剪定の時期は花が終わった直後
ロウバイの花芽は夏の七月から八月に、その年に伸びた枝に作られます。秋以降に枝を切ると花芽ごと落とすことになるので、剪定は花が終わった二月下旬から三月にまとめて行います。この時期なら切ったあと春に伸びる枝に、夏に花芽が付きます。
| 時期 | できる剪定 | 注意すること |
|---|---|---|
| 2月下旬〜3月 | 強い剪定、枝の整理 | 芽が動く前に終える |
| 5月〜6月 | 徒長枝の切り戻し、ひこばえ取り | 軽く切る程度に |
| 7月〜10月 | 枯れ枝を取るだけ | 花芽が付いているので切らない |
| 11月〜1月 | 枯れ枝、混み枝の少量整理 | 枝先に花芽があるのを確かめてから |
肥料のやり方と剪定は連動します。追肥(育ちの途中で足す肥料)を夏に与えた株は枝ばかり伸びて切る量が増えるので、剪定を軽くしたいなら夏の肥料を止めます。
花芽と葉芽を見分ける
秋に枝を見ると、丸くふくらんだ芽と細くとがった芽が並んでいます。丸いほうが花芽で、細いほうが葉芽です。花芽は枝の中ほどから先にかけて多く付くので、冬に枝先を切り詰めると花が減ります。
花芽は前年の夏に作られた小さな器官で、枝を折ってみると芽の中に黄色い花びらの元が詰まっています。一枝だけ試しに割ってみると、丸い芽と細い芽の違いが手で覚えられます。
- 十月に枝を手に取る
- 葉の付け根を見て、丸くふくらんだ芽の数を数えます。花芽が多い枝は残し、少ない細枝は冬に整理する候補にします。
- 枝の付け根まで見る
- 花芽は枝の途中にも付きます。切り詰めるなら花芽をいくつか残した位置で切り、葉芽だけの枝は根元から抜きます。
- 迷ったら切らない
- 花芽かどうか自信がないときは冬は触らず、花が終わってから切ります。一年遅れるだけで、株には何の損もありません。
ひこばえは根元から抜く
ロウバイは株元からひこばえ(根元から出る細い枝)がたくさん出ます。放っておくと株が藪のようになり、養分が分散して花が小さくなります。接ぎ木苗では台木の枝が出ることもあり、それは基本種の花しか咲かないので必ず取ります。
- 出たら早く取る
- 春から初夏、柔らかいうちに手でかき取ります。硬くなってからだとハサミが要り、切り口からまた芽が出やすくなります。
- 根元の土を少し掘る
- 地際で切ると残った部分からまた出ます。土を三センチほど掘り、付け根のふくらみごと切り取ります。
- 更新用に一〜二本残す
- 古い幹が弱ってきたら、勢いのよいひこばえを一〜二本残して育て、三〜四年かけて幹を入れ替えます。
- 接ぎ口の下は全部取る
- 接ぎ木苗で接ぎ口より下から出た枝は台木の枝です。葉の形が違うことが多いので、見つけ次第すべて取り除きます。
徒長枝と混み枝を整理する
夏に勢いよく真上に伸びる徒長枝(勢いだけで伸びた長い枝)には花芽がほとんど付きません。また株の内側で交差する枝は風通しを悪くし、カイガラムシの住みかになります。花後の剪定でこの二種類を先に片付けます。
- 真上に伸びた枝を落とす
- 前年に一メートル以上伸びて花が付かなかった枝は根元から切るか、三分の一の長さに切り詰めます。
- 内向きの枝を抜く
- 株の中心へ向かって伸びる枝、ほかの枝と擦れる枝は付け根で切ります。切ったあと株の中に日が差すのが目安です。
- 枝先は軽く
- 花が咲いた枝の先は、花のあった部分だけを切り落とします。深く切り詰めるほど翌年の花は減ります。
樹形を決める、高さを抑える
ロウバイは放任すると株立ちで四メートルを超えます。庭では主幹を三〜五本に絞り、高さを二〜二・五メートルに抑えると花が目の高さで咲き、香りも届きます。高さを抑える切り戻しは花後に行い、一度に幹の三分の一以上は切りません。
| 目的 | 残す幹の数 | 切り方 |
|---|---|---|
| 自然な株立ち | 3〜5本 | 太い幹を残しひこばえを整理。枝先は軽く |
| 高さを抑える | 3〜4本 | 花後に上部を3分の1切り戻す。数年に分ける |
| 一本立ちの木 | 1本 | 若いうちに主幹を決め、ほかを根元から抜く |
| 鉢植え | 2〜3本 | 毎年花後に前年枝の半分まで切り詰める |
太い幹を切ったら切り口に癒合剤を塗ります。ロウバイは切り口から枯れ込みやすい木です。
切りすぎて咲かなくなったときの立て直し
冬に枝先を切り詰めた、秋に強く剪定した、こうした失敗は翌冬の花がほとんど咲かないことで分かります。株が枯れたわけではないので、一年間は剪定を控え、夏に花芽が付いたのを確かめてから手を入れ直します。
| 症状 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 花がほとんど咲かない | 秋〜冬の剪定で花芽を落とした | 翌年は花後だけ切り、秋以降は触らない |
| 枝ばかり伸びて咲かない | 強い剪定と肥料の与えすぎ | 剪定を軽くし、窒素肥料を減らす |
| 切り口から幹が枯れ込む | 太い枝を切って癒合剤なし | 枯れた部分を緑の髄が見えるまで切り直す |
| 株元が藪になった | ひこばえの放置 | 花後に太い幹3〜5本を残し、ほかを根元から抜く |
ロウバイの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
ロウバイの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はロウバイの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。