掘り上げるか植えっぱなしか
関東の夏は高温多湿で、植えっぱなしの塊茎は腐りやすくなります。鉢植えや水はけの悪い場所は掘り上げが確実です。水はけの良い斜面や高い花壇で、夏に雨がかからない場所なら植えっぱなしでも越せます。
掘り上げには、翌年の配置を変えられる、大きさで選別できる、腐りを防げるという利点があります。手間はかかりますが、鉢で数株育てる規模なら三十分ほどで終わります。まずは掘り上げを基本にして、慣れてから植えっぱなしを試すのが失敗の少ない順序です。
| 場面 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 鉢植え・プランター | 掘り上げて保存 | 夏の水やりや雨で過湿になりやすい |
| 水はけの良い花壇 | 植えっぱなしも可 | 乾いた土なら腐りにくい |
| 水がたまる低い花壇 | 掘り上げて保存 | 梅雨の過湿で腐る |
| 寒冷地の露地 | 植えっぱなしも可 | 夏が涼しく腐りにくい |
掘り上げの時期と手順
五月から六月に葉が黄ばんで枯れたら掘り上げます。葉が緑のうちは塊茎が養分をためている途中なので待ちます。晴れが続いた日に掘ると土が落としやすく、塊茎も傷みにくくなります。
掘り上げると、塊茎が植えたときより大きくなり、いくつかに分かれていることがあります。自然に分かれたものはそのまま別々に植えられます。くっついているものを無理に割ると、割れ口から腐るので、自然に外れるものだけ分けます。
- 葉が枯れるのを待つ
- 葉が黄ばみ始めたら水を減らし、完全に枯れたら掘ります。枯れる前に掘ると塊茎が小さく、翌年の花が減ります。
- 塊茎を傷つけずに掘る
- 株元から十センチ離してスコップを入れ、土ごと持ち上げます。塊茎は小さいので、土の中を手で探して取り残しを防ぎます。
- 枯れ葉と根を取る
- 枯れた葉と根を手で取り、土を軽く落とします。水で洗うと乾きにくくなるので、乾いた土は払う程度にします。
乾燥と保存の方法
掘り上げた塊茎は風通しの良い日陰で一〜二週間乾かします。乾いたら紙袋やネットに入れ、涼しく暗い場所で秋まで保管します。ビニール袋は湿気がこもってカビるので使いません。保管中も月に一度は袋を開けて、やわらかくなったものやカビたものを取り除きます。
保管場所の温度が高いと塊茎の力が落ち、翌年の花が減ります。三十度を超える物置や車庫は避け、家の中の涼しい場所に置きます。冷蔵庫の野菜室に入れる方法もありますが、湿気が高いのでカビに注意し、紙袋に入れて月に一度は確かめます。
- 日陰で乾かす
- 新聞紙の上に重ならないよう広げ、風の通る日陰に置きます。直射日光は塊茎を傷めます。
- 紙袋で保管
- 乾いたら紙袋に入れ、品種名を書いて涼しい場所に置きます。玄関や北側の部屋の棚など、夏でも三十度を超えにくい場所が向きます。
- 月に一度確かめる
- 袋を開けてカビや腐りを確かめます。触ってやわらかいものは取り除き、固いものだけ残します。
植えっぱなしで夏を越す条件
掘り上げないなら、梅雨から夏の間に水がかからないようにします。鉢なら雨の当たらない軒下へ移して水を断ちます。地植えなら、上に一年草を植えて水やりをすると塊茎が腐るので、その場所には水を与えないようにします。
植えっぱなしの場合、秋に雨が続いて自然に芽が出てきます。その場合は掘り上げなくても構いませんが、株が混み合ってきたら二〜三年に一度は掘り上げて間隔を空け直します。混んだままだと花が小さくなり、蒸れて病気も出やすくなります。
- 鉢は軒下で断水
- 葉が枯れたら鉢ごと軒下の日陰へ移し、秋まで水を与えません。土が乾ききっても塊茎は休眠中なので平気です。
- 地植えは目印を立てる
- 葉がなくなると場所が分からなくなります。目印を立て、上に別の植物を植えたり水をやったりしないようにします。
保存中のトラブルと見分け方
保存中に塊茎が傷むのは、乾きが足りずにカビた、暑い場所で蒸れた、乾かしすぎて縮んだ、のどれかです。秋に吸水させてふくらむかどうかで生きているかを判断できます。
秋に吸水させたとき、ふくらみ方に差が出ます。すぐにふくらんで芽の点が見えるものは元気で、一週間たっても固いままのものは力が落ちています。固いままのものも捨てずに植えてみると芽が出ることはありますが、花壇の目立つ場所には元気なものを使います。
| 状態 | 原因 | 対応 |
|---|---|---|
| 白や緑のカビ | 乾きが足りない、袋が密閉 | こすり落として乾かし直す、ひどければ捨てる |
| やわらかく黒い | 蒸れて腐った | 捨てる。同じ袋の他の塊茎も確かめる |
| 固く小さく縮んだ | 乾かしすぎ | 秋に吸水させ、ふくらめば植える |
| 秋に吸水してもふくらまない | 力が尽きた | 植えても芽が出にくいので新しい塊茎へ |
翌年の花は保存した塊茎の大きさで決まります。小さい塊茎は翌年の花が少ないので、大きいものを優先して植え、小さいものは別の鉢で育てて太らせます。
アネモネの冬越しに使うもの
寒さそのものより、凍って溶けるのを繰り返すことで傷みます。土を凍らせないことが目的です。
- バーク堆肥・腐葉土(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に 3〜5cm の厚さで敷きます。
- 数量の目安
- 株元の直径 40cm 分で 5L 前後。
土に布団をかけるのと同じです。春には鋤き込めば土壌改良材にもなり、片付けが要りません。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 防寒 べたがけ」
- 規格の目安
- 目付 20〜30g/㎡。厚いほど保温しますが、光も遮ります。
かけたまま水をやれて、日中の光も通します。ビニールと違い、内側が蒸れません。
- 鉢用の断熱材探す言葉「発泡スチロール 鉢 保温」
- 規格の目安
- 発泡スチロールの箱か、鉢を包むプチプチ。
鉢は地面より先に凍ります。地面に直に置くか、鉢ごと包むかで越冬できるかが変わります。
- 球根の保存ネット探す言葉「球根 保存 ネット袋」
- 規格の目安
- 目の粗いネット袋。
寒さに弱い球根は掘り上げて越冬させます。風の通るところに吊るし、密閉しません。
- 耐寒性のある宿根草は、地上部が枯れても根は生きています。掘り上げずに株元を覆うだけで足ります。
- ビニールで覆いっぱなしにすると、晴れた日に蒸れます。不織布のほうが失敗しません。
アネモネの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアネモネの育て方にまとめています。
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