時期は落葉後から芽吹き前
植え付けの適期は、葉を落とした十一月下旬から十二月と、芽が動く前の二月中旬から三月上旬です。厳寒期は根が凍って傷むので避けます。花の咲いた鉢を春に買った場合は、花が終わってから根鉢を崩さずに植えるか、翌冬まで鉢で管理します。根を切られると弱る木なので、植え付けは一度で済ませるつもりで場所を決めます。
| 地域 | 秋の適期 | 春の適期 |
|---|---|---|
| 暖地 | 11月中旬〜12月 | 2月〜3月上旬 |
| 中間地 | 11月下旬〜12月中旬 | 2月中旬〜3月上旬 |
| 寒冷地 | 10月下旬〜11月中旬 | 3月中旬〜4月上旬 |
場所は一日中日が当たり、水がたまらない所
サクラは日当たりが悪いと花が減り、枝が間延びします。水はけの悪い場所では根が腐り、数年で弱ります。根は浅く広く張るので、根元を踏まれる通路の脇や、舗装のすぐ横は避けます。建物や塀からは最終の枝張りの半分以上離し、隣地の境界からも根と枝が越境しない距離を取ります。
- 水はけを確かめる
- 深さ四十センチの穴を掘り、水を張って抜ける時間を見ます。半日以上残るなら二十〜三十センチ盛り土をして高く植え、周囲に排水の溝を切ります。
- 根の広がりを見込む
- 根は枝張りと同じ範囲に浅く広がります。舗装や配管、塀の基礎から二メートル以上離し、根の持ち上げを防ぎます。
- 土を改良する
- 掘り上げた土に腐葉土を三割混ぜます。粘土質なら軽石を二割足し、砂地なら腐葉土を四割にして保水を補います。
根鉢を崩さず、浅く植える
サクラの根は切ると腐りやすく、切り口から病気が入ります。ポット苗は根鉢を崩さず、根巻き苗は麻布を外さずに上部の結び目だけをほどきます。深植えは根が呼吸できず、根元の樹皮が腐って数年で弱る最も多い失敗です。接ぎ木の段差が土に埋まらないよう、根鉢の上面を地面と同じか少し高くします。
- 穴は根鉢の二倍の幅
- 根鉢の幅の二倍、深さは根鉢と同じに掘ります。底を固く突き固めず、腐葉土を混ぜた土を敷いて高さを調整します。
- 接ぎ木の段差を出す
- 根元の接ぎ木の段差が土の上に出るように置きます。段差が埋まると台木から芽が出て、本体を弱らせます。
- 水で土を締める
- 土を半分戻したら水をたっぷり注ぎ、棒で軽く突いて隙間をなくします。残りの土を戻し、根元の周りに水鉢を作ります。
- 支柱で二年固定する
- 根が張るまでの二年は、風で根鉢が動くと細根が切れます。幹に沿って支柱を立て、麻ひもで八の字に結び、年に一度結び直します。
肥料は植え付け穴に入れません。根に触れると傷みます。与えるなら一年後の二月からです。
鉢植えの用土と鉢
鉢植えは八号から十号の深鉢に、赤玉土六割、腐葉土三割、軽石一割の用土で植えます。鉢底石を三センチ敷き、底穴に網を当てます。根の成長が早いので、二年に一度は二月に一回り大きい鉢へ植え替えます。鉢が小さいままだと夏に水切れして花芽が落ちます。
| 鉢の大きさ | 向く苗 | 注意 |
|---|---|---|
| 六号 (直径十八センチ) | 高さ五十センチ以下の若苗 | 一年で植え替えが必要 |
| 八号 (直径二十四センチ) | 高さ一メートル前後の苗 | 夏は朝夕の水やり |
| 十号 (直径三十センチ) | 高さ一・五メートルの成木 | 二年に一度植え替え、重いので台車を |
| それ以上 | 大株 | 移動が困難なので置き場所を先に決める |
植え付け後の一年
植え付けから一年は、土が乾いたらたっぷり水を与えます。地植えでも真夏は二〜三日に一回、鉢植えは毎日土を触って確かめます。植え付けた年の花は木の負担になるので、蕾のうちに半分ほど摘むと根の張りがよくなります。肥料はこの年には与えません。
- 土に触って水を決める
- 指を土に二〜三センチ差し込み、乾いていたら与えます。表面だけ見て与えると中が湿ったままで根が傷みます。
- 根元にマルチを敷く
- 梅雨明け前に、腐葉土かバークチップを枝張りの範囲に五センチ敷きます。幹から十センチは空けて、根元の蒸れを防ぎます。
- 一年目の花は減らす
- 蕾が見えたら半分ほど摘み取ります。花を減らした分、根と枝の充実に養分が回り、二年目以降の花が増えます。
植え付け後に芽が動かないときの切り分け
春になっても芽が動かない、葉が小さく縮む、といった不調は根の傷みか水の問題が大半です。枝を指で曲げて弾力があり、樹皮を少し削って緑なら生きているので、水やりを整えて五月まで待ちます。原因ごとの手当てを表にまとめます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 芽が固いまま動かない | 根が張っていない、植え傷み | 樹皮の緑を確かめ、水を切らさず待つ |
| 葉が小さく縮む | 水切れ、根鉢が乾いた | 根元にたっぷり水、マルチを敷く |
| 葉が黄ばんで土が湿っている | 水のやりすぎ、水はけ不良 | 水を止め、周囲を高くする |
| 根元の樹皮が黒く腐る | 深植え | 根元の土を取り除き、接ぎ木の段差を出す |
| 幹が揺れ、葉がしおれる | 風で根鉢が動いた | 支柱を立て直し固定する |
サクラの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
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