収穫は九月から霜まで
シカクマメの栽培は五月にまいて十一月の霜で終わります。ほかの夏野菜と違い、収穫が始まるのは九月に入ってからです。それまでの三か月以上は、つるを伸ばして葉を作る時間になります。
この長い準備期間があるので、家庭菜園では場所の使い方に注意が要ります。すぐ収穫が始まる作物と並べると、待つ期間が長く感じられます。緑のカーテンを兼ねると、その間も役に立ちます。
| 作型 | 種まき | 開花 | 収穫 |
|---|---|---|---|
| 関東の平地 | 5月中旬〜6月上旬 | 8月下旬〜9月 | 9月〜11月上旬 |
| 暖地 | 5月上旬〜6月 | 8月中旬〜 | 9月〜11月下旬 |
| 寒冷地 | 6月にポットで育苗 | 9月 | 9月下旬〜10月。霜が早く短い |
月別のやることカレンダー
関東平野部の露地を目安にした一覧です。寒冷地では霜が早いぶん収穫期間が短くなるので、ポットで早めに育苗して五月中に植え付け、夏のうちにつるを伸ばしておくと収穫にたどり着けます。
毎年同じ日程でうまくいくとは限りません。まいた日、最初の花が咲いた日、初収穫の日を記録しておくと、自分の土地に合った作型が二、三年で見えてきます。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 4月 | 土作りと支柱の準備 | 石灰をまいて耕す。肥料は控えめに |
| 5月 | 種を吸水させてまく | 中旬以降。支柱も同じ日に立てる |
| 6月 | 間引きと誘引の開始 | 本葉二枚で二本立て。つるを導き始める |
| 7月 | 誘引と水やり | つるを面に広げる。追肥はまだ不要 |
| 8月 | 誘引の仕上げと摘心 | 頂点まで届いたら先を摘む。乾かさない |
| 9月 | 開花と一回目の追肥 | 薄紫の花が咲いたら追肥を始める |
| 10月 | 収穫の盛り | 二日に一回、七から十センチで採る |
| 11月 | 霜まで収穫して片づけ | 霜で枯れる。つると根を抜いて処分する |
| 12月 | 翌年の計画 | マメ科を続けて置かない配置を考える |
霜が来る前に採り切る
シカクマメは熱帯生まれで、霜に当たると一晩でつるごと枯れます。関東の平地なら十一月上旬が目安です。初霜の予報が出たら、その日のうちに残っている莢を大きさにかかわらず採り切ります。
少しでも収穫を伸ばしたいなら、初霜のころに不織布をべた掛けするか、株元をわらで覆って温度を保ちます。ただし数日延びる程度なので、無理をせず終わりを決めるほうが後始末が楽になります。
片づけの前に、翌年用の種を取っておく手もあります。よく育った株の莢を数本だけ残し、茶色く枯れるまで置いてから豆を取り出し、乾かして密閉容器で保存します。
- 初霜の予報を見る
- 予報が出たら、その日のうちに残っている莢をすべて採ります。翌朝には枯れて採れなくなります。
- 不織布で数日延ばす
- 軽い霜なら不織布のべた掛けでしのげます。ただし延びるのは数日で、根本的な対策にはなりません。
- 枯れたら片づける
- つるを支柱から外し、根まで抜いて処分します。放置すると翌年の病気や虫の発生源になります。
- 支柱を洗って保管
- 外した支柱とネットは泥を落として乾かします。病気の出た年は、日に当てて干してからしまいます。
連作を避けて畑を回す
シカクマメはマメ科なので、同じ場所で続けて作ると根の病気が出やすくなります。枝豆やインゲン、ササゲも同じ仲間と数え、二年から三年は間を空けるようにします。
マメ科のあとの土は窒素が残るので、次に葉物やナス科を植えると育ちがよくなります。畑を四つに区切って順に回すと、意識せずに間隔が空きます。プランターなら土を入れ替えれば済みます。
同じ支柱の場所を毎年使うと、土だけでなく資材にも病気が残ります。支柱とネットは使い終わったら泥を落として乾かし、日に当ててからしまうようにします。
- 二、三年空ける
- 同じ場所でのマメ科は二、三年空けます。枝豆やインゲンも同じ仲間として数えて計画します。
- 次に葉物を植える
- マメ科のあとは葉物やナス科が向きます。残った窒素を無駄なく使えて、肥料も減らせます。
- プランターは土を替える
- 容器で作るなら、作が終わるたびに新しい培養土に入れ替えます。連作の心配がなくなります。
時期を外したときの直し方
シカクマメは収穫までが長いので、まくのが遅れると霜に間に合わなくなります。遅れの度合いで、続けるか切り替えるかを決めます。
- まくのが七月になった
- 霜までに収穫できる可能性が下がります。緑のカーテンとして育て、莢は穫れたら得と考えます。
- 支柱が足りなくなった
- つるが頂点を越えたら先端を摘みます。伸ばし続けるより、脇のつるを増やすほうが莢が増えます。
- 追肥を始めそこねた
- 気付いた時点で追肥(育ちの途中で足す肥料)を一回与えます。収穫が続く限り、遅れても効果は出ます。
- 片づけを来春にまわす
- 枯れたつるを冬の間残しても大きな害はありません。ただし病気の出た株の根はその年のうちに抜きます。
シカクマメの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
シカクマメの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はシカクマメの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。