咲かない原因を株の姿で判断する
ボタンが咲かない相談で多いのは、植えて間もない、日陰、春の肥料過多、台木のシャクヤクに養分を取られている、の四つです。接ぎ木苗は植えてから二〜三年は根を張ることに力を使い、花が付かなくても異常ではありません。まず株の姿を見て、どれに当たるかを絞ります。
| 姿 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 植えて一〜二年。葉は元気だが花芽がない | 根を張っている途中 | そのまま育てる。三年目から咲く |
| 枝が細長く伸び葉が薄い | 日照不足 | 午前の日が当たる場所へ植え替える(秋) |
| 葉が大きく茂るが花芽が小さい | 春の肥料過多 | 春の肥料をやめ、花後と秋に集中する |
| 地面から柔らかい芽が多く出て、木の枝は弱い | 台木のシャクヤクが勝っている | 地面からの芽を根元から取り続ける |
| つぼみは付くが開かずに枯れる | 灰色かび病・開花期の乾き | 雨よけを立て、つぼみの時期は乾かさない |
| 去年たくさん咲き今年は少ない | 花がら放置で種を作った | 今年から花がらを早く切る |
花芽は花後から夏に作られる
翌年の花芽は、今年の花が終わった直後から夏の間に枝先で作られます。花後のお礼肥と、夏に葉を守ることが花芽の数を決めます。秋には枝先の芽が丸く膨らんで花芽だと分かるので、この時点で来年の花の数が予想できます。春に慌てて肥料を与えても花芽は増えません。
- 花後すぐにお礼肥
- 花がらを切ったら、その日のうちに油かすと化成肥料を半々にしてひと握り与えます。花芽を作る力になります。
- 夏に葉を守る
- 西日を遮り、病害虫で葉を失わないようにします。葉が多いほど花芽が多く付きます。夏に葉を落とした枝は翌年ほぼ咲きません。
- 秋に花芽を確かめる
- 十月に枝先の芽を見て、丸く太い芽が花芽です。細く尖った芽しかない枝は来年葉だけになります。
大輪を咲かせるつぼみの整理
ボタンは一枝に複数のつぼみが付くことがあり、すべて咲かせると花が小さくなります。四月上旬につぼみが小豆大になったころ、先端の一つを残して脇のつぼみを摘むと、残した花が大きく開きます。株全体でも、若い株なら三〜五輪に絞ると株が疲れません。
- 一枝に一つ残す
- 先端の一番大きなつぼみを残し、脇の小さなつぼみを指で摘みます。小豆大のうちに摘むと養分の無駄が少なくなります。
- 若い株は三〜五輪まで
- 植えて三〜四年の株は、全体でも三〜五輪に絞ります。多く咲かせると翌年に花が付かなくなります。
- 支柱で花を支える
- 大輪は重さで枝が垂れます。つぼみが色づいたら、枝ごとに支柱を立てて麻ひもでゆるく結びます。
花を長持ちさせる開花中の管理
一輪の寿命は五日から一週間ですが、雨と強い日差しで一〜二日に縮みます。開花中は雨よけと日よけを立て、午後は日陰にすると長く楽しめます。切り花にするなら、つぼみがほころび始めた朝に切ると、室内で三〜四日開いていきます。
- 雨よけと日よけを立てる
- つぼみが色づいたら株の上に傘を立てます。雨と昼の直射を避けるだけで開花期間が倍ほど違います。
- 水を切らさない
- 開花中に乾くと花びらの縁が縮れます。鉢植えは毎朝土を触り、乾いていればたっぷり与えます。
- 散り始めたら切る
- 花びらが落ち始めたら、株のために花の下の葉を二〜三枚残して切ります。種を作らせないことが翌年の花につながります。
品種で咲く時期と姿が変わる
ボタンは品種が多く、花の形、色、咲く時期が違います。早咲きと遅咲きを組み合わせると開花期間が三週間ほどに延びます。初めてなら、丈夫で花付きの良い赤や桃色の八重咲きから始めると失敗が少なくなります。
| タイプ | 咲く時期と花の姿 | 育てやすさ |
|---|---|---|
| 早咲きの一重・半八重 | 4月中旬〜下旬。花びらが少なく雨に強い | 丈夫。花がらを早く切れば毎年咲く |
| 中咲きの八重(赤・桃) | 4月下旬〜5月上旬。最も一般的 | 丈夫で花付きが良い。初心者向け |
| 遅咲きの大輪八重(白・紫) | 5月上旬〜中旬 | 花が重く支柱が必要。雨に弱い |
| 黄花・交配種 | 5月中旬。花が小さめ | 生育がやや遅い。日当たりを確保 |
| 寒ボタン(冬咲き) | 1〜2月 | 春の芽を摘んで冬に咲かせる。上級者向け |
つぼみが開かないときの原因と手当て
つぼみは付いたのに開かず枯れるのは、開花期の乾き、灰色かび病、遅霜の三つがほとんどです。つぼみが茶色く柔らかいならかび、黒く硬いなら霜、しぼんで乾いているなら水切れと見分けます。原因を取り除けば、残りのつぼみは開きます。
| 状態 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| つぼみが茶色く柔らかくなり灰色のかび | 灰色かび病 | 傷んだつぼみを切り、雨よけを立てる |
| つぼみが黒く硬くなる | 遅霜 | 傷んだつぼみは取る。霜予報の夜は不織布をかける |
| つぼみがしぼんで乾く | 水切れ | 毎朝土を触り、乾いていれば与える |
| つぼみが小さいまま止まる | 株の体力不足 | 今年は摘み、花後にお礼肥をしっかり |
| つぼみが開きかけて止まる | 急な冷え込み・日照不足 | 日の当たる場所へ。数日暖かければ開く |
ボタンの花を咲かせ続けるのに使うもの
つぼみが上がってからやることは決まっています。摘む・支える・足す、の 3 つです。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。N-P-K の真ん中(P)の数字が高いもの。
つぼみを作る時期はリン酸が要ります。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり伸びて花が上がりません。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
種を作らせないことが、次の花を咲かせる条件です。花の下の節まで切り戻すのが基本です。
- 支柱(草花用)探す言葉「園芸支柱 草花 リング」
- 規格の目安
- 直径 8mm・長さ 90〜150cm の細い支柱か、株ごと囲むリング支柱。
花の重みで倒れると、そこから茎が折れます。咲いてから立てるのでは間に合わないので、つぼみのうちに。
- 誘引用の麻ひも探す言葉「麻ひも 園芸 誘引」
- 規格の目安
- 太さ 2mm 前後。目立たない色のもの。
きつく縛ると茎が食い込みます。8 の字にゆるく掛けて、茎が太る余地を残します。
- 開花促進剤は、肥料と日当たりが足りているなら急ぎません。
- リング支柱がなくても、細い支柱 3 本を株の周りに立てて麻ひもで囲めば同じことができます。
ボタンの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はボタンの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。