一年の流れを表で確かめる
ボタンは四月下旬から五月上旬に咲き、花後に翌年の花芽を作りながら夏を越し、秋に根を伸ばして冬に休眠する花木です。作業は花後と秋に集中し、春はつぼみを見守るだけです。関東平野部の露地を基準にしているので、寒冷地は二〜三週間遅く、暖地は一〜二週間早く読み替えます。
| 月 | 株の姿 | 主な作業 |
|---|---|---|
| 1〜2月 | 落葉して休眠。枝先に花芽 | 寒肥。枯れ枝の間引き |
| 3月 | 芽が赤くふくらむ | 水やり以外は触らない |
| 4月上旬〜中旬 | 葉が開きつぼみが見える | つぼみの整理。雨よけの準備 |
| 4月下旬〜5月上旬 | 開花 | 雨と強い日差しから花を守る |
| 5月中旬 | 花が終わる | 花がら切り。お礼肥 |
| 6〜8月 | 葉が茂り花芽を作る | 敷きわら。西日を遮る。病害虫の見回り |
| 9月下旬〜10月 | 芽が膨らみ根が伸びる | 芽かき。植え付け・植え替え。秋の追肥 |
| 11〜12月 | 落葉 | 落ち葉の片付け。込み枝の間引き |
春(3〜4月)はつぼみを見守る
三月に芽が赤くふくらみ、四月に入ると葉が開いてつぼみが見えてきます。この時期は肥料も剪定もせず、乾いたら水を与えるだけです。一枝に複数のつぼみが付いたら、大きな花を咲かせたいなら先端の一つを残して他を摘みます。遅霜が予報されたら不織布をかけて新芽を守ります。
- 遅霜から新芽を守る
- 三月下旬から四月上旬に霜の予報が出たら、夕方に不織布や新聞紙をかけ、朝に外します。開いた葉が霜で黒くなると回復に時間がかかります。
- つぼみを一枝一つに
- 小豆大になったころ、一枝に先端の一つを残して脇のつぼみを摘みます。残すほど花は小さくなります。
- 肥料は与えない
- この時期の肥料は葉を茂らせ花を小さくします。乾いたときの水やりだけにします。前年の秋と冬に与えた肥料で春の生育は足ります。
開花期(4月下旬〜5月)は花を守り、終わったらすぐ切る
花は一輪が五日から一週間ほどで、雨に当たると一日で傷みます。大輪を長く楽しむなら、開花中は傘のように日よけと雨よけを立てます。強い日差しでも花が早く終わるので、午後は日陰にすると一〜二日長持ちします。花びらが落ち始めたら、その日のうちに花がらを切り、お礼肥を与えます。
- 雨よけを立てる
- 開花中は株の上に傘や板で屋根を作り、雨と昼の直射を避けます。鉢植えなら軒下に移します。
- 花がらを葉二〜三枚残して切る
- 花びらが散り始めたら、花の下の葉を二〜三枚残した位置で切ります。種を作らせると翌年の花が減ります。
- お礼肥を株元に
- 花がらを切ったら、油かすと化成肥料を半々にしてひと握り、株元から少し離して置きます。
夏(6〜8月)は花芽を作る時期
花後から夏の間に、来年の花芽が枝先で作られます。葉を焼かず、根を蒸らさず、病害虫で葉を失わないことが来年の花の数を決めます。六月に敷きわらを敷き、西日を遮り、月に二回は葉の裏を見て虫や病気を早めに見つけます。
- 六月に敷きわら
- 梅雨入り前に株元へ敷きわらか腐葉土を五センチ敷きます。地温を下げ、雨のはね返りによる病気も防げます。
- 月に二回は葉裏を見る
- カイガラムシ、アブラムシ、うどんこ病は早く見つければ手で対処できます。葉の裏と枝の付け根を確かめます。
- 夏は肥料も剪定もしない
- 高温期の肥料は根を傷め、剪定は花芽を失います。水やりと日よけだけで夏を越させます。
秋(9月下旬〜10月)が一番忙しい
九月下旬から十月は、芽かき、植え付けや植え替え、秋の追肥と、一年で最も作業が集中する時期です。枝先の芽がはっきり膨らんできたら芽かきの合図です。植え付けや株の移動もこの時期に済ませると、冬の間に根が張って春の芽出しが揃います。
芽かき(不要な芽を取り除いて残す芽に養分を集めること)は、遅れると芽が硬くなって取りにくくなります。十月中に済ませます。
- 芽かきで一枝一〜二芽に
- 枝先の丸い花芽を残し、その下の小さな芽と株元の芽を指でかき取ります。台木のシャクヤクの芽が出ていれば根元から取ります。
- 植え付けと植え替え
- 新しい苗の植え付け、鉢の植え替え、株の移動はすべてこの時期に。接ぎ口の深さに注意します。
- 秋の追肥
- 油かすと骨粉をひと握り、株元から三十センチ離した位置に置きます。秋に伸びる根の力になります。
時期を逃したときの直し方
作業の適期を逃しても、たいていは翌年に持ち越せます。特に植え付けと剪定は時期外れに行うと株を弱らせるので、無理をせず次の適期を待ちます。下の表は逃しやすい作業とその戻し方です。
| 場面 | 起きること | 戻し方 |
|---|---|---|
| 秋の植え付けを逃した | 春に植えると弱る | 鉢のまま軒下で冬越しし、翌秋に植える |
| 花がらを切り忘れて種ができた | 翌年の花が減る | 気付いた時点でさやを切り、お礼肥を与える |
| 芽かきをしなかった | 花が小さく枝が混む | 春につぼみを一枝一つに摘んで補う |
| 寒肥を忘れた | 春の芽出しが弱い | 三月上旬までなら与える。それ以降は花後まで待つ |
| 夏に葉を全部落とした | 翌年の花はほぼ無理 | 秋の追肥で根を養い、翌々年に期待する |
ボタンの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
ボタンの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はボタンの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。