目的に合った増やし方を選ぶ
ロウバイは挿し木の発根率が低く、家庭では成功しにくい木です。増やし方は三つあり、それぞれ向いている目的が違います。同じ花を増やしたいのか、数を増やしたいのか、時間をかけられるのかで選びます。
| 目的 | 向いている方法 | 花が咲くまで |
|---|---|---|
| 親と同じ花を確実に | 接ぎ木、株分け | 接ぎ木2〜3年、株分けは翌年から |
| 台木を作る、数を増やす | 種まき | 5〜10年。花は親と違う |
| 古い株を若返らせる | ひこばえを育てる株分け | 1〜2年 |
ソシンロウバイの種をまいても、基本種に近い茶色い中心の花が咲くことが多いです。よい花は接ぎ木で増やします。
種まきは秋に採ってすぐまく
花のあとにできる壺形の実は秋に茶色く乾き、中に黒褐色の種が数粒入っています。乾かすと発芽しにくくなるので、採ったらすぐまくか、湿らせた砂に混ぜて冷蔵庫で春まで保存します。発芽率は高く、初心者でも育てられます。
- 九月〜十月に実を採る
- 実が茶色く乾いて軽く振ると音がしたら採り時です。割って中の種を取り出し、水に一晩つけます。
- すぐに深さ二センチでまく
- 鉢に赤玉土を入れ、種を二センチの深さに一粒ずつまきます。乾かさないよう明るい日陰で管理します。
- 春の発芽を待つ
- 翌春の四月ごろ発芽します。本葉が四〜五枚になったら一本ずつポットに植え替え、日なたで育てます。
- 二年目に地植え
- 高さ三十センチほどに育った二年目の冬に地植えします。台木にするなら幹の太さが鉛筆ほどになるまで育てます。
種には毒があります。口に入れないよう、子どもの手の届かないところで作業してください。
接ぎ木は三月に切り接ぎで
接ぎ木は実生の台木に、増やしたい品種の枝を接ぐ方法です。三月の芽吹き前に、前年に伸びた充実した枝を穂木にします。切り口を密着させて動かさないことが成功の条件で、慣れれば半分以上は活着します。
- 穂木を用意する
- 二月に前年枝を十センチほど切り、芽を二〜三個付けて湿らせた新聞紙で包み冷蔵庫に保管します。
- 台木を切る
- 三月上旬、鉛筆の太さの台木を地際から五〜十センチで切り、切り口の縁に二センチほど縦に切り込みを入れます。
- 穂木を差し込む
- 穂木の下端を片側は二センチ、反対側は五ミリほど斜めに削り、台木の切り込みに差し込みます。皮の内側の緑の層を合わせます。
- テープで巻き固定
- 接ぎ木テープで隙間なく巻き、穂木の切り口には癒合剤を塗ります。風で動かないよう支柱に結びます。
- 芽が動いたら台木の芽を取る
- 四月〜五月に穂木の芽が伸びたら成功です。台木から出る芽はすべて取り、養分を穂木に集めます。
株分けはひこばえを使う
ロウバイは株元からひこばえ(根元から出る細い枝)がよく出ます。根が付いたひこばえを掘り分ければ、親と同じ花が翌年から咲く苗になります。接ぎ木苗の場合は接ぎ口より上から出た枝に限ります。
- 落葉期に根を確かめる
- 十二月〜二月に株元の土を掘り、ひこばえに自分の根が付いているかを確かめます。根がなければもう一年待ちます。
- 根を付けて切り離す
- 根を傷めないようスコップで周りを掘り、親株とつながる部分をノコギリで切ります。切り口には癒合剤を塗ります。
- すぐ植えて枝を詰める
- 掘り上げたらすぐ植え、地上部を三分の一ほど切り詰めて根との釣り合いを取ります。一年目の夏は水を切らさないようにします。
取り木で太い枝から苗を作る
挿し木が難しいロウバイでも、取り木なら成功しやすい方法です。枝の皮を環状にはがして水苔で包み、根が出てから切り離します。四月〜六月に始めれば秋には根が回ります。
- 皮を環状にはがす
- 鉛筆より太い枝を選び、幅二センチほど皮をぐるりとはがします。緑の層まできれいに取り除きます。
- 水苔で包む
- 湿らせた水苔をこぶし大にして傷の部分を包み、ビニールで覆って上下をひもで縛ります。
- 根を確かめて切る
- 秋にビニール越しに白い根が見えたら、根の下で切り離して鉢に植えます。冬は霜の当たらない場所で管理します。
うまくいかないときの原因と切り分け
増やし方の失敗は原因が方法ごとに違います。どの段階で止まったかを見て、翌年やり直すときの手直しを決めます。一度で成功しなくても株そのものは傷まないので、複数の方法を同じ年に試して比べるのも手です。
| 場面 | 考えられる原因 | 次にやること |
|---|---|---|
| 種が発芽しない | 乾燥させた種をまいた | 採ってすぐまくか湿らせて冷蔵保存する |
| 接ぎ木の穂木が枯れる | 緑の層が合っていない、乾燥 | 削り面を合わせ直し、テープを隙間なく巻く |
| 株分け苗が夏にしおれる | 根が少ないまま掘った | 地上部をさらに切り詰め、半日陰で水を切らさない |
| 取り木に根が出ない | 皮の取り残し、水苔の乾燥 | 緑の層まではがし、水苔を月に一度湿らせる |
ロウバイの挿し木・接ぎ木に使うもの
木を増やす方法は挿し木と接ぎ木で、要るものが違います。まず自分の木がどちらで増えるかを確かめます。
- 挿し木用土(鹿沼土・赤玉土小粒)探す言葉「挿し木 用土 鹿沼土」
- 規格の目安
- 鹿沼土か赤玉土の小粒、単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木 ルートン」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプ。
木は草花より根が出にくく、種類によっては差がはっきり出ます。
- 接ぎ木用ナイフ探す言葉「接ぎ木ナイフ 園芸」
- 規格の目安
- 片刃で、刃の平らなもの。よく研げるもの。
接ぎ木は切り口の面が合うかどうかがすべてです。普通のカッターでは平らな面を作れません。
- 接ぎ木テープ探す言葉「接ぎ木テープ 園芸」
- 規格の目安
- 伸びて自然に劣化するタイプ。幅 20〜30mm。
接いだところを密着させ、乾燥を防ぎます。外し忘れると幹に食い込むので、劣化するものが安全です。
- 挿し木で増える種類なら、接ぎ木の道具は要りません。
- 苗木を買うほうが早く実を付ける木も多く、増やすのは趣味の範囲と割り切る選択もあります。
ロウバイの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はロウバイの育て方にまとめています。
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