球根の状態で植え方を分ける
アネモネの球根は、乾いた状態で売られている小さな塊茎と、園芸店で秋から冬に出回るポット苗の二通りがあります。乾いた塊茎はそのまま植えると急に水を吸って割れたり腐ったりするため、先に少しずつ湿らせる手間が要ります。ポット苗ならその手間は不要で、根鉢を崩さずに植えるだけです。
迷ったら、初めての年はポット苗から始めるのが確実です。塊茎からの栽培は吸水の加減に慣れが要り、最初の年に腐らせて花を見られないままあきらめる人が少なくありません。苗で一度花を見て、掘り上げた塊茎を翌年から自分で植えると、失敗しにくい順序になります。
| 状態 | 植え付け前の準備 | 植える時期の目安 |
|---|---|---|
| 乾いた塊茎 | 湿らせた用土やペーパーで数日かけて吸水 | 10月中旬〜11月 |
| 吸水済みで芽が動いた塊茎 | そのまま植える | 10月下旬〜12月 |
| ポット苗 | 根鉢を崩さず植える | 10月〜3月の花付き苗 |
気温がまだ高い9月に植えると塊茎が腐りやすい花です。最高気温が二十五度を下回った頃を待つのが安全です。
乾いた塊茎はゆっくり吸水させる
乾いた塊茎はカラカラで石のように固く、一気に水に浸けると内部が割れて腐りの入口になります。湿らせたバーミキュライトや川砂に埋めるか、湿らせたキッチンペーパーで包み、冷蔵庫の野菜室のような涼しい場所で数日かけてふくらませます。
吸水の期間は気温で変わります。二十度前後の室内では二〜三日でふくらみますが、十度以下の場所では一週間以上かかることがあります。毎日一度は取り出して指で押し、固さの変化を確かめながら進めると、急ぎすぎも待ちすぎも防げます。
- 湿った用土に埋める
- 軽く湿らせたバーミキュライトを容器に入れ、塊茎を埋めます。水がしたたるほど濡らすと腐るので、握っても水が出ない程度に留めます。
- 涼しい場所で数日
- 十五度以下の涼しい場所に置き、三日から一週間で二回りほどふくらみます。触ってやわらかく、少し弾力が出たら吸水は完了です。
- ふくらみを見て取り出す
- ふくらんだものから順に取り出して植えます。まだ固いものは、さらに数日そのまま置いて様子を見ます。
吸水中に白いカビが出た塊茎は、こすり落として乾かしてから植え直すか、あきらめて捨てます。ほかの塊茎に広がる前に取り除きます。
尖った側が下、平らな側が上
アネモネの塊茎は形がいびつで、上下を間違えやすいのが最大のつまずきです。尖ってとがった側が根の出る下で、平らでくぼんだ側が芽の出る上です。吸水させると上側の芽の点がふくらむので、判断に迷うなら吸水後に向きを見てから植えると確実です。
どうしても向きが分からないときは、横向きに植えても構いません。芽は自分で上へ向かって伸び、根は下へ下りますから、上下逆に植えるよりずっと安全です。芽が出るまで数日余分にかかるだけで、その後の育ちには差が出ません。
- 向きを確かめる
- 塊茎を手のひらに乗せ、尖った側を下にします。どちらも似ているなら、くぼみのある側を上と考えて構いません。
- 深さは二〜三センチ
- 塊茎の上に土が二センチから三センチかぶる浅さで植えます。深すぎると芽が出るまで時間がかかり、途中で腐りやすくなります。
- 株間は十五センチ
- 地植えは株間十五センチ、六号鉢なら三球が目安です。葉が大きく広がるので、詰めすぎると蒸れて花が減ります。
土と場所の選び方
日当たりと水はけの良い場所を選びます。酸性の土を嫌うので、地植えは植え付けの二週間前に苦土石灰をまいて中和しておきます。鉢植えは市販の草花用培養土にパーライトを二割ほど混ぜ、水はけを高めるとよく育ちます。
アネモネは連作を嫌います。昨年アネモネやラナンキュラスを植えた場所には病気の菌が残っていることがあるので、地植えは場所を変えるか、土を三十センチほど掘って新しい土と入れ替えます。鉢植えは毎年新しい土を使うのが安全です。
| 場面 | 土の準備 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 地植え | 苦土石灰と腐葉土を混ぜて二週間なじませる | 水がたまる低い場所は避ける |
| 鉢植え | 草花用培養土にパーライト二割 | 鉢底石を入れて底穴を確保 |
| プランター | 深さ二十センチ以上の容器 | 六十センチ幅に四〜五球 |
芽が出ないときの切り分け
植えて一か月たっても芽が出ないときは、掘り上げて塊茎を触ってみます。固くしまっていれば生きていて、気温が下がるのを待っているだけです。やわらかく崩れるなら腐っていますから、その場所には植え直さず、新しい塊茎を別の土に植えます。
| 状態 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 塊茎は固いが芽がない | 気温がまだ高い、または植えて日が浅い | そのまま埋め戻して待つ |
| 塊茎がやわらかく黒い | 吸水の急ぎすぎか水のやりすぎで腐った | 取り除き土を替えて植え直す |
| 芽が出たが根がない | 上下を逆に植えた | 向きを直して植え直す |
| 芽が細く白い | 深く植えすぎた | 掘り上げて浅く植え直す |
芽が出た後の寒さには強く、霜に当たっても平気です。心配なのは寒さより過湿で、雨が続く時期の鉢は軒下へ入れます。
アネモネの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
アネモネの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアネモネの育て方にまとめています。
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