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家庭菜園読了 6 分

充電式の電動剪定ばさみが要る人、要らない人。切れる太さと重さで3機種を比べる

充電式の電動剪定ばさみは、握る力をモーターが肩代わりする道具です。ブドウやキウイのように冬に切る本数の多い果樹や、握力に不安がある人に向きます。マキタと京セラの3機種を、切れる太さ、重さ、電池、価格で比べました。

充電式の電動剪定ばさみは、引き金を引くとモーターが刃を閉じる剪定ばさみです。手で握る力がほとんど要らないので、何百回も切る作業で手と手首が疲れにくくなります。

ただし、価格は手動の剪定ばさみの10倍以上で、本体も重くなります。マキタと京セラの家庭でも手に入る3機種の仕様を、メーカーの発表と販売店の表示で比べ、どんな人なら買う意味があるかを整理しました。

結論を先に書くと、要るのは、ブドウやキウイのように冬の剪定で切る本数が多い果樹を何本も育てている人と、握力や手首に不安がある人です。果樹が1〜2本で、切るのが細い枝だけなら、手動の剪定ばさみで足ります。

本数が多い果樹と、握力に不安がある人向け

手動の剪定ばさみは、1回切るたびに握って開く動作をくり返します。

ブドウとキウイは、冬の剪定で前年に伸びたつるの多くを切り戻すので、1株でも切る回数が多くなります。棚いっぱいに広げた株や、何株も並べた畑では、手動だと手のひらと手首にかかる負担が積み重なります。農業向けのメディアでは、剪定作業で腱鞘炎に悩む生産者が多かったことが、電動剪定ばさみが広まった背景として紹介されています。

握力が落ちてきた人や、関節に痛みがある人にとっても、引き金を引くだけで切れるのは大きな違いです。

反対に、ブルーベリーの鉢を数鉢、イチジクを1本、という規模なら、1回の剪定で切る回数はそれほど多くありません。この量なら、手に合った手動の剪定ばさみのほうが軽く、手入れも楽です。

3機種の切れる太さ、重さ、電池

比べたのは、マキタ UP100D と京セラ DSH1120 (どちらも10.8Vの電池を本体に差す型)、京セラ BSH-120 (電池内蔵の家庭向け) の3機種です。

機種 購入先 切れる太さ (最大) 重さ 電池 1回の充電で切れる量 (メーカー条件)
マキタ UP100D Amazon 楽天 Yahoo! 25mm (通常モードは18mm) 0.89kg (電池込み) 10.8Vのスライド式 2.0Ahの電池で約2,500本 (通常モード)、約2,000本 (太枝モード)。直径15mm程度のナシの枝
京セラ DSH1120 Amazon 楽天 Yahoo! 25mm (開き幅を18mmに切替可) 0.9kg 10.8V、2,500mAh 約2,200カット。開き幅25mmで直径15mmの米松
京セラ BSH-120 楽天 Yahoo! 12mm 0.6kg 3.6V内蔵 約350カット。直径10mm

UP100D と DSH1120は、刃の開き幅を2段階に切り替えられます。細い枝と太い枝で、開き幅を使い分けられます。京セラは DSH1120の切断速度を0.3秒としています。

BSH-120は、切れる太さが12mmまでで、手動の剪定ばさみより細い枝向けです。枝を細かく切って処分するときや、細い枝をたくさん切る作業に向き、太い枝の剪定には向きません。

充電時間は、DSH1120が80%まで29分、満充電で38分、BSH-120は約60分です。

電動剪定ばさみには、電池を本体に差す型のほかに、電池を背中や腰に付けてコードでつなぐ背負い型もあります。マキタの UP100D は、前の機種 UP361D の背負い式の電池から、本体に差す10.8Vの電池に変えて軽くした機種です。背負い型は手に持つ部分が軽くなる代わりに、コードが枝に引っかかることがあります。家庭の果樹なら、コードの無い本体装着型のほうが取り回しが楽です。

「1回の充電で切れる量」は条件つきの数字

表の本数は、決まった太さと樹種で試した値です。

マキタは直径15mm程度のナシの枝、京セラは直径15mmの米松と、試す枝が違うので、2社の数字をそのまま比べることはできません。実際の剪定では、枝の太さも硬さもまちまちなので、表の数字より少なくなると見ておくのが無難です。

それでも、家庭の果樹で1日に2,000回切ることはまずありません。電池が足りるかより、0.9kgを片手で持ち続けられるかのほうが、家庭では先に問題になります。手動の剪定ばさみは200g台なので、およそ4倍の重さです。

価格と、電池をほかの道具と共有できるか

価格は、手動の剪定ばさみとは桁が違います。

機種 メーカー希望小売価格 (税別)
マキタ UP100DZ (本体のみ) 90,600円
マキタ UP100DSAX (電池2個・充電器・ケース付き) 113,600円
京セラ DSH1120 (本体のみ) 68,000円
京セラ DSH1120L2 (電池・充電器付き) 85,500円

通販の実売価格は、これより下がることが多いです。

マキタ UP100D の電池は10.8Vのスライド式で、同社の10.8Vの道具 (ブロワなど) と同じ電池を使います。すでにその電池と充電器を持っているなら、本体のみの UP100DZ を選ぶと費用を抑えられます。京セラも DSH1120を本体のみと、電池・充電器付きの DSH1120L2に分けて売っています。

使うときに気をつけること

電動剪定ばさみは、刃が自分の握る力と関係なく閉じます。手動の感覚で枝を押さえると、指を挟むおそれがあります。

  • 枝を支える手は刃から離す。 切る枝は、刃から遠いところを持ちます。
  • 電池を差す前に、スイッチが切れているか確かめる。 マキタの充電工具の取扱説明書には、スイッチに指をかけたまま持ち運ばないよう書かれています。
  • 刃の手入れは電池を外してから。 ヤニを拭くときやサビを落とすときも同じです。
  • 表示の太さを超える枝は切らない。 刃が止まったり、刃先が欠けたりする原因になります。

使う前に、取扱説明書の「安全上のご注意」を一度読んでください。

向かない場面もある

電動剪定ばさみが手動より劣る場面もはっきりあります。

  • 果樹が1〜2本だけ。 価格に見合うほど切る回数がありません。
  • 込み合った細い枝。 本体が手動より大きい (DSH1120で長さ272mm、高さ99mm) ので、枝の間に差し込みにくい場面があります。
  • 25mmを超える枝。 剪定のこぎりの仕事です。
  • 高い枝。 0.9kgを片手で頭上に上げ続けるのは負担が大きく、脚立の上ではなおさらです。

電動を買う場合も、手動の剪定ばさみは1本残しておきます。電池が切れたときや、込み合った細い枝の先を整えるときは、手動のほうが早く済みます。

ブドウの冬剪定と仕立て と キウイの剪定と棚づくり には、どのつるを残してどこで切るかを解説しています。切る回数が多い木なので、電動にするかを決める前に、1株で何回切るのかを数えてみるのが判断材料になります。

電動剪定ばさみでの冬剪定は、やった日と結果を残しておくと翌年に効きます。 剪定した日と、残したつるの様子を写真で残しておくと、翌年の実の付き方や収穫の数と並べて、切り方が合っていたかを確かめられます。スマホの無料アプリ Gadenin なら、株ごとに写真と作業 (施肥・植え替え・病害虫対策・収穫など) を日付つきで残せます。

参考にした資料

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