花が咲く茎と咲かない茎
セッコクの花は、前の年に伸びて葉を落とした茎の節に咲きます。今年伸びている青い茎には咲かず、古くなって葉を落とした茎が花をつけるので、葉のない茎を枯れたと思って切ってはいけません。四月から五月に、節ごとに一輪か二輪、白から淡い桃色の花が開きます。
つぼみは節が丸くふくらんでから二週間から三週間で開きます。ふくらみが縦に細長いなら花芽ではなく高芽の可能性があり、しばらく見ていると葉のような形が出てきます。花芽は丸く、先が割れて白いつぼみがのぞきます。
| 茎の姿 | 状態 | 扱い |
|---|---|---|
| 葉があり青く太い | 今年伸びた茎。来年咲く | 切らずに育てる |
| 葉が落ちて青みが残る | 前年の茎。今年咲く | そのまま。節がふくらむのを待つ |
| 葉が落ちて茶色くしわしわ | 役目を終えた茎 | 植え替え時に付け根で切る |
| 節から小さな株が出ている | 高芽が出た茎 | 根が伸びたら外して増やす |
同じ茎に二年続けて咲くこともあります。茶色くなるまでは切らずに残しておきます。
花芽を作る三つの条件
花芽は、夏から秋によく日に当たって茎が太ること、冬にしっかり寒さに当たること、そして冬に乾かし気味にすることの三つで作られます。どれか一つ欠けても、春に花芽の代わりに高芽が出たり、何も出なかったりします。室内で冬を越させた株が咲かないのは、寒さと乾燥が足りないからです。
- 秋までに茎を太らせる
- 九月から十一月は日によく当て、茎に養分をためさせます。この時期に日陰に置くと茎が細く、花芽がつきません。
- 冬は屋外で寒さに当てる
- 十二月から二月は霜を避けた屋外で、日に当てて冬を越させます。最低でも一か月は五度以下の夜を経験させます。
- 冬の水を減らす
- 十一月から二月は二週間に一回程度の少量にして、茎に軽くしわが寄る程度に乾かします。乾燥が花芽の合図です。
- 肥料は七月で止める
- 秋まで肥料を続けると茎が柔らかく伸び、花芽の代わりに高芽が出ます。七月末で肥料を終えます。
開花中の管理と花の楽しみ方
三月に茎の節がふくらんでくれば花芽です。開花中は花に水をかけず、雨の当たらない場所で、直射日光を避けた明るい場所に置くと二週間ほど咲き続けます。花には甘い香りがあり、朝と夕方に強くなります。室内に持ち込んで香りを楽しみ、花後に屋外へ戻す使い方もできます。
花の数は茎の太さで決まります。前年によく日に当たって太った茎ほど、節ごとに花がつき、細い茎は上のほうの節に一輪か二輪で終わります。翌年の花数を増やすなら、今年の茎を太らせることに力を注ぎます。
- つぼみが見えたら雨を避ける
- つぼみに水がたまると腐ります。雨の当たらない軒下に移し、水は花やつぼみにかけず株元の水苔に与えます。
- 咲いたら明るい日陰へ
- 直射日光に当てると花が早く終わります。室内なら窓辺から少し離した明るい場所に置きます。
- 花が終わったら屋外へ戻す
- 花がしおれたら花だけを摘み、すぐに屋外の日なたへ戻します。室内に長く置くと新芽が細く伸びます。
室内に置くのは花の期間だけにします。二週間を超えて室内に置くと、その年の新芽が弱ります。
花色と品種の楽しみ
野生のセッコクは白から淡い桃色ですが、江戸時代から長生蘭の名で栽培され、葉の斑や茎の形を楽しむ品種が多くあります。花色も濃い桃色や黄色を帯びたものがあり、花を主に楽しむなら花色の表示を、姿を楽しむなら葉の斑や茎の変化を見て選びます。
品種ものは野生種より生育が遅く、日焼けや乾燥に弱い傾向があります。最初の一鉢は野生に近い白花から始め、育て方に慣れてから品種ものに手を広げると、失敗が少なくて済みます。
| 目的 | 選ぶもの | 特徴 |
|---|---|---|
| 丈夫に育てて花を楽しむ | 野生に近い白や淡い桃色 | 最も強健で増えやすい |
| 濃い花色を楽しむ | 桃色や紅色の花の品種 | やや高価で生育は普通 |
| 葉や茎の姿を楽しむ | 斑入りや茎の太い品種 | 生育が遅く、日焼けに注意 |
| 香りを楽しむ | 白花の大輪系 | 香りが強い株が多い |
咲かないときの原因と直し方
春に花が咲かない原因は、ほぼ冬の管理と秋までの日照にあります。株の姿を見て、花芽の代わりに何が出たかで原因を切り分けます。高芽が出るなら水と肥料が多く、何も出ないなら日照か寒さの不足です。
| 症状 | 原因 | 次に直すこと |
|---|---|---|
| 花芽の代わりに高芽が出る | 冬の水と肥料が多い | 冬は乾かし、肥料は七月で止める |
| 何も出ず葉だけが茂る | 冬が暖かすぎた | 屋外で寒さに当てる |
| 茎が細く節がふくらまない | 秋までの日照不足 | 九月から十一月は日なたに置く |
| つぼみがついたが開かず落ちた | つぼみに水がかかったか急な乾燥 | 雨を避け、開花前は水を切らさない |
一年咲かなくても株が元気なら翌年に咲きます。原因を直して次の冬に備えれば、二年目には戻ります。
セッコクの花を咲かせ続けるのに使うもの
つぼみが上がってからやることは決まっています。摘む・支える・足す、の 3 つです。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。N-P-K の真ん中(P)の数字が高いもの。
つぼみを作る時期はリン酸が要ります。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり伸びて花が上がりません。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
種を作らせないことが、次の花を咲かせる条件です。花の下の節まで切り戻すのが基本です。
- 支柱(草花用)探す言葉「園芸支柱 草花 リング」
- 規格の目安
- 直径 8mm・長さ 90〜150cm の細い支柱か、株ごと囲むリング支柱。
花の重みで倒れると、そこから茎が折れます。咲いてから立てるのでは間に合わないので、つぼみのうちに。
- 誘引用の麻ひも探す言葉「麻ひも 園芸 誘引」
- 規格の目安
- 太さ 2mm 前後。目立たない色のもの。
きつく縛ると茎が食い込みます。8 の字にゆるく掛けて、茎が太る余地を残します。
- 開花促進剤は、肥料と日当たりが足りているなら急ぎません。
- リング支柱がなくても、細い支柱 3 本を株の周りに立てて麻ひもで囲めば同じことができます。
セッコクの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はセッコクの育て方にまとめています。
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