とう立ちが起きる条件
とう立ち(花芽が伸びて茎が立ち上がること)は、気温が高くなることと日が長くなることの二つで進みます。ルッコラは特に反応が早く、五月を過ぎると三十日ほどで花茎が伸び始めます。
とう立ちそのものは病気ではありません。ただし花に養分が回るので葉が固く辛くなり、サラダには向かなくなります。防ぐというより、花が咲く前に採り切る計画にするのが現実的です。
| 時期 | 花芽ができるまで | 対策 |
|---|---|---|
| 3月下旬まき | 四十日から五十日 | 五月中に採り切る |
| 5月以降まき | 二十日から三十日 | 半日陰に置き若採りする |
| 9月まき | 花芽はできにくい | 十二月まで長く採れる |
秋まきを主体にする
九月から十月にまくと、気温が下がり日が短くなる方向に進むので、花芽がほとんどできません。株が大きく育ち、外葉を摘みながら十二月まで採り続けられます。年に一度だけ作るなら秋を選びます。
春まきをするなら、三月下旬から四月上旬にまいて五月中に終える短期決戦にします。四月下旬以降にまくと、収穫が始まるころには花茎が伸びています。
- 九月上旬に一回目をまく
- 残暑があるうちにまくと発芽が早く、十月から収穫が始まります。日よけをかけると発芽がそろいます。
- 十月中旬に最後をまく
- この時期の分は不織布をかけて保温すると、十二月まで少しずつ採れます。生育は遅くなります。
- 春は四月上旬で打ち切る
- 四月中旬以降にまくと、収穫のころには花茎が伸びます。春の最後のまき時を決めておきます。
夏は半日陰と若採りで乗り切る
夏でも作れないわけではありません。午後の日が当たらない場所に置き、草丈十センチほどで若採りすれば、花が咲く前に食べられます。生育が速いので、まいてから二十日で採れることもあります。
寒冷紗で光を三割ほど弱めると、地温が下がって花芽も遅れます。かけたまま収穫まで通せるので、虫よけも兼ねられて手間が減ります。
- 午後に日陰になる場所へ
- 建物や他の作物の東側に置きます。午前の光だけでも十分に育ち、葉が柔らかいまま保てます。
- 寒冷紗をかける
- 光を三割ほど弱める寒冷紗をかけると地温が下がります。虫の飛来も減るので一石二鳥になります。
- 十センチで若採りする
- 草丈十センチになったら株ごと切ります。大きくするより早く採るほうが、夏は確実に食べられます。
夏の株は辛みが強く出ます。生で食べにくければ、さっと炒めると辛みが和らぎます。
花茎が伸び始めたときの手当て
株の中心から太い茎が立ち上がってきたら、とう立ちが始まっています。この茎を早いうちに摘み取ると、わき芽(葉の付け根から出る新しい芽)が伸びて数週間は葉が採れます。
ただし一度花芽ができた株は、いずれまた花茎を出します。摘み取りは時間稼ぎと考え、並行して新しく種をまいておくと収穫が途切れません。
- 太い茎を根元で切る
- 中心から立ち上がった茎を、葉を傷めないように根元から切ります。早いほど葉の収穫が長く続きます。
- 追肥して株を戻す
- 茎を切ったあと条間に化成肥料をひとつまみ置きます。養分を葉に回して新しい芽を出させます。
- 次のまき床を用意する
- とう立ちが見えた時点で新しくまいておくと、この株が終わるころに次が採れ始めます。
品種と作り方で遅らせる
種袋には、葉が丸いものと切れ込みの深いものがあります。切れ込みの深いタイプは香りが強く、丸いタイプは穏やかで柔らかい傾向があります。とう立ちの早さは大きく変わりませんが、味の好みで選べます。
同じ品種でも、株間を広く取って一株を大きく育てるほうが、花が咲くまでに採れる葉の量が増えます。密植で細く育てた株は、少し暑くなるとすぐ花茎を上げます。
| タイプ | 葉の形と味 | 向く使い方 |
|---|---|---|
| 丸葉タイプ | 葉が丸く辛みが穏やか | サラダで生食、子ども向け |
| 切れ葉タイプ | 切れ込みが深く香りが強い | 肉料理の付け合わせ、加熱 |
| 野生種に近いタイプ | 葉が細く辛みと苦みが強い | 少量を薬味として |
とう立ちしたあとの使い道
花が咲いてしまっても捨てる必要はありません。つぼみと花は柔らかく香りも残っているので