剪定は葉が落ちた休眠期に
ブドウの剪定は落葉後の12月から2月上旬に行います。3月に入って樹液が動き出してから切ると、切り口から水のように樹液が流れ続け、株が弱ります。関東平野部なら1月中に終えるのが目安です。
剪定の道具は切れ味のよい剪定ばさみを用意し、太い枝には小型ののこぎりを使います。切れ味が悪いと切り口がつぶれて乾きにくく、そこから枝枯れが入ります。作業の前にはさみの刃を消毒しておくと病気の持ち込みを減らせます。
| 時期 | できる作業 | 避けたい理由 |
|---|---|---|
| 12月〜1月 | 冬剪定の適期 | 樹液が止まっていて切り口が乾く |
| 2月中旬〜3月 | 軽い手直しのみ | 樹液が動き始め、切り口から流れ出す |
| 5月〜7月 | 新梢の整理、摘心 | 太い枝を切ると病気の入口になる |
短梢剪定と長梢剪定を選ぶ
冬剪定には、前年の枝を一芽から二芽で切る短梢剪定と、五芽から十芽残す長梢剪定があります。品種によって、枝の付け根近くの芽に花が付くかどうかが違うので、それに合わせて選びます。
家庭では、フェンスや棚に主枝を一本まっすぐ伸ばし、そこから出る枝を毎年二芽で切り戻す短梢剪定が管理しやすく、失敗しにくい方法です。
| 品種の傾向 | 向く剪定 | 残す芽の数 |
|---|---|---|
| 巨峰、ピオーネ、シャインマスカット | 短梢剪定 | 各枝を1〜2芽で切る |
| デラウェア、キャンベル・アーリー | 長梢剪定でも可 | 5〜8芽残して枝を配置 |
| 苗から2年目まで | 主枝を伸ばす | 先端だけ充実した所で切り戻す |
短梢剪定の切り方
短梢剪定は、主枝から出た昨年の枝をすべて根元の二芽で切りそろえます。芽と芽の間で切るのではなく、残す芽の少し先で切るのがこつです。芽のすぐ上で切ると芽が乾いて枯れることがあります。
- 枝の太さを確かめる
- 鉛筆から親指くらいの太さで、節間が詰まった枝を残します。指より太い暴れた枝や、細い弱い枝は根元から切って、翌年のもとにしません。
- 二芽を残して切る
- 根元から数えて二つ目の芽の一〜二センチ先で切ります。基部の芽は小さくて見落としがちなので、ふくらみを指で触って数えます。
- 枝の間隔をそろえる
- 主枝に沿って残す枝を15〜20センチ間隔にします。混んでいる所は片方を根元から切り、翌年の枝が重ならないようにします。
- 切り口に癒合剤を塗る
- 太い切り口には市販の癒合剤を塗って乾燥と病気を防ぎます。細い枝はそのままでかまいません。
主枝の作り方と誘引
植えた年に一本伸ばした枝を、二年目の冬に骨格の主枝として横に寝かせます。フェンスなら地上80センチ前後、棚なら棚面に沿わせます。主枝は真横に寝かせると芽が均等に出ます。斜め上に立てたままだと先端の芽ばかり伸びます。
- 主枝の長さを決める
- 一年目に伸びた枝のうち、充実した部分だけを使います。先端の細い部分は切り戻し、直径一センチ程度の所で切ります。
- 曲げて固定する
- 冬のうちに枝をゆっくり曲げ、麻ひもかビニールタイで針金に結びます。きつく縛らず、枝が太る余裕を残して八の字に結びます。
- 翌年の枝を左右に配置する
- 主枝から出た新しい枝を左右交互に振り分け、上下に重ならないように誘引します。夏の間に混んだら間引きます。
夏の新梢の管理
春に伸びる新しい枝は放っておくと三メートル以上伸びます。房の先の葉を十枚前後残して摘心(枝先を摘んで伸びを止めること)し、養分を実に回します。わき芽(葉の付け根から出る小さな芽)も、房より下のものは早めにかき取ります。
- 新梢を一枝一本に絞る
- 一つの芽から複数の枝が出たら、房の付いた勢いのよい一本を残して他を取ります。房のない枝は葉が混むだけなので根元から外します。
- 房の先で摘心する
- 開花のころ、房から先の葉を八〜十枚残して枝先を摘みます。これで養分が実に回り、実止まりがよくなります。
- 副梢は葉一枚で止める
- 摘心後に葉の付け根から出る副梢は、葉を一枚残して摘みます。全部取ると光合成が減り、放置すると棚が混みます。
摘心した枝先や取ったわき芽は、地面に落としたままにせず集めて処分します。梅雨時は落とした枝葉から病気が広がります。
切りすぎ・切り足りないときの立て直し
冬に枝を残しすぎると、春に細い枝が大量に出て房も小さくなります。逆に切りすぎると、勢いのよすぎる枝が出て花が落ち、実が付きません。どちらも翌冬の剪定で調整できるので、一年で結果を出そうとしないことが大切です。
| 春の姿 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 細い枝が多く房が小さい | 残した芽が多すぎた | 5月に弱い枝を間引き、翌冬は枝数を半分に |
| 太い枝が暴れて花が落ちる | 切りすぎで力が余った | 摘心を早めに行い、翌冬は芽数を増やす |
| 主枝の中ほどから芽が出ない | 主枝を立てたまま誘引した | 冬に水平に寝かせ直し、先端を切り戻す |
ブドウの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
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