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サクラの月別の作業

サクラの月別の作業|寒肥・開花・お礼肥・害虫観察・冬の剪定の一年

サクラの栽培イメージ

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サクラは三月末に咲き、夏に翌年の花芽を作り、冬に剪定する木です。関東平野部を基準にした月ごとの作業表と季節の要点です。

一年の作業を月で見る

サクラの一年は、二月の寒肥、三月末から四月の開花、四月のお礼肥、夏の水やりと害虫観察、十二月の剪定で回ります。花芽は七月から八月に作られるので、この時期の水切れと剪定を避けることが翌年の花を決めます。下の表を目安に、芽の動きと葉の状態で前後させます。

作業目安
1月剪定の続き、幹の観察、マシン油散布落葉中に不要枝を抜く
2月寒肥、植え付け、植え替え根が動く前に済ませる
3月開花の始まり、植え付けの終わり蕾が色づいたら植え付けは終える
4月開花、お礼肥、花後の軽い切り戻し花が終わったらすぐ
5月毛虫・アブラムシ観察、台木の芽取り葉が食われていないか週一で見る
6月マルチ敷き、アメリカシロヒトリ観察梅雨明け前に根元を覆う
7月水やり、花芽の形成期、幹の観察剪定しない、水を切らさない
8月水やり、毛虫の二回目観察葉が垂れたら夕方に水
9月台風後の手入れ、コスカシバ観察幹の木くずを見る
10月紅葉、落ち葉の処分肥料は与えない
11月落葉、植え付け葉が落ちたら植え付け適期
12月剪定、ひこばえ取り、落ち葉の処分花芽を見分けて短枝は残す

春 (二月〜四月) の作業

二月上旬に寒肥を埋め、芽が動く前に植え付けと植え替えを済ませます。三月末に蕾が色づき、四月上旬に満開になります。花が終わったらお礼肥を置き、細い枝の軽い切り戻しと、根元のひこばえ取りをします。太い枝はこの時期に切らず、冬まで待ちます。

寒肥は根が動く前
二月上旬までに、枝先の真下へ油かすと堆肥を埋めます。遅れると春の枝が伸びすぎて花芽が減ります。
花後の作業は四月中に
花が終わってから葉が開くまでの間に、お礼肥と細い枝の切り戻しを済ませます。五月以降にずれ込むなら剪定は冬に回します。
アブラムシを早く見つける
四月の新芽にアブラムシが付きやすい時期です。葉が縮れて丸まったら葉裏を見て、少ないうちに水で流すか殺虫剤を使います。

夏 (五月〜八月) の作業

五月から毛虫の観察を始めます。アメリカシロヒトリは六月と八月の二回発生し、葉を糸で覆って集団で食べます。六月下旬に根元へマルチを敷き、梅雨明け後の乾燥に備えます。七月から八月は花芽ができる時期で、水切れすると花芽が付きません。剪定と肥料はせず、水やりと観察に専念します。

糸で覆われた葉を探す
枝先の葉が白い糸で覆われていたらアメリカシロヒトリの巣です。小さいうちに枝ごと切り取り、袋に入れて処分します。
梅雨明け前にマルチ
六月下旬に腐葉土かバークチップを枝張りの範囲に五センチ敷きます。幹から十センチは空けます。
葉の垂れで水を判断
真夏の夕方に葉が垂れたら水切れです。根元へたっぷり与え、翌朝に葉が戻っていることを確かめます。

秋 (九月〜十一月) の作業

九月はコスカシバが幹に産卵する時期で、幹の根元に木くずや樹液のにじみがないか見ます。台風の後は傷んだ葉と枝を取り、支柱を確かめます。十月に葉が色づき、十一月に落葉します。落ち葉は病気の菌が残るので集めて処分します。落葉後は植え付けの適期です。

