苗の種類で花の姿が変わる
ロウバイは同じ名前で売られていても、花の中心が茶色い基本種と、花びらの内側まで黄色いソシンロウバイでは印象がまったく違います。園芸店で見かける苗の多くはソシンロウバイか、その選抜品種です。買う前にラベルと、できれば咲いた花の写真を見て決めます。
| 種類 | 花の見た目 | 向いている人 |
|---|---|---|
| ソシンロウバイ | 内側まで澄んだ黄色、香りが強い | 庭で花を楽しみたい、切り花にしたい |
| 基本種のロウバイ | 花の中心が暗い赤茶色、やや小ぶり | 野趣のある姿が好き、実生苗も可 |
| 満月ロウバイ | 丸い花びらで大輪、中心に薄い輪 | 花を大きく見せたい、鉢植えも可 |
実生(種から育てた)苗は花が咲くまで五〜十年かかり、親と違う花が咲きます。接ぎ木苗なら二〜三年で咲きます。
植える場所は冬の日当たりで決める
ロウバイの花は一月から二月、葉がない時期に咲きます。だから夏の日当たりより、冬に日が差すかどうかで場所を決めます。落葉樹の下なら冬は日が届き、夏の強い西日も防げるので相性がよい組み合わせです。
香りは風下に流れます。玄関や窓の風上側に植えると、家の中まで香りが入ってきます。高さは自然に三〜四メートルになるので、建物から一・五メートル以上離します。
- 冬の日を確かめる
- 十二月の晴れた日に、午前十時と午後二時に候補の場所へ立ち、日が当たっているかを確かめます。冬は太陽が低く、隣家の影が夏より長く伸びます。
- 水はけを見る
- 雨のあと半日たっても水たまりが残る場所は避けます。粘土質なら三十センチ掘り、腐葉土と軽石を三割ほど混ぜて水はけを直します。
- 根の広がりを見込む
- 根は株元から一メートル以上広がります。塀の基礎や配管の真上は避け、のちに掘り返さずに済む場所を選びます。
植え付けの適期は落葉後から芽吹き前
植え付けは葉が落ちた十一月下旬から、花が終わって芽が動く前の三月上旬までです。この時期は根を触っても株が弱りにくく、春の芽吹きと同時に新しい根が伸びます。ただし花が咲いている最中の移動は、香りを楽しむには良くても根には負担です。
| 時期 | 植え付け | 注意すること |
|---|---|---|
| 11月下旬〜12月 | 適期 | 落葉を確かめてから。乾いた日を選ぶ |
| 1月〜2月 | 可能 | 開花中は根鉢を崩さない。寒風の日は避ける |
| 3月上旬 | 適期の終わり | 芽がふくらむ前まで。遅れると根付きが悪い |
| 4月〜10月 | 鉢苗のみ可 | 根鉢を崩さず植え、夏は毎日水やり |
寒冷地では雪解け後の三月〜四月上旬に植えます。暖地は十一月でも根が動くので早めに植えられます。
植え穴の掘り方と植え付けの手順
ロウバイは深植えを嫌います。根鉢の上面が地面と同じか、やや高くなるように植えると、雨のあとに株元がぬかるまず、根元の腐れを防げます。植え穴は根鉢の二倍の幅を目安に掘ります。
- 穴を広く浅く掘る
- 根鉢の直径の二倍、深さは根鉢と同じか少し浅く掘ります。掘り上げた土に腐葉土を二〜三割混ぜ、元肥(植えるときに土へ混ぜる肥料)は緩効性のものを一握り入れます。
- 根鉢を確かめる
- ポット苗は根が回っていたら底の部分を軽くほぐします。掘り取り苗は麻布ならそのまま、ビニールなら外して植えます。
- 高さを合わせて埋め戻す
- 根鉢の上面が地面より一〜二センチ高くなる位置に置き、土を戻しながら棒で突いて隙間をなくします。株元を足で踏み固めないでください。
- 水鉢を作りたっぷり水をやる
- 株の周りに土手を作り、バケツ一杯の水をゆっくり注ぎます。水が引いたらもう一度注ぎ、根と土をなじませます。
- 支柱を添える
- 苗の高さが一メートルを超えるなら、風で揺れないよう支柱を斜めに一本立て、幹に麻ひもで八の字に結びます。
鉢植えで育てるときの鉢と用土
ロウバイは鉢でも育ちますが、根が太くよく伸びるので、苗の根鉢より二回り大きい八号〜十号鉢から始めます。用土は赤玉土の中粒六、腐葉土三、軽石一の配合が扱いやすく、水はけと保水の釣り合いが取れます。
| 鉢の大きさ | 苗の目安 | 植え替えの間隔 |
|---|---|---|
| 8号(直径24センチ) | 高さ60センチまでの若い苗 | 1〜2年ごと |
| 10号(直径30センチ) | 高さ1メートル前後、咲き始めの株 | 2年ごと |
| 12号以上 | 花を毎年楽しむ成木 | 3年ごと。根を切り詰めて同じ鉢へ |
鉢底には必ず鉢底石を敷き、鉢底の穴が土でふさがらないようにします。
植えたあと根付かないときの原因と手当て
植え付け後の一年目は根が少なく、春に芽が出ても夏に葉がしおれることがあります。原因は水の不足か過多のどちらかであることが多く、株元の土を掘って湿り具合を確かめてから手当てを決めます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 春に芽が出ない | 深植えか根鉢の乾燥 | 株元を掘り、根鉢の高さを直す。芽を爪で削って緑なら待つ |
| 夏に葉が垂れて縁が茶色い | 水切れ | 朝夕たっぷり水やり。株元を腐葉土で覆う |
| 葉が黄色く、土が常に湿る | 水のやりすぎか水はけ不良 | 水を控え、周囲に溝を掘って排水する |
| 幹がぐらつく | 風で根が切れている | 支柱を立て直し、株元を軽く押さえる |
植えて一年目の夏は、雨が一週間降らなければ水をやります。二年目からは根が広がり、よほどの日照りでなければ不要です。
ロウバイの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
ロウバイの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はロウバイの育て方にまとめています。
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