花芽は枝先の丸い芽
冬の枝を先端から見ると、丸くふくらんだ芽が数個並び、その下に細く尖った芽が続きます。丸いほうが花芽で、1つの花芽から5個から10個の花が咲きます。尖ったほうは葉芽で、伸びて新しい枝になります。
花芽が付くのは、その年に伸びた枝の先端付近です。つまり夏までにどれだけ充実した新梢を出せたかで翌年の収量が決まります。剪定は花芽を減らす作業ではなく、良い新梢を出させる作業だと考えます。
| 芽の種類 | 形 | 付く位置 |
|---|---|---|
| 花芽 | 丸くふくらむ | その年に伸びた枝の先端から数個 |
| 葉芽 | 細く尖る | 花芽より下の節に並ぶ |
| 休眠芽 | 小さく目立たない | 古い枝の基部に潜む |
細い枝の先に花芽がびっしり付くと、実の重みで垂れて品質が落ちます。数を減らして残した実を太らせます。
冬剪定は骨格を作る
冬剪定の適期は落葉後の12月から2月で、作業しやすいのは芽の判別が確実になる1月から2月です。葉がないので枝の重なりが見え、切った結果が春の伸び方に直接あらわれます。
- まず枯れ枝と内向き枝
- 枯れた枝、株の内側へ向かう枝、交差してこすれる枝を根元から抜きます。中心に光と風が入るだけで、翌年に出る新梢の質が変わります。
- 古い主軸を更新する
- 5年以上たって樹皮が荒れ、細い枝しか出さなくなった主軸は地際で切ります。株元から出る勢いのよい枝と入れ替えるのが更新剪定です。
- 花芽を数で減らす
- 細い枝に付いた花芽は、先端の3分の1ほどを切り落とします。残した実に養分が集まり、粒が大きくなって糖度も上がります。
- 若木は実を我慢する
- 植え付け1年目から2年目は花芽をほぼ全部落とします。実を付けさせると株が大きくならず、収穫の立ち上がりがかえって遅れます。
太い枝は付け根で切ります。数センチの切り株を残すと、そこから枯れ込みが主軸の内部まで入ることがあります。
夏剪定は来年の枝を作る
夏剪定は6月下旬から7月上旬に行い、伸びた新梢の先端を3分の1ほど切り戻します。切った下から数本が枝分かれし、その先に翌年の花芽が付くため、結果枝の数を増やせます。
- 7月上旬までに終える
- 遅れると分枝した枝が充実する前に秋になり、花芽が付きません。収穫と重なる時期ですが、切る作業だけは先に済ませます。
- 切りすぎない
- 夏に強く切ると株が枝葉を伸ばす方向に傾き、花芽が減ります。対象は全体の枝の3割程度にとどめ、収穫中の株は特に控えめにします。
- シュートは止めて分ける
- 株元から勢いよく伸びる太い枝は次の主軸になります。先端を軽く止めて分枝させ、翌々年の骨格として育てておきます。
夏に切った直後は切り口から水分が抜けます。切る日は曇りか夕方を選び、切った後は水切れさせません。
系統で切る量を変える
剪定の考え方は共通ですが、樹勢の差で切る量が変わります。ラビットアイ系は大きく育つため強めに、ハイブッシュ系は樹勢が穏やかなので控えめにします。どの系統かは系統別のページで確認してください。
| 系統 | 冬剪定の強さ | 気をつける点 |
|---|---|---|
| ラビットアイ系 | 強め | 放任すると2メートルを超えて収穫できなくなる |
| ハイブッシュ系 | 控えめ | 切りすぎると株が弱り更新枝が出なくなる |
系統ごとの品種選びと特徴は系統別ページにまとめてあります。ここでは切る量の差だけを押さえます。
切ってはいけない枝
剪定の失敗は、切りすぎよりも切る対象を間違えることで起きます。株の将来を作る枝を落としてしまうと、数年かけて回復させることになります。次の3つは、見た目が邪魔でも残す枝です。
- 株元の新しい太枝
- その年に出たばかりの勢いあるシュートは残します。これを毎年切っていると数年後に更新する枝がなくなり、株全体が同時に老化します。
- 外向きの充実した枝
- 直径5ミリ以上で外側へ向かって伸びた枝は最良の結果枝です。混み合って見えても、間引くのは内向き枝と細い枝からにします。
- 落葉前の刈り込み
- 11月の紅葉期に葉ごと刈り込むと、枝へ戻るはずの養分を捨てることになります。完全に落葉してから切り始めます。
切った枝は株元に放置せず処分します。枯れ込んだ枝は病害虫が越冬する場所になり、翌年の発生源になります。
何年目に何をするか
毎年少しずつ主軸を入れ替えれば、株全体が同時に老化することはありません。1年に更新する主軸は1本から2本にとどめ、収穫量を落とさずに世代交代させるのが理想です。
| 樹齢 | 冬にやること | 目標 |
|---|---|---|
| 1〜2年目 | 花芽を落とし、弱い枝だけ間引く | まず株を大きくする |
| 3〜4年目 | 混み合いを解消し、細枝の花芽を減らす | 収穫しながら骨格を作る |
| 5年目以降 | 古い主軸を1本ずつ地際で更新する | 毎年同じ量を採り続ける |
樹齢が分からない株は樹皮で判断します。灰色に裂けて荒れた太枝から順に、更新の対象にしていきます。
切ったあとうまくいかないときの手当て
剪定の結果は翌年の春に出ます。新梢が出ない、実が小さい、株が暴れるといった姿を見て、切る量と切る時期のどちらがずれていたのかを、次の冬の一手に反映させます。
| 翌春に出ている症状 | 疑う原因 | 次の冬にすること |
|---|---|---|
| 新梢がほとんど出ない | 切る量が少なく古枝が残る | 古い主軸を1〜2本、地際で更新する |
| 枝は伸びるが花が少ない | 夏剪定が7月を過ぎた | 夏剪定は7月上旬までに終える |
| 実が小さく味も薄い | 細枝の花芽を残しすぎた | 細枝は先端の3分の1を切り落とす |
| 切り口から枯れ込む | 切り株を数センチ残した | 太い枝は付け根で切り直す |
切りすぎたと思ったら、その年の夏剪定は控えます。株が枝葉を伸ばす方向に傾いているので、追い打ちをかけないほうが早く戻ります。
ブルーベリーの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
ブルーベリーの収穫までのコツは作物ページに
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