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家庭菜園読了 6 分

果樹の剪定ばさみの選び方。バイパス式で、全長は手に合わせて180mmか200mm

果樹の冬剪定に使う剪定ばさみを、刃の形 (バイパス式とアンビル式)、手の長さに合う全長、切れる枝の太さ、刃を替えられるかで比べました。岡恒・アルス・フェルコの定番品の仕様と、サビとヤニの手入れも書いています。

剪定ばさみは、指くらいまでの太さの生きた枝を、片手で切るための道具です。12〜2月の果樹の冬剪定では、切る枝のほとんどをこの1本でこなします。

選ぶときに見るのは、刃の形、手の大きさに合う全長、切れる枝の太さ、刃を替えられるか、の4つです。メーカーの仕様と販売店の表示を読み比べて、果樹向けにどう選ぶかを整理しました。

結論を先に書くと、果樹の生きた枝を切るならバイパス式で、全長は手の長さに合わせて180mm前後か200mm前後です。仕様にある「切れる太さ」を超える枝は、はさみで無理をせず、のこぎりに持ち替えます。

果樹にはバイパス式が基本

剪定ばさみの刃の形は、大きく2つに分かれます。

バイパス式は、切り刃と受け刃の2枚が、紙を切るはさみのようにすれ違って枝を切ります。アンビル式は、1枚の刃を平らな台 (アンビル) に押し当てて、上から押し切ります。

剪定ばさみの「バイパス式」と「アンビル式」の違い

ドイツの園芸用品メーカー GARDENA は、バイパス式を生きた枝や若い枝向け、アンビル式を枯れた枝や硬い枝向けと説明しています。あわせて、どちらの方式でも切り口のきれいさを最後に決めるのは刃の鋭さだ、とも書いています。

果樹の冬剪定で切るのは、ほとんどが生きた枝です。日本の園芸店で「剪定鋏」として並ぶ岡恒、アルス、フェルコの定番品も、受け刃のあるバイパス式です。アンビル式は、枯れ枝の片付けや、細かく切って処分する枝に回すと役割が分かれます。

全長は、手首のしわから中指の先までで決める

剪定ばさみは、手に対して大きすぎると握りきれず、小さすぎると指が持ち手からはみ出して力が入りません。

アルスは、全長180mm前後をSサイズ、200mm前後をMサイズとしています。手首のいちばん上のしわから中指の先までの長さを測り、それと同じか少し長い全長を選ぶのが目安です。通販で買うときは、この長さと商品の全長を照らし合わせます。

比べた4本の仕様は次のとおりです。

商品 購入先 全長 重さ 生木を切れる太さ (メーカー表示) 刃の手当て
岡恒 剪定鋏 No.101 Amazon 楽天 Yahoo! 180mm 180g 表示なし 研いで使う
岡恒 剪定鋏 No.103 Amazon 楽天 Yahoo! 200mm (202mmと表示する販売店もある) 230g 表示なし 研いで使う
アルス VS-8Z Amazon 楽天 Yahoo! 200mm (刃長54mm) 220g 15mm以下 受け刃にヤニ溝
フェルコ2 Amazon 楽天 Yahoo! 215mm 251g 25mm 刃・受け刃・バネを部品で交換できる

園芸用品の販売店の解説では、女性は180mm前後、男性は200〜220mm前後を目安にするものが多く見られます。手の小さい人は No.101のような180mmから、手の大きい人は200mm以上から合わせるのが順当です。フェルコ2は215mmと長めで、手の大きい人向けのつくりです。岡恒には No.103より持ち手が10mm長い No.104 (210mm、235g) もあります。

右手用がほとんどなので、左利きの人は「左利き用」と書かれたものを選びます。

全長のほかに、刃の開き幅とバネの強さも手に合うかを左右します。刃が大きく開くものほど太い枝を挟めますが、手の小さい人には握りの幅が広すぎることがあり、開き幅を2段に切り替えられる製品もあります。バネが強すぎると、開く力に逆らって握り続けることになり、本数をこなすうちに疲れます。店頭で選べるなら、実際に何度か開閉してみるのが確実です。作業の合間に持ち歩くときは、留め金 (ストッパー) を必ず閉じて、刃が開いたままにならないようにします。

