何を採るかで時期と方法を選ぶ
山椒は春の木の芽から秋の割山椒まで、季節ごとに違う部分を収穫します。それぞれ採り時は一〜二週間と短く、逃すと翌年まで待つことになります。下の表で目的に合う行を選んでください。
| 用途 | 採る部分 | 時期の目安 |
|---|---|---|
| 木の芽(吸い物や田楽の飾り) | 枝先の開きかけの若葉 | 4月上旬〜5月上旬 |
| 花山椒(佃煮や吸い物) | 咲く直前のつぼみ | 4月中旬〜下旬の一週間ほど |
| 実山椒(佃煮、ちりめん山椒) | 青く固い実 | 5月下旬〜6月中旬 |
| 粉山椒(乾燥させて挽く) | 赤く熟して割れた実の皮 | 9月下旬〜10月 |
植えて一〜二年の若い木は、木の芽を数枚採る程度にとどめます。実の収穫は木が一メートルを超え、枝が充実してからが目安です。
木の芽の採り方
木の芽は葉が開ききる前の、柔らかくて香りが強い時期に採ります。芽が伸びて葉が固くなると香りが弱まり、口に残ります。枝先の芽を摘むと脇から新しい芽が出るので、採ることが枝数を増やす手入れにもなります。
- 開きかけの芽を指で摘む
- 葉が五〜七枚に開いたばかりの芽を、付け根から指で摘みます。ハサミより指のほうが香りが立ちます。
- 一枝から一つずつにする
- 同じ枝の芽を全部採ると枝が弱ります。枝先の芽を一つ採ったら次の枝へ移り、木全体から少しずつ採ります。
- 使う直前に採る
- 木の芽は採ってから香りが落ちるのが早いので、料理の直前に採ります。手のひらでたたいてから使うと香りが立ちます。
木の芽は冷蔵庫では二〜三日しか持ちません。まとめて保存するなら、湿らせた紙で包んで冷凍すると一か月ほど香りが残ります。
花山椒と実山椒の採り方
花山椒は四月中旬に咲く小さな黄緑の花をつぼみのうちに採ります。採り時は一週間ほどしかなく、咲いてしまうと香りが落ちます。実山椒は花が終わって一か月ほど、実が青く固いうちに房ごと採ります。六月下旬を過ぎると種が固くなり口に残ります。
- つぼみを房ごとハサミで切る
- 花山椒は房の付け根をハサミで切ります。指でしごくと傷んで黒くなります。採った日のうちに下ゆでして冷凍します。
- 実は房ごと切って軸を外す
- 実山椒は房の付け根から切り、家で軸から実を外します。指先が黒くなるので手袋をして作業します。
- 実を指でつぶして固さを確かめる
- 実を指で押してわずかにへこむ程度が採り時です。固くて押してもへこまないなら種ができているので、粉山椒用に残します。
実山椒はあくが強いので、たっぷりの湯で五〜十分ゆで、水に一時間さらしてから使います。ゆで加減は指でつぶれる程度が目安です。
粉山椒用の実の採り方と乾燥
秋に実が赤く色づいて皮が割れ始めたら、粉山椒用の収穫です。房ごと切って日陰で乾かすと、皮が割れて中の黒い種が落ちます。使うのは皮のほうで、黒い種は香りがないので取り除きます。
- 皮が割れ始めたら房ごと採る
- 実の一〜二割が割れて中の黒い種が見えたら採ります。全部割れるまで待つと、種が落ちて皮も飛んでしまいます。
- ざるに広げて日陰で乾かす
- 房ごとざるに広げ、風通しの良い日陰で一〜二週間乾かします。乾くと皮が開いて種が外れるので、ふるいで種と軸を除きます。
- 皮だけをすり鉢か粉砕機で挽く
- 乾いた皮を使う分だけ挽きます。まとめて粉にすると香りが飛ぶので、皮のまま密閉容器に入れて保存し、使う都度挽きます。
粉山椒用の実を採る前に、房の中に黒く腐った実が混じっていないか見ます。混じっていると乾燥中にカビが広がるので取り除きます。
保存の方法
山椒はどの部分も香りが飛びやすいので、採ったらすぐ処理して冷凍か乾燥で保存します。実山椒は下ゆでして冷凍すれば一年持ち、粉山椒用の皮は密閉して冷暗所で半年から一年香りが保てます。
冷凍した実山椒は凍ったまま使えます。解凍すると色が悪くなり香りも抜けるので、佃煮や炊き込みには凍ったまま鍋に入れるのが目安です。
| 種類 | 保存方法 | 持つ期間の目安 |
|---|---|---|
| 木の芽 | 湿らせた紙で包み密閉して冷凍 | 一か月 |
| 花山椒 | 下ゆでして小分けに冷凍 | 半年 |
| 実山椒 | 下ゆでして水にさらし、小分けに冷凍 | 一年 |
| 粉山椒用の皮 | 乾燥させて密閉容器で冷暗所 | 半年から一年 |
収穫で木を弱らせたときの立て直し
木の芽を採りすぎたり、実を房ごと乱暴に採って枝を折ったりすると、木が弱って翌年の実付きが落ちます。状態を見て原因を確かめ、手当てをして回復を待ちます。
| 状態 | 原因 | 立て直し |
|---|---|---|
| 木の芽を採ったあと枝が伸びない | 一枝から芽を採りすぎた | その年は採るのをやめ、七月に薄い肥料を与える |
| 実を採ったあと葉が落ちた | 収穫時に枝を折った、乾燥が重なった | 折れた枝を切り、株元を覆って水を切らさない |
| 翌年に実が付かない | 前年の採りすぎか肥料過多 | 二月の追肥を控えめにし、収穫を半分に |
| 実が黒くなって落ちた | 梅雨の過湿か採り遅れ | 早めに採る。混んだ枝を切って風を通す |
山椒の収穫と乾燥に使うもの
ハーブは穫るところより、乾かしてしまうところで香りが決まります。早く乾かすほど香りが残ります。
- 収穫用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ ハーブ 収穫」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、ステンレス製。細い茎を切るので小さいもので足ります。
手でちぎると茎が裂けて、そこから枯れ込みます。節のすぐ上で切ると、そこから新しい枝が出ます。
- 乾燥ネット(三段)探す言葉「ハーブ 乾燥ネット 三段」
- 規格の目安
- 直径 45cm 前後の三段。畳めるものが置き場所を取りません。
風の通る日陰に吊るします。直射日光に当てると、香りの成分が飛んで色も抜けます。
- 密閉できる保存瓶探す言葉「保存瓶 密閉 スパイス」
- 規格の目安
- 遮光性のある瓶か、暗い場所に置ける透明瓶。100〜200ml。
完全に乾いてから入れます。少しでも湿りが残っているとカビます。手で揉んで砕けるまでが目安です。
- ラベル探す言葉「ラベルシール 手書き 保存瓶」
- 規格の目安
- 瓶に貼れるシール。品種名と乾かした日を書きます。
乾いたハーブは見分けが付きません。日付があれば、香りが落ちる前に使い切れます。
- 風通しのよい日陰があるなら、乾燥ネットは無くても麻ひもで吊るせます。
- 食品乾燥機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
山椒の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は山椒の育て方にまとめています。
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