種採りと挿し芽、どちらを選ぶか
ビオラは種でも挿し芽でも増やせます。種は数が多く取れますが、店で売られている交配種は親と同じ花色にならないことがほとんどです。同じ花を確実に残したいなら挿し芽ですが、夏を越せる株は少ないので、春に挿して夏越しに挑戦する形になります。
花壇のこぼれ種で育った株は、親より小さめで色も原種に近い紫や黄色に戻る傾向があります。それでも丈夫でよく咲くので、自然なこぼれ種の株を残す楽しみ方もあります。気に入った色が出た株を見つけたら、その株から種を採ると次の年に近い色が出やすくなります。
| 目的 | 向く方法 | 注意 |
|---|---|---|
| たくさん苗が欲しい | 種採り | 花色は親とばらつく |
| 同じ花を確実に残したい | 挿し芽 | 夏越しが難しい |
| 手間をかけたくない | こぼれ種 | 花壇では翌秋に勝手に芽が出る |
種の採り方
花が終わると実が下を向いてふくらみ、熟すと上を向いて三つに割れ、種を弾き飛ばします。上を向いてきて色が茶色っぽくなったころが採りどきで、割れる前に摘みます。摘んだ実は紙袋に入れて風通しのよい日陰で乾かすと、袋の中で弾けて種が集まります。
種は熟すと実が弾けて一メートル近く飛ぶので、採り遅れるとあたり一面にこぼれます。実が上を向き始めたら毎日見て、色が黄ばんだらすぐ摘みます。不安なら実にお茶パックをかぶせておくと、弾けても袋の中に残ります。
- 実が上を向いたら摘む
- 下を向いている実は未熟です。上を向き、先が茶色に変わり始めたものを軸ごと摘みます。
- 紙袋で乾かす
- 封筒や紙袋に入れ、口を軽く閉じて日陰で一週間乾かします。ビニール袋はカビるので使いません。
- 冷蔵庫で保存
- 殻やごみを取り除き、乾燥剤と一緒に密閉容器に入れて冷蔵庫で保存します。翌年八月の種まきまで持ちます。
四月から五月に咲いた花の種が最も充実しています。冬の花からは種が取れにくいです。
挿し芽の手順
三月から四月の切り戻しで出た枝を挿し芽にします。花やつぼみの付いていない、若くて締まった枝の先を五センチほど切り、下の葉を取って挿し芽用の土に挿します。二〜三週間で発根し、五月には小さな鉢に移せます。その後は夏の暑さをどう乗り切るかが勝負です。
挿し芽の土は、肥料分のない清潔なものを使います。市販の挿し芽用土か、赤玉土の小粒とバーミキュライトを混ぜたもので十分です。古い土や肥料入りの培養土は切り口が腐りやすく、発根率が下がります。
- 花の付かない枝を選ぶ
- つぼみのある枝は花に力を取られて根が出にくいです。葉だけの若い枝を選び、五センチほどで切ります。
- 下葉を取って一時間水揚げ
- 土に埋まる部分の葉を取り、切り口を一時間ほど水につけてから挿します。葉が多いと蒸散で萎れやすくなります。
- 明るい日陰で乾かさない
- 挿した後は直射日光を避け、土を乾かさないように霧吹きで湿らせます。二〜三週間して新しい葉が動いたら発根しています。
挿し芽株の夏越し
ビオラは二十五度を超える日が続くと弱り、三十度を超えると多くが枯れます。夏越しを狙うなら、風通しのよい明るい日陰に置き、水は朝だけに控えて蒸れを避けます。株はできるだけ小さく保ち、伸びた茎は切り詰めておきます。半分が残れば成功と考えてください。
夏越しに成功した株は秋に大株になり、種から育てた苗より早く十月から咲き始めます。同じ品種を毎年確実に残せるので、気に入った株があれば試す価値はあります。ただし全滅しても損はないと割り切って、本命は種や苗で用意しておきます。
- 小さな鉢のまま置く
- 七〜九センチの鉢のまま夏を越します。大きな鉢は土が乾かず根腐れしやすいので、植え替えは秋まで待ちます。
- 北側の風の通る場所
- 建物の北側や、午前中だけ日の当たる場所に置きます。コンクリートの上は照り返しで温度が上がるので避けます。
- 九月に植え替える
- 涼しくなったら新しい土に植え替え、日なたに戻して液体肥料を再開します。十月には秋まきの苗と同じ扱いです。
うまくいかないときの原因
種を採っても発芽しないときは、未熟なうちに摘んだか、保存中に湿気たことが多いです。挿し芽が根付かないのは、花の付いた枝を使ったか、途中で乾かしたのが原因です。夏越しの失敗はほとんどが暑さと過湿で、避けられない年もあります。
| 場面 | よくある原因 | 次にどうするか |
|---|---|---|
| 採った種が発芽しない | 未熟なうちに摘んだ、保存中の湿気 | 上を向いて茶色くなってから採る |
| こぼれ種の花が地味 | 交配種の性質が分かれた | 気に入った株だけ残して他は抜く |
| 挿し芽が黒くなって枯れる | 水が多くて腐った | 土は湿る程度にし、霧吹きを減らす |
| 挿し芽株が七月に枯れた | 暑さと蒸れ | 翌年は北側の涼しい場所を用意する |
ビオラの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
ビオラの長く咲かせるコツは作物ページに
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