幹の木くずを見る
幹の根元から一メートルまでに、木くずの混じった樹液のにじみがあればコスカシバの幼虫です。樹皮を削って幼虫を取り出します。
落ち葉は処分する
せん孔褐斑病などの菌は落ち葉で越冬します。根元の葉を掃き集め、袋に入れて処分します。

冬 (十二月〜一月) の作業

落葉して枝の骨組みと花芽が見えるこの時期に、不要な枝を付け根から抜きます。丸くふくらんだ芽が花芽なので、花芽の多い短い枝は残します。切り口には必ず癒合剤を塗ります。一月にはカイガラムシ対策のマシン油乳剤を散布します。テングス病のほうき状の枝もこの時期に見つけて切り取ります。

花芽を確かめてから切る
丸い芽が花芽、細くとがった芽が葉芽です。花芽の多い短枝を残し、内向き枝、交差枝、徒長(勢いよく伸びすぎること)した枝を付け根から抜きます。
ほうき状の枝を探す
枝の一部から細い枝が密生してほうきのようになっていたらテングス病です。付け根から二十センチ下で切り、癒合剤を塗って処分します。
一月にマシン油乳剤
カイガラムシが多いなら、一月に庭木用のマシン油乳剤を規定の倍率で枝全体に散布します。芽が動き始めたら使いません。

作業が遅れたときの立て直し

冬の剪定を逃して春に切りたくなった、夏に水切れして葉を落とした、毛虫に葉を食い尽くされたといった遅れや失敗はよく起きます。焦って時期外れの作業を重ねると、翌年の花がさらに減ります。次の適期まで待ち、水と肥料の基本に戻るのが確実な戻し方です。

場面原因戻し方
春に太い枝を切りたくなった冬の剪定を逃した細い枝だけ切り、太い枝は次の冬まで待つ
夏に葉が落ちた水切れで花芽が付かなかった秋まで水を切らさず、翌年はマルチを早めに
毛虫に葉を食い尽くされた六月の観察を省いた殺虫剤で退治し、秋まで水を切らさない
寒肥を忘れた二月の作業を逃した花後のお礼肥だけ与え、翌年二月に寒肥

サクラの栽培に一年を通して使うもの

木の作業は冬と夏に固まります。冬に剪定と寒肥、生育期に袋かけと防鳥。この 4 つを季節の前にそろえておきます。

数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。

  • 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 果樹」
    規格の目安
    刃渡り 5〜6cm、直径 2cm 程度まで切れるもの。バイパス式(刃が交差するもの)。

    アンビル式は枝を潰します。生きた枝を切るならバイパス式で、切り口が滑らかなほど早くふさがります。

  • 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm」
    規格の目安
    刃渡り 24cm 前後の折込式。生木用の刃(目の粗いもの)を選びます。

    直径 2cm を超える枝は、はさみで切ろうとすると枝も刃も傷めます。工作用ののこぎりは生木で目が詰まります。

  • 有機質肥料(寒肥用)探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
    規格の目安
    油かすと骨粉の配合肥料。5〜10kg 袋。
    数量の目安
    成木 1 本に 1〜2kg。樹冠(枝の広がり)の外周に沿って埋めます。

    冬に入れて、春に効き始めるのを狙う肥料です。ゆっくり分解するので、休眠期のうちに入れておきます。樹種と樹齢で必要な量は変わるので、詰めたいときは施肥基準を見てください。

    出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」

  • 防鳥ネット探す言葉「防鳥ネット 目合い25mm」
    規格の目安
    目合い 20〜25mm。小鳥まで防ぐなら 15mm。
    数量の目安
    高さ 2m の木 1 本を覆うのに 4m × 4m 程度。

    色づく直前にかけます。目合いが大きすぎると小鳥が入り、細かすぎると風で煽られて枝を傷めます。

買わなくてよいもの・代わりになるもの
  • 高枝切りばさみは、木が背を越してからで十分です。低く仕立てるならずっと不要です。
  • チェーンソーは家庭の果樹には要りません。剪定のこぎりで足ります。

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