植え替えの時期と必要かどうかの判断
植え替えは花が終わって新芽が動き出す四月から五月が適期です。二年から三年に一回が目安ですが、暦より植え込み材と株の姿で判断します。水苔が黒ずんで崩れている、株が鉢からはみ出している、水を与えてもすぐしわが寄る、といったときは時期を待たずに植え替えます。
| 株の姿 | 判断 | 対応 |
|---|---|---|
| 水苔が黒ずみ、水がはけにくい | 植え込み材が腐っている | 時期を問わず植え替える |
| 株が鉢の縁を越えて広がる | 鉢が小さい | 四〜五月に一回り大きい鉢へ |
| 茎が多く、中心の古い茎が枯れている | 株が古くなっている | 株分けして若い茎を植え直す |
| 植えて一年、水苔も株も元気 | まだ必要ない | そのまま来年まで様子を見る |
秋以降の植え替えは根が動かず、冬までに根付きません。緊急でなければ翌春まで待ちます。
鉢と植え込み材の選び方
セッコクは根を乾かしたい植物なので、鉢は小さめの素焼き鉢か、通気性のよいラン用の鉢を使います。大きな鉢に植えると植え込み材が乾かず、根が腐ります。株の幅に対して鉢の直径が同じか小さいくらいが目安です。植え込み材は水苔が扱いやすく、慣れたらバークや軽石に混ぜて乾きやすくします。
鉢の大きさで迷ったら小さいほうを選びます。セッコクは根詰まりに強く、鉢からあふれるほど茎が増えても平気で咲きます。大きな鉢の湿り気のほうがはるかに危険で、根腐れの原因の多くは鉢の大きすぎです。
| 容器 | 植え込み材 | 向く人 |
|---|---|---|
| 素焼きの小鉢 | 水苔のみ | 初めての人、屋外で育てる人 |
| プラスチックのラン鉢 | 水苔とバークを半々 | 水やりを忘れがちな人 |
| ヘゴ板やコルク板 | 水苔を薄く当てて麻ひもで縛る | 自生地の姿で吊るして育てたい人 |
| 流木や庭木の幹 | 水苔を少しだけ | 庭で着生させて放任したい人 |
水苔は乾いた状態で売られています。使う前に水で戻し、軽く絞って湿った状態にしてから使います。
植え替えの手順
鉢から抜いた株は、古い水苔をていねいに外して根の状態を確かめます。黒く傷んだ根は切り、白い根は残します。新しい水苔で根を包み、鉢にきつめに詰めて株が動かないようにします。ゆるく植えると根が水苔に触れず、いつまでも根付きません。
- 株を抜いて古い水苔を外す
- 鉢を軽くたたいて株を抜き、根をほぐしながら古い水苔を外します。根が鉢に張り付いていたら無理に引かず、鉢を割るか根を少し切ります。
- 傷んだ根と古い茎を切る
- 黒い根、指でつぶれる根を切ります。葉が落ちて完全に枯れた茎も付け根で切りますが、葉のない茎でも青みがあれば花芽がつくので残します。
- 水苔で根を包む
- 湿らせた水苔を根の周りに巻き、根の間にも詰めます。株元が鉢の縁より少し高くなるよう、山形に盛ります。
- 鉢にきつめに詰める
- 鉢に入れ、周りに水苔を押し込んで株がぐらつかないようにします。指で押しても株が動かない程度の硬さが目安です。
- 一週間は水を控える
- 植え替え直後は根の切り口が乾くまで水を与えず、明るい日陰に置きます。一週間ほどして新しい根が動いたら通常の水やりに戻します。
高芽と株分けで増やす
セッコクは古い茎の節から、根のついた小さな株が出ることがあります。これを高芽と呼び、根が二センチから三センチ伸びたころに外して植えれば、そのまま新しい株になります。株分けは植え替えのときに、三本から四本の茎をひとまとまりにして分けます。
株分けした直後の株は根が少なく、水を吸う力が弱っています。植え替えと同じく一週間は水を控え、明るい日陰に置きます。新芽が動き出したら根付いたしるしで、通常の管理に戻します。
- 高芽の根が伸びるまで待つ
- 茎から出た小さな株に根が二センチから三センチ伸びたら、清潔なはさみで茎から切り離します。根が短いうちに外すと根付きません。
- 小さな鉢に水苔で植える
- 二号から二・五号の小鉢に水苔で植え、明るい日陰に置きます。一年目は花が咲かず、二年目から咲き始めます。
- 株分けは三本以上をひと組に
- 茎を一本ずつに分けると弱ります。古い茎と若い茎を混ぜて三本から四本をひと組にし、手で裂くか清潔な刃で切り分けます。
高芽が多く出る株は、水や肥料が多くて花芽の代わりに高芽になっていることがあります。冬の乾燥と寒さを見直します。
植え替えで失敗したときの立て直し
植え替え後に株がしおれる、根付かない、茎が黒くなるといった失敗は、水苔の詰め方と水の与え方に原因があることがほとんどです。株を軽く揺すって動くならゆるすぎ、植え込み材がいつまでも湿っているなら水が多すぎます。
| 症状 | 原因 | 立て直し |
|---|---|---|
| 株がぐらぐら動く | 水苔がゆるい | 抜いて詰め直す。支柱を添えてもよい |
| 茎にしわが寄って戻らない | 根が少なく水を吸えていない | 葉に霧を吹き、明るい日陰で新根を待つ |
| 株元が黒く柔らかくなる | 植え替え直後に水を与えすぎた | 水を止め、傷んだ部分を切って乾かす |
| 新芽が出ない | 植え替えの時期が遅かった | 翌春まで管理を続け、次は四〜五月に行う |
セッコクの植え替えに使うもの
植え替えは、鉢を大きくする作業ではなく、根を新しくする作業です。同じ鉢に戻す選択もあります。
- 鉢(ひと回り大きいもの)探す言葉「植木鉢 8号 スリット」
- 規格の目安
- 直径で 3cm(1 号)だけ大きいもの。スリット鉢は根が回りにくく、鉢底で根が団子になりません。
急に大きくすると、根の届かない土が長く湿ったままになり、根腐れの原因になります。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、10 号鉢で約 15L。
古い土は粒が潰れて水はけが落ちています。土を替えることが植え替えの目的の半分です。
- 鉢底石探す言葉「鉢底石 ネット入り」
- 規格の目安
- 軽石。ネット入りは次の植え替えでそのまま取り出せます。
底に石を敷くと、鉢底の穴が土でふさがりません。ネット入りなら繰り返し使えます。
- 根切りばさみ探す言葉「根切りばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃が厚く、土をかんでも欠けないもの。
固まった根鉢は、外側を切ってほぐさないと新しい根が出ません。普通のはさみは土で切れなくなります。
- 同じ鉢に戻すなら、新しい鉢は要りません。根を切って土を替えるだけで十分です。
- 鉢底ネットは、スリット鉢なら要りません。
セッコクの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はセッコクの育て方にまとめています。
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