200mmの定番の1本

手の長さが平均的で、ブルーベリーやイチジクの細い枝をたくさん切るなら、まずこの長さからです。

岡恒 剪定鋏200mm No.103

全長200mm、重さ230gのバイパス式。持ち手はビニール被覆です。切れる太さの表示は無いので、親指より太い枝はのこぎりに替えてください。

¥3,450 (2026年10月18日 時点の参考価格)

切れる太さの表示を超えたら、のこぎりに替える

メーカーの「切れる太さ」は、刃を傷めずに切れる上限として読みます。アルス VS-8Z は生木で直径15mm以下、フェルコ2は25mmです。岡恒は数値を出していません。

園芸メディアの解説でも、剪定ばさみが得意なのは直径1〜2.5cmくらいの生木までで、それより太い枝は太枝切りばさみか剪定のこぎりに回す、という分け方が一般的です。

同じはさみでも、枝を刃の先で挟むより、刃の根元の奥まで入れたほうが小さい力で切れます。支点に近いほど、てこが効くからです。それでも両手で握りしめないと切れない枝は、表示の上限を超えていると考えて、のこぎりを出してください。

替え刃とヤニ溝で、長く使えるかが変わる

剪定ばさみは、刃を研ぎながら何年も使う道具です。どこまで面倒を見られるかは、製品のつくりで差が出ます。

フェルコは、本体を長く保証する一方で、刃・受け刃・バネ・クッションを「消耗部品」として保証の外に置いています。言いかえると、すり減ったら部品を替えて使い続ける前提の設計です。部品を取り寄せる手間と費用はかかりますが、本体を買い替えずに済みます。

アルス VS-8Z は、受け刃の内側に溝を切ってあり、ヤニによる摩擦を減らしています。刃は高炭素刃物鋼にハードクローム仕上げです。マツやオリーブのようにヤニや樹液の出る木を続けて切ると、刃の合わせ目にヤニがたまって開閉が重くなるので、この溝が効いてきます。

使ったあとはヤニを落とし、乾かしてから油を引く

切れ味が落ちる原因の多くは、刃の傷みではなく、ヤニとサビです。

その日の作業が終わったら、刃に付いたヤニを布で拭き取ります。ヤニは乾くと固まって落ちにくくなるので、時間をおかないほうが楽です。水で洗った場合は、刃の合わせ目まで乾かしてから、刃物用の油を薄く引きます。刃からハンドルまでステンレスの製品はサビに強く、手入れが軽く済みます。

サビが出てしまったら、サビ落としの砥石やサビ消しで落とし、刃の角度に合わせて砥石で研ぎます。アルスは公式サイトで剪定ばさみのメンテナンスサービスを案内しているので、自分で研ぐ自信がないときは相談先になります。

向かない場面もある

剪定ばさみ1本で冬剪定がすべて済むわけではありません。

  • 太い枝。 表示の上限を超える枝を何度もこじって切ると、刃と受け刃のかみ合わせが狂います。太い枝は剪定のこぎりの仕事です。
  • 高い枝。 脚立に乗って片手で切る作業は、転落の危険が増えます。手の届かない高さの枝は、高枝切りばさみを考えます。
  • アンビル式で生きた枝を切ること。 台に押し当てる方式は、生きた柔らかい枝では押されてつぶれながら切れることがあります。
  • 手に合わない大きさ。 大きすぎるはさみは、本数をこなすうちに手首が疲れます。

ブルーベリー、イチジク、オリーブは、家庭で育てる果樹のなかでも剪定ばさみの出番が多い木です。どの枝を切るかは、ブルーベリーの剪定と花芽、イチジクの剪定と仕立て、オリーブの冬の剪定 で解説しています。

剪定ばさみでの冬剪定は、やった日と結果を残しておくと翌年に効きます。 どの枝を切ったかを写真で残し、翌年の花の付き方や収穫の数と並べると、切りすぎたのか足りなかったのかが分かります。スマホの無料アプリ Gadenin なら、株ごとに写真と作業 (施肥・植え替え・病害虫対策・収穫など) を日付つきで残せます。

ヤニの多い木に

オリーブなど樹液やヤニの出る木を続けて切るなら、受け刃にヤニ溝のあるものが扱いやすいです。

アルス 剪定鋏 VS-8Z

全長200mm、刃長54mm、重さ220g。生木で直径15mm以下が切れる目安です。受け刃の内側の溝がヤニの摩擦を減らします。使ったあとはヤニを拭き取ってください。

¥3,861 (2026年10月18日 時点の参考価格)

参考にした資料

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