているので、それを傷めないように取ります。
- 花びらが落ちたら
- 花房の花がほぼ落ちて、緑の芯だけになったら摘みどきです。全体の花が終わるのを待たず、房ごとに順に取ります。
- 花房の付け根を持つ
- 花房の軸の付け根を親指と人差し指でつまみ、横に倒すように折ります。粘るときははさみで軸を切ります。
- 新芽を傷めない
- 付け根の周りに出ている新芽を一緒に折らないように、指を花房の軸だけに当てます。芽を落とすと枝が伸びません。
- 二週間以内に終える
- 花が終わってから種ができ始めるまでは二週間ほどです。株が大きければ数日に分けて、早めに終えます。
花房の軸から出る液で手がべたつき、かぶれる人もいます。手袋をして作業します。
芽かきで枝数を調整する
花がらを摘んだあと、その付け根から新芽が四本から六本まとめて伸びてきます。全部伸ばすと枝が混み合って細くなり、花芽も付きにくくなります。新芽が三センチほど伸びたら、勢いのよい芽を二本から三本残してほかを芽かき(余分な芽を指で取り除くこと)します。
- 芽が三センチで判断
- 新芽が伸び始めて三センチほどになったら、太さと向きを見比べます。小さいうちは見分けにくく、大きくなると取りにくくなります。
- 外向きの芽を残す
- 株の外側に向いた芽を残し、内側や下向きの芽を取ります。残した芽の向きがそのまま枝の広がる方向になります。
- 指で横に倒して取る
- 取る芽の付け根を指で押さえて横に倒すと、ぽろりと取れます。無理に引くと残す芽まで動きます。
- 小さな株は一本残し
- 苗のうちは芽を一本か二本にしぼって枝を太らせます。株が大きくなってから枝数を増やします。
伸びすぎた枝の切り戻し
一本だけ飛び出した枝や、株の形を崩す枝は、花後の五月から六月上旬に切り戻します。シャクナゲは葉のない古い枝の途中で切っても芽が出にくい木なので、必ず葉が付いている位置か、幹の途中にある小さな芽の上で切ります。切る量は全体の二割までにとどめます。
| 枝の状態 | 切る位置 | 注意 |
|---|---|---|
| 一本だけ長く飛び出した | 周りの枝の高さにそろえ、葉のある節の上 | 葉のない部分で切らない |
| 株の内側で交差する | 付け根から | 風通しを作る |
| 下の葉が落ちて棒状 | 幹に見える小さな芽の上 | 芽がない枝は翌年まで待つ |
| 枯れ枝 | 生きた部分まで戻して | 時期を問わず |
太い枝を切った切り口には癒合剤を塗ります。シャクナゲは切り口から枯れ込みやすい木です。
大きくなりすぎた株を小さくする
何年も放任して大きくなった株を小さくしたいときは、一度に切らず二年から三年に分けます。一年に全体の三分の一を目安に、葉のある位置まで切り戻します。一気に葉のない幹まで切ると、芽が出ずにそのまま枯れることがあります。
- 一年目は上の三分の一
- 花後に、いちばん高い枝を葉のある節まで切り戻します。全体の高さを三分の一ほど下げるのが目安です。
- 芽が出たのを確かめて次へ
- 切った枝の下から新しい芽が伸びたのを見てから、翌年に次の段を切ります。芽が出ない枝はそれ以上切りません。
- 肥料と水で支える
- 切り戻した年は花後の追肥(育ちの途中で足す肥料)を忘れず、夏の乾きに特に注意して葉を守ります。
切りすぎたときの立て直し
剪定の失敗は翌春に分かります。花が咲かない、切った枝が枯れ込む、芽が出ないといった姿から原因を切り分け、手当てを決めます。シャクナゲは回復に時間がかかるので、慌てて追加で切らないことが大事です。
| 翌春の姿 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 花が一つも咲かない | 秋以降に枝先を切った | 花後に整える習慣に戻す。今年は切らない |
| 切った枝が枯れ込んだ | 葉のない部分で切った | 生きた部分まで切り戻し、癒合剤 |
| 枝が細く混み合う | 芽かきをしなかった | 五月に芽かきをして二本から三本に |
| 芽が出ず棒のまま | 一気に深く切った | 水と日よけで一年待つ。翌春も出なければ処分 |
シャクナゲの剪定・切り戻しに使うもの
切り戻しは株を若返らせる作業です。切る位置と、切り口を乾かすことに関わるものだけで足ります。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。バイパス式(刃が交差するもの)は切り口がきれいです。
アンビル式(刃が台に当たるもの)は茎を潰します。生きた枝を切るならバイパス式を選びます。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
株を変えるたびに刃を拭きます。病気の株から健全な株へ、はさみが運んでしまうのを防げます。
- 園芸用手袋探す言葉「園芸手袋 背抜き」
- 規格の目安
- 手のひらにゴムを張った背抜きタイプ。細かい作業ができる薄手のもの。
茎の汁でかぶれる植物があります。厚い革手袋だと、切る位置を指で確かめられません。
- 柔らかい茎の草花は、指で摘めばはさみは要りません。
- 癒合剤は木の太い枝を切るときのもので、草花には要りません。
シャクナゲの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はシャクナゲの育て方にまとめています。
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