植える前に用途で株間を決める
アベリアは放任すると高さ1〜2メートル、横幅も同じくらいに広がる半常緑の低木です。生垣にするのか、花壇の一角で単植するのか、鉢で小さく育てるのかで株間と苗の選び方が変わります。先に用途を決めてから苗の数を数えます。
| 目的 | 株間の目安 | 向く品種 |
|---|---|---|
| 生垣・目隠し | 50〜70センチ | 緑葉の基本種、大型の斑入り |
| 花壇の単植 | 1〜1.5メートル | 基本種、花色の濃い園芸品種 |
| 鉢・寄せ植え | 8号鉢に1株 | 矮性の斑入り品種 |
| グランドカバー | 60〜80センチ | 横に広がる矮性品種 |
斑入り品種は緑葉の基本種より生育が穏やかで、同じ株間だと隙間が埋まるまでに一年ほど余計にかかります。
適期は春と秋、真夏と厳冬を避ける
植え付けの適期は3月中旬から4月と、9月下旬から10月です。ポット苗なら根鉢を崩さなければ真夏以外は植えられますが、根が動く時期に植えたほうが活着が早く、翌年の花数が違います。寒冷地では秋植えより春植えを優先します。
ポット苗は一年中出回りますが、春に出る苗は前年の挿し木苗で根の量が少なめです。秋に出る苗は根が回っているので、植えたらすぐ根鉢の側面に軽く切れ込みを入れて、根が外へ向かうきっかけを作ります。
- 苗の根鉢を確かめる
- ポットから抜いて根が白く回っていれば健全です。黒く崩れる根や、土が湿ったままで異臭がする苗は避けます。枝数が多く、株元から数本立ちしている苗を選びます。
- 植え穴は根鉢の2倍
- 直径と深さを根鉢の2倍ほど掘り、掘り上げた土に腐葉土を3割混ぜます。粘土質で水がたまるなら、川砂か軽石を1〜2割加えて水はけを作ります。
- 深植えにしない
- 根鉢の上面が地面と同じ高さになるよう据えます。深く植えると株元が蒸れて枝が枯れ上がります。土を戻したら株元を軽く踏み、たっぷり水を与えて土と根を密着させます。
日当たりと風で置き場所を判断する
花をたくさん咲かせたいなら一日5時間以上日が当たる場所が目安です。半日陰でも枯れませんが花が減り、斑入り品種は葉色がくすみます。強い風が当たる場所では冬に葉が落ちて丸坊主に見えることがありますが、春に芽吹くので心配いりません。
鉢植えを室内やベランダに置くなら、風がよく通るところを選びます。アベリアは蒸れに弱くはありませんが、閉め切った場所では冬にカイガラムシが付きやすくなります。
- 午前中に日が当たるか見る
- 西日だけの場所より午前の日が当たる場所を選びます。夏の西日は斑入り品種の葉焼けを招くので、西側は建物や大きな木で少し遮られるくらいがちょうどよいです。
- 隣の植物との距離を取る
- アベリアは枝が弓なりに垂れて広がります。隣の低木や宿根草に覆いかぶさるので、枝先が届く範囲を考えて最低50センチは空けます。
- 鉢なら8号以上を用意する
- 根の張りが早いので、6号ポット苗でも8号鉢に植えます。用土は草花用の培養土に赤玉土を2割混ぜ、鉢底石を厚めに敷いて水はけをよくします。
植え付け直後の水と肥料
植えた年は根がまだ広がっていないため、乾きに弱い期間があります。地植えでも1か月ほどは土の表面が乾いたらたっぷり与えます。根が張れば乾燥に強くなり、地植えは真夏の晴天続き以外ほとんど水やりが要りません。
水やりの回数を減らしていく目安は、朝に水を与えた翌日の夕方でも葉がしおれないことです。この状態になれば根が土に広がっているので、地植えなら雨に任せて構いません。
- 植えた日は水ぎめをする
- 植え穴に水をためて土を落ち着かせ、引いたら土を足して再度水を与えます。空気の隙間が残ると根が乾いて活着が遅れます。
- 肥料は一か月後から
- 植え穴に肥料を入れると根が傷むので、元肥(植えるときに土へ混ぜておく肥料)は控えめの緩効性肥料を根に触れない位置に少量だけにし、追肥は活着してからにします。
- 株元をマルチで覆う
- 腐葉土やバークチップを3センチほど敷くと、夏の乾燥と冬の凍結の両方を和らげます。株元に直接触れないよう少し空けて敷きます。
植えたあとに元気がないときの切り分け
植え付け後に葉が落ちたり枝先がしおれたりしても、原因の多くは根鉢の乾きか過湿です。株の姿と土の状態を見て、どちらに寄っているかを判断してから手当てをします。あわてて肥料を足すのは逆効果です。
| 症状 | 考えられる原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 葉がしおれて土が乾いている | 根鉢の水切れ | 株元に集中して水を与え、マルチを敷く |
| 葉が黄色く落ちて土が湿ったまま | 過湿か深植え | 水を控え、株元の土を少し除いて根鉢を露出させる |
| 枝先だけ枯れて他は元気 | 植え傷みの一時的な反応 | 枯れた部分を切り、そのまま様子を見る |
| 葉が白っぽく縮れる | 西日の葉焼け | 寒冷紗で午後の日を遮り、秋に移植を検討する |
植えた年の冬は葉が半分ほど落ちることがあります。枝を爪で軽くこすって緑色なら生きているので、春まで切らずに待ちます。
アベリアの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
アベリアの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアベリアの育て方にまとめています。
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