方法を選ぶ
チランジアの増やし方は、花後に出る子株を外すのが最も確実です。種からも育てられますが、実生(種から育てること)は開花まで五〜十年かかり、家庭では観察を楽しむ程度です。自分の株の状態と目的から、下の表で方法を選びます。
| 目的 | 方法 | 難しさ | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 確実に数を増やす | 子株を外す | 易しい | 外して一年で親の大きさに近づく |
| 塊にして飾る | 子株を残して群生させる | 易しい | 三〜五年で手のひら大 |
| 観察を楽しむ | 種をまく | 難しい | 発芽まで数週間、開花まで五年以上 |
| 株を固定して飾る | 流木や石に着生させる | 易しい | 根が出て固定されるまで半年〜一年 |
子株を外す時期の見極め
子株は親株の株元から出て、親株の養分をもらって育ちます。親株の三分の一以下の小さいうちに外すと、水を吸う力が弱く枯れやすくなります。目安は親株の半分から三分の二の大きさで、葉が硬く締まってきたころです。
- 子株の大きさを親株と比べる
- 子株の高さが親株の半分を超え、葉がしっかり開いていれば外せます。まだ柔らかく葉が少ないなら一〜二か月待ちます。
- 時期は春から初夏
- 四月から六月に外すと、その後の生育期に根を出して落ち着きます。秋以降に外すと冬を小さいまま越すことになり、傷みやすくなります。
- 根元をつまんで横にひねる
- 子株の根元を持ち、親株から離すように横へひねります。付け根が硬い種類は清潔なハサミで切り離します。
外した子株の育て方
外したばかりの子株は根がなく、小さいので乾きやすい状態です。親株と同じ管理では水が足りないことがあるので、霧吹きの回数を一〜二回増やし、明るい日陰で風通しを保ちます。一年ほどで親株に近い大きさになります。
外した子株がしばらく育たないように見えても、根が出て落ち着くまでの数か月は葉の数が増えません。四月に外した株なら、夏の終わりに新しい葉が二〜三枚出ていれば順調です。
- 霧吹きを親株より多めに
- 週三〜四回の霧吹きに加え、月二回程度の短い浸水で水切れを防ぎます。乾かす手順は親株と同じです。
- ワイヤーに固定して安定させる
- 転がりやすい小株は、アルミのワイヤーで根元を軽く巻いて固定します。締めすぎると株元を傷めます。
- 肥料は落ち着いてから
- 外してから一か月は肥料を与えません。新しい葉が出始めたら、薄い液体肥料を月一回、霧吹きの水に混ぜます。
流木や石に着生させる
チランジアの根は水を吸うためではなく、木や岩に体を固定するためのものです。流木やコルク板、石に固定しておくと、半年から一年で根が出て自分でくっつきます。固定に使うのは針金かひも、または植物用の接着剤で、水に溶ける糊は使いません。
- 根元を台に密着させる
- 株元が台に触れるように置き、根が出る面を密着させます。浮いていると根が伸びてもくっつきません。
- 針金かひもで軽く留める
- 株元と台を一緒に針金で巻き、葉を傷めない程度に固定します。根が張ったら針金は外せます。
- 台ごと水やりして乾かす
- 霧吹きは台ごと濡らして構いません。ただし台の材質によっては乾きが遅くなるので、株元が長く湿らないよう風を当てます。
- 水をためる台を選ばない
- 皿状の石や、くぼみのある流木は株元に水がたまります。水が流れ落ちる形の台を選びます。
種から育てる
花のあとに細長いさやができ、熟すと綿毛の付いた種が出ます。この種を細かい網やコルク板にまいて、乾かさないように霧吹きを続けると数週間で緑の点のような芽が出ます。ただし最初の一年は数ミリしか育たず、開花まで五年以上かかります。
- 綿毛ごと網に張り付ける
- 種は綿毛で飛ぶので、目の細かい網やコルク板に綿毛ごと押し付けます。水で軽く湿らせるとくっつきます。
- 毎日霧吹きで湿らせる
- 発芽までは乾かさないことが最優先です。明るい日陰に置き、朝夕に霧吹きします。風は弱めにします。
- 一年たったら通常の管理へ
- 五ミリほどに育ったら、霧吹きを週三〜四回に減らし、通常の管理に近づけます。小さいうちは乾きすぎに注意します。
失敗の原因と立て直し
増やす作業での失敗は、子株を早く外しすぎる、外した後に水を切らす、固定した台に水がたまるの三つがほとんどです。それぞれ姿に出るので、原因を見分けてから直します。
| 症状 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 外した子株が丸まって縮む | 水不足。小さすぎた | 一時間の浸水を三日おきに。以後は霧吹きを増やす |
| 子株の根元が黒ずむ | 蒸れ。固定の台に水がたまる | 台から外し、逆さにして乾かす。台を替える |
| 根が出ず、一年たっても固定されない | 根元が台から浮いている | 針金で密着させ直す。光を増やす |
| 種が発芽しない | 乾燥か種が未熟 | 熟してさやが割れた種を使い、毎日湿らせる |
チランジアの挿し木・株分けに使うもの
鉢ものは剪定した枝がそのまま材料になります。水に挿すだけで根が出る種類も多く、道具はほとんど要りません。
- 挿し木用土(鹿沼土・赤玉土小粒)探す言葉「挿し木 用土 鹿沼土 小粒」
- 規格の目安
- 鹿沼土か赤玉土の小粒、単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 水挿し用の容器探す言葉「ガラス 花瓶 小さい 水耕」
- 規格の目安
- 口の細いガラス容器。中が見えるもの。
根の出方を目で確かめられます。水は 2〜3 日に一度替え、切り口が濁ったら洗います。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。節の少し下を斜めに一度で切ります。
- 3 号ポット探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)。
根が出るまでは小さい容器のほうが乾き具合を見やすく、失敗しても被害が小さくて済みます。
- 水挿しで根が出る種類なら、用土も発根促進剤も要りません。
- 多肉植物は切り口を数日乾かしてから挿します。水に挿すと腐ります。
チランジアの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はチランジアの育て方にまとめています。
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