タイプで増やし方を選ぶ
宿根タイプは種ができにくく、また種から育てても親と同じ花にならないため、挿し芽か株分けで増やします。一年草タイプと三尺バーベナは種で増やせ、三尺バーベナはこぼれ種で自然に増えるほどです。どのタイプかで方法を決めます。
増やした苗を植え付けるときも、親株と同じく根付いてから摘心(枝の先端を摘んで脇枝を出させる作業)します。挿し芽の苗は一本立ちになりやすいため、この一手間で株の形が変わります。
| タイプ | 向く方法 | 時期 |
|---|---|---|
| 宿根タイプ | 挿し芽、株分け | 5月〜6月、9月〜10月 |
| 一年草タイプ | 種まき | 3月下旬〜4月、9月 |
| 三尺バーベナ | 種まき、こぼれ種 | 4月、9月〜10月 |
挿し芽の手順
挿し芽は五月から六月と九月から十月が適期で、根付く率が高い増やし方です。花の付いていない若い枝の先端を五〜八センチ切り、下の葉を落として清潔な土に挿します。二〜三週間で発根し、一か月で鉢上げできます。
発根したかどうかは、挿し穂を軽く引いて確かめます。抵抗があれば根が出ています。引き抜いて確かめると根が切れるので、軽く触る程度にします。
- 花のない枝を選ぶ
- つぼみや花の付いた枝は根が出にくいため、葉だけの若い枝を選びます。ない場合は花を摘んでから挿します。
- 下葉を落として水揚げ
- 下半分の葉を落とし、切り口を三十分ほど水に浸けて水を吸わせます。切り口は清潔なはさみで斜めに切ります。
- 清潔な土に挿す
- 肥料の入っていない挿し芽用の土か赤玉土の小粒に、割り箸で穴を開けて挿します。深さは二〜三センチです。
- 明るい日陰で乾かさない
- 直射日光を避けた明るい場所に置き、土が乾かないように霧吹きで湿らせます。新葉が動いたら発根の合図です。
秋に挿した苗は、小さな鉢のまま軒下で冬越しさせ、春に植え付けます。
種まきの手順
一年草タイプと三尺バーベナは種から育てられます。種は発芽に二週間から三週間かかり、発芽率もやや低めなので、多めにまいて育ったものを選びます。発芽適温は二十度前後で、三月下旬から四月に室内か温かい場所でまくと五月に植え付けられます。
種は採ってすぐまくより、乾燥させて涼しい場所で保存し、翌春にまくほうが発芽がそろいます。三尺バーベナは秋に落ちた種が翌春に自然に発芽するので、掘り返さずに待つだけでも増えます。
| 時期 | まき方 | 目安 |
|---|---|---|
| 3月下旬〜4月 | 育苗箱に浅くまく、室内で管理 | 発芽まで二〜三週間 |
| 9月〜10月 | 花壇に直まき、または育苗箱 | 秋に本葉四枚で越冬 |
| 10月〜11月 | 三尺バーベナの種を採ってまく | 翌春に発芽するものもある |
種まき後の管理
発芽までは土を乾かさず、暗すぎない場所に置きます。バーベナの種は光を嫌うわけではありませんが、覆土が厚いと発芽が遅れるため、種が隠れる程度の薄い土をかけます。本葉が二〜三枚になったらポットに移し、四〜五枚で植え付けます。
- 薄く覆土して乾かさない
- 種の上に土を薄くかけ、霧吹きで湿らせます。新聞紙をかけて乾きを防ぎ、発芽したら外します。
- 本葉二〜三枚でポット上げ
- 本葉が二〜三枚になったら、一株ずつ三号ポットに移します。根を傷めないよう土ごと持ち上げます。
- 本葉四〜五枚で植え付け
- ポットの底から根が見え、本葉が四〜五枚になったら花壇や鉢に植えます。植え付け後に摘心して枝を増やします。
宿根タイプの株分け
二〜三年育てた宿根タイプは株の中心が古くなって花が減ります。春の芽出し前か秋に掘り上げて、外側の若い部分を分けて植え直すと株が若返ります。中心の古い部分は根が少なく回復しにくいため、処分して構いません。
- 掘り上げて土を落とす
- 株全体をスコップで掘り上げ、土を軽く落として根の様子を確かめます。白い根が多い外側の部分が使える部分です。
- 外側を手で分ける
- 根と芽の付いた外側の部分を、手かはさみで三〜四芽ずつ分けます。芽のない部分は根が付いていても育ちにくいので除きます。
- 分けたらすぐ植える
- 分けた株は乾かさず、すぐに植えて水を与えます。一週間ほど半日陰で養生し、新芽が動いたら日なたに戻します。
増やすときの失敗と直し方
挿し芽が腐る、種が発芽しないといった失敗には、それぞれ決まった原因があります。うまくいかなかったときは、挿し穂や土の状態を見て原因を判断し、次に試すときに直す点を整理します。
| 失敗の場面 | 原因 | 次に直す点 |
|---|---|---|
| 挿し穂が根の前に腐る | 土が湿りすぎ、または花付きの枝 | 清潔な土を使い、水を控える |
| 挿し穂がしおれて枯れる | 乾燥、直射日光 | 明るい日陰で霧吹きを増やす |
| 種が発芽しない | 温度不足、覆土が厚い | 二十度を保ち、薄く覆土する |
| 株分けした株が枯れる | 古い中心部を使った、乾かした | 外側の若い部分を選び、すぐ植える |
バーベナの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
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