季節と場面で水の考え方が変わる
シャクナゲの根は地表近くに広がる細い根の塊で、乾くと一気に弱り、水がたまると腐ります。乾かさず、しかし過湿にもしないという狭い幅を守るのが管理の中心です。地植えか鉢か、季節がいつかで頻度を変えます。
| 場面 | 水やりの目安 | 見るところ |
|---|---|---|
| 地植え・根付いた株の春秋 | 一週間以上雨がなければ | 株元の覆いの下の土が乾いているか |
| 地植え・真夏 | 三日以上雨がなければ朝に | 葉が垂れて内側に丸まる前に |
| 鉢植え・春秋 | 表面が乾いたら鉢底から流れるまで | 鉢を持って軽ければ |
| 鉢植え・真夏 | 毎朝、夕方に葉が垂れていればもう一回 | 日中の水やりは避ける |
| 冬 | 地植えは不要、鉢は乾いたら暖かい日中に | 凍る夕方には与えない |
水やりの手順
水は株元に静かに、根の広がる範囲全体へ与えます。シャクナゲの根は幹のすぐそばだけでなく枝の広がりと同じくらい横に張るので、幹の根元だけに注いでも外側の根には届きません。真夏は葉に水をかけて温度を下げるのも有効ですが、夕方以降に葉を濡らしたままにすると病気が出ます。
- 枝先の下まで広く
- 枝の広がりの真下まで、株の周り全体に円を描くように与えます。幹の根元だけでは外側の根が乾きます。
- 覆いの下を触って確かめる
- 株元の腐葉土やバークチップをめくり、その下の土を指で触ります。湿っていれば与えません。
- 真夏は朝に葉水も
- 猛暑日の朝は葉の表裏に水をかけて熱を下げます。夕方は株元だけにして葉は濡らしません。
- 冬の鉢は日中に
- 冬の鉢植えは乾いたら暖かい日中に与えます。夕方に与えると夜に凍って根が傷みます。
葉が内側に丸まって垂れるのは乾きの合図です。ただし冬の寒い朝にも同じ姿になるので、冬は土の乾きで判断します。
肥料は花後と秋に少量
シャクナゲは肥料をあまり必要とせず、濃い肥料で根を傷めやすい木です。追肥(育ちの途中で足す肥料)は花が終わった直後と、九月下旬から十月の二回、緩効性の固形肥料を株元から離して置きます。花後の肥料は翌年の花芽を作る力になり、秋の肥料は冬に向けて株を充実させます。
| 時期 | 肥料 | 量の目安 |
|---|---|---|
| 花後(5月〜6月上旬) | 緩効性の固形肥料 | 枝先の真下に数か所、ひとつまみずつ |
| 7月〜8月 | 与えない | 暑さで根が休んでいる |
| 9月下旬〜10月 | 緩効性の固形肥料 | 花後と同量 |
| 11月〜3月 | 与えない | 寒肥も不要 |
ツツジ用やシャクナゲ用として売られている肥料は酸度を下げにくく作られています。一般の化成肥料を使うなら量を半分にします。
土の酸度を保つ
シャクナゲは酸性の土でしか鉄分をうまく吸えません。水道水や周りの土から少しずつ酸度が下がり、数年たつと葉が黄色くなって葉脈だけ緑に残る症状が出ます。年に一度、株元にピートモスや鹿沼土を足すことで酸性を保てます。石灰や草木灰は株の近くに絶対にまきません。
- 年に一度ピートモスを足す
- 秋の追肥と同時に、株元の覆いを一度どけてピートモスを二センチほど敷き、その上に覆いを戻します。
- 黄化が出たら鉄分を補う
- 葉脈だけ緑で葉が黄色いなら、鉄分入りの活力剤を規定倍率で与えます。二週間で新しい葉の色が戻れば酸度の問題です。
- 石灰を近づけない
- 隣の野菜畑に石灰をまくとき、雨で流れてシャクナゲに届くことがあります。株から一メートル以内には使いません。
夏越しと株元の保護
関東平野部の夏はシャクナゲにとって最も厳しい季節です。株元に腐葉土やバークチップを敷いて根を熱と乾きから守り、西日が当たるなら寒冷紗や葦簀で日よけをします。鉢植えは午後に日陰になる場所へ移し、鉢の側面が熱くならないよう二重鉢にするか、鉢を地面に半分埋めます。
- 株元を五センチ覆う
- 梅雨明け前に株元へ腐葉土かバークチップを五センチほど敷きます。幹の根元には直接触れないよう少し空けます。
- 西日を遮る
- 午後に日が当たるなら、株の西側に寒冷紗を張ります。上から覆うより横から遮るほうが風が通ります。
- 鉢は熱を逃がす
- 鉢を一回り大きい鉢に入れて二重にするか、地面に半分埋めます。鉢の側面の温度が根を傷めます。
葉の異変から原因を切り分ける
シャクナゲの葉は正直で、水と肥料と酸度の問題がそれぞれ違う姿で出ます。薬をまく前に、葉のどの部分がどう変わっているかを見て原因を絞ります。
| 症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 葉が内側に丸まって垂れる | 乾き | 朝にたっぷり与え、株元を覆う |
| 葉が黄色く葉脈だけ緑 | 酸度が下がり鉄が吸えない | ピートモスを足し鉄分を補う |
| 葉のふちが茶色く枯れる | 肥料が濃い、または乾き | 肥料を止め水で流す |
| 葉が茶色く焼ける | 直射日光・西日 | 日よけをする、鉢は移動 |
| 古い葉が黄色く落ちる | 自然な葉の更新 | 春の新葉が出るなら問題なし |
下のほうの古い葉が少しずつ黄色くなって落ちるのは正常です。新しい葉まで黄色いときだけ手当てします。
シャクナゲの育てている間に使うもの
草花の管理は、花がらを摘むことと、肥料を切らさないことに尽きます。どちらも道具は小さくて済みます。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。手に収まる小さいものが疲れません。
咲き終わった花をそのままにすると、種を作るほうへ養分が回って次の花が減ります。摘み続けるほど花期が伸びます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸の数字が高いもの。
つぼみの上がる時期に週 1 回。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり茂って花が減ります。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 置き肥 花」
- 規格の目安
- 2〜3 か月効く粒状。鉢の縁に置きます。
- 数量の目安
- 8 号鉢に 10〜15g を 2〜3 か月ごと。
水やりのたびに考えなくて済みます。液肥との併用なら、置き肥は規定量の半分から始めます。
- ジョウロ(ハス口付き)探す言葉「ジョウロ 5L ハス口」
- 規格の目安
- 容量 4〜5L。ハス口が外せるものは、株元だけに与えるときに便利です。
花に水をかけると傷んで早く終わります。ハス口を外して株元へ注げば、花を濡らさずに済みます。
- 花がらは指で摘める種類が多く、はさみが要るのは茎の硬いものだけです。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。
シャクナゲの長く咲かせるコツは作物ページに
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