一年の流れを表で見る
クレソンは多年草で、一度根づけば何年も育ちます。関東の平地なら三月から五月と十月から十一月が収穫の中心で、夏は暑さで弱り、冬は伸びが止まります。始めるなら秋の九月が楽で、冬を小さな株で越して春にたくさん摘めます。
作業の山は三つあります。春の摘み取りと花芽摘み、夏の置き場所替えと水替え、秋の挿し芽による株の更新です。どれも大がかりではありませんが、時期を逃すと株が弱ります。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 3月 | 日なたへ戻す、液肥開始 | 新しい葉が伸び始めたら |
| 3月下旬〜5月 | 挿し芽・種まき、摘み取り | 茎が十五センチ以上で先端を摘む |
| 4月下旬〜5月 | 花芽摘み、刈り戻し | 白いつぼみが見えたら |
| 6〜9月 | 半日陰へ移す、毎日水替え | 水がぬるくなる前に |
| 9月中旬〜10月 | 挿し芽で更新、日なたへ戻す | 涼しくなってから |
| 10〜11月 | 摘み取り、液肥 | 二週間ごとに先端を摘む |
| 12〜2月 | 軒下で冬越し | 凍る日は不織布をかける |
三月から五月は摘み取りの本番
三月に新しい葉が伸び始めたら、鉢を日なたへ戻し、薄めた液体肥料を二週間に一回始めます。茎が十五センチを超えたら先端を摘み、二週間ごとに収穫を続けます。三月下旬からは挿し芽と種まきもできる時期です。
四月下旬になると花芽が上がります。見つけ次第摘み、追いつかなければ株全体を刈り戻します。五月中は摘み続けられますが、下旬には葉が硬くなり始めるので、挿し芽用の茎を確保しておきます。
- 三月に日なたへ戻す
- 軒下から日なたへ移し、受け皿の水を替えて液体肥料を始めます。傷んだ古い葉は取ります。
- 茎十五センチで摘み始める
- 先端十センチを節の上で摘みます。一株の三分の一までにして、二週間ごとに繰り返します。
- 四月下旬から花芽を見回る
- 三日に一回は先端を見て、つぼみが見えたら下の節で摘みます。多ければ地際五センチで刈り戻します。
六月から九月は守りの季節
梅雨明けから九月上旬までは、クレソンにとっていちばん厳しい時期です。鉢を午前だけ日の当たる半日陰かすだれの下へ移し、受け皿の水を朝夕替えます。水温が上がると根が腐るので、水に指を入れてぬるければすぐ替えます。
この時期は収穫を控え、株を生かすことを優先します。葉が硬く辛くなるのは仕方ありません。黄色くなった葉や溶けた茎はこまめに取り、風を通します。九月中旬に涼しくなったら、元気な先端を挿し芽にして若い株を作ります。
| 時期 | 株の状態 | すること |
|---|---|---|
| 6月 | 花が終わり葉が硬くなる | 刈り戻し、半日陰へ移す |
| 7〜8月 | 伸びが止まり下葉が黄色くなる | 朝夕の水替え、傷んだ葉を取る |
| 9月上旬 | まだ弱い | 水替えを続け、肥料は与えない |
| 9月中旬〜下旬 | 新しい芽が動き出す | 挿し芽で更新、日なたへ戻す |
十月から二月は秋の収穫と冬越し
十月に入ると再び葉が柔らかくなり、摘み取りが再開できます。液体肥料も再開し、十一月まで二週間ごとに摘みます。九月に挿した若い株は、十月下旬には摘めるようになります。
十二月に入ると伸びが止まります。株は霜に当たっても枯れませんが、葉が傷むので軒下に移すか不織布をかけます。受け皿の水は凍らない程度に減らし、土が湿っていれば足しません。三月まで待ちます。
- 十月に液肥を再開
- 新しい葉が伸び始めたら、薄めた液体肥料を二週間に一回に戻します。摘み取りも再開します。
- 十一月下旬に軒下へ
- 初霜の前に軒下へ移すか、不織布をかけます。日中は日が当たる場所を選び、夜だけ覆う形にすると蒸れません。
- 冬は水を減らす
- 受け皿の水は凍らない程度に少なくし、土が湿っていれば足しません。晴れた午前中に様子を見ます。
室内の窓辺で冬を越すこともできますが、暖房で乾くと葉が傷みます。暖房の風が当たらない、日の入る窓辺に置きます。
地域による時期のずらし方
上の表は関東平地の屋外が基準です。暖地は夏がより長く厳しいので、七月から九月いっぱいは半日陰での守りが必要です。寒冷地は夏が短く育てやすい代わりに、冬は室内へ取り込むか、株を掘り上げて水に挿して越します。
室内で育てる場合は季節の差が小さくなり、明るい窓辺なら冬も少しずつ摘めます。ただし日が足りないと茎が細く伸びるので、発光ダイオードの植物用の照明を補うと安定します。
| 地域 | 収穫期 | 夏と冬の守り |
|---|---|---|
| 暖地(九州・四国南部) | 3〜5月、10〜12月 | 7〜9月は半日陰。冬は屋外で越せる |
| 中間地(関東・近畿) | 3〜5月、10〜11月 | 7〜8月は半日陰。冬は軒下 |
| 寒冷地(東北・北海道) | 5〜10月 | 夏は日なたでよい。冬は室内へ |
予定どおりに進まないときの見直し
春に伸びが悪い、夏に全部枯れた、秋に挿し芽が根づかない。クレソンは丈夫な植物なので、株が残っていれば立て直せます。株の姿と水の状態を確かめて、次の手を決めます。
- 三月になっても葉が伸びない
- 根が冬の間に傷んだか、水が古いままです。水を全部替え、日なたへ移して二週間待ちます。芽が出なければ新しい束から挿し直します。
- 夏に全部溶けた
- 水温の上昇です。株が残っていなければ、九月中旬に買った束から挿し芽でやり直します。次の夏は半日陰と朝夕の水替えを守ります。
- 秋の挿し芽が根づかない
- まだ暑いうちに挿しました。九月下旬まで待ち、水に挿して根を出してから土へ移します。
- 冬に葉が全部黒くなった
- 霜と凍結です。株元が生きていれば三月に芽が出ます。黒い葉を取って軒下へ移し、春を待ちます。
クレソンの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
クレソンの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はクレソンの育て方にまとめています。
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