増やし方を目的で選ぶ
アベリアの増やし方は挿し木が中心で、株元から出た枝を切り分ける株分けと、枝を土に伏せる取り木も使えます。種はほとんど実らず、まいても親と同じ性質になりません。何本欲しいか、いつまでに欲しいかで方法を決めます。
| 目的 | 向く方法 | 時期 |
|---|---|---|
| 生垣用に10本以上そろえる | 挿し木 | 6月、9月 |
| 1〜2本を確実に増やす | 取り木 | 4〜6月 |
| 大きな株を分けて移す | 株分け | 3月、10月 |
| 斑入りの性質を保つ | 挿し木か取り木 | 6月、9月 |
斑入り品種は緑一色の枝から挿すと緑葉の株になります。挿し穂は斑がきれいに出ている枝から取ります。
挿し穂の取り方と準備
挿し木の適期は、その年に伸びた枝が少し硬くなる6月と、二番枝が充実する9月です。指で曲げてしなり、無理に曲げると折れるくらいの枝が目安です。柔らかすぎる枝はしおれ、古い枝は根が出にくくなります。花や蕾の付いた枝は避けます。
- 朝のうちに枝を切る
- 水が上がっている午前中に、今年伸びた枝を先から10〜12センチ切ります。切った枝はすぐ水に浸け、乾かさないようにします。
- 下葉を落として切り口を整える
- 下半分の葉を取り、節が2つ以上土に入るようにします。切り口はよく切れるカッターで斜めに切り直し、30分ほど水に浸けて吸水させます。
- 上の葉は半分に切る
- 残した葉が大きければ半分に切って蒸散を減らします。発根促進剤があれば切り口に付けますが、アベリアはなくてもよく付きます。
挿し床の作り方と挿し方
挿し床には肥料の入っていない清潔な土を使います。小粒の赤玉土か鹿沼土単用、あるいは市販の挿し木用土が向きます。育苗箱でも3号ポットでもよく、生垣用に本数が欲しいなら箱にまとめて挿すと管理が楽です。
- 土を湿らせてから穴を開ける
- 土をたっぷり湿らせ、割り箸で穴を開けてから挿し穂を差し込みます。直接挿すと切り口が傷んで腐りやすくなります。深さは穂の3分の1ほどです。
- 株間3〜4センチで挿す
- 箱挿しなら葉が触れ合わない間隔で並べます。挿し終えたら周りの土を軽く押さえ、もう一度水を与えて土と穂を密着させます。
- 明るい日陰で乾かさない
- 直射日光の当たらない明るい日陰に置き、土の表面が乾く前に水を与えます。風で葉が乾くなら、透明の袋をかぶせて湿度を保ちます。
発根後の鉢上げと育て方
順調なら3〜4週間で新芽が動き、6〜8週間で根が出そろいます。挿し穂を軽く引いて抵抗があれば発根しています。根が出てもすぐ日なたに出さず、少しずつ日に慣らしてから鉢上げすると、その後の生育が止まりません。
- 新芽が伸びたら根を確かめる
- 新芽が3センチほど伸びたら、穂を軽く引いて抵抗を確かめます。抜けてしまうものはまだなので、そのまま挿し直して待ちます。
- 3号ポットに一本ずつ植える
- 根が出た穂は草花用の培養土で3号ポットに植え、1週間は日陰で慣らします。その後、午前だけ日が当たる場所へ移し、薄い液体肥料を月2回与えます。
- 冬は霜を避けて翌春に定植
- 6月挿しの苗は秋に4号鉢へ、9月挿しの苗はそのまま軒下で冬を越します。翌年3〜4月に地植えか生垣の位置へ植え付けます。
取り木と株分けで確実に一本作る
枝が長く垂れるアベリアは、枝先を土に伏せておくだけで根が出ることがあります。数は取れませんが失敗が少なく、親株から切り離すまで水も肥料も親任せです。大株なら株元の枝を根ごと切り分ける株分けもできます。
- 垂れた枝を土に伏せる
- 4〜6月に地面近くまで垂れた枝を選び、土に触れる部分の樹皮を軽く傷付けて針金で留め、土を5センチほどかぶせます。乾かさないよう水を与えます。
- 秋に根を確かめて切り離す
- 9〜10月に土を少しどけて根が出ていたら、親株側の枝を切り離して掘り上げ、鉢に植えます。根が少なければ翌春まで待ちます。
- 株分けは春か秋に
- 3月か10月に株を掘り上げ、根の付いた枝を鋸で切り分けます。分けた株は枝を半分ほど切り詰めて葉の量を減らし、植え付け後は2週間ほど日陰で養生します。
挿し木が付かないときの原因
アベリアの挿し木は付きやすい部類ですが、それでも全部が枯れることがあります。挿し穂の柔らかさ、置き場所、水の管理のどこで失敗したかを穂の姿から判断し、次の挿し木に生かします。
| 状態 | 考えられる原因 | 次にすること |
|---|---|---|
| 数日でしおれて枯れた | 穂が柔らかすぎるか日に当てた | 少し硬い枝を使い、明るい日陰に置く |
| 土の中で黒く腐った | 水のやりすぎか古い土 | 清潔な土に替え、表面が乾いてから水を与える |
| いつまでも根が出ず葉だけ残る | 古い枝か低温 | 6月か9月の今年枝で挿し直す |
| 根は出たが鉢上げで枯れた | 急に日なたへ出した | 1週間日陰で慣らしてから移す |
10本挿して7〜8本付けば上出来です。少し多めに挿しておけば、生垣に必要な本数は十分にそろいます。
アベリアの挿し木・接ぎ木に使うもの
木を増やす方法は挿し木と接ぎ木で、要るものが違います。まず自分の木がどちらで増えるかを確かめます。
- 挿し木用土(鹿沼土・赤玉土小粒)探す言葉「挿し木 用土 鹿沼土」
- 規格の目安
- 鹿沼土か赤玉土の小粒、単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木 ルートン」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプ。
木は草花より根が出にくく、種類によっては差がはっきり出ます。
- 接ぎ木用ナイフ探す言葉「接ぎ木ナイフ 園芸」
- 規格の目安
- 片刃で、刃の平らなもの。よく研げるもの。
接ぎ木は切り口の面が合うかどうかがすべてです。普通のカッターでは平らな面を作れません。
- 接ぎ木テープ探す言葉「接ぎ木テープ 園芸」
- 規格の目安
- 伸びて自然に劣化するタイプ。幅 20〜30mm。
接いだところを密着させ、乾燥を防ぎます。外し忘れると幹に食い込むので、劣化するものが安全です。
- 挿し木で増える種類なら、接ぎ木の道具は要りません。
- 苗木を買うほうが早く実を付ける木も多く、増やすのは趣味の範囲と割り切る選択もあります。
アベリアの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアベリアの育て方にまとめています。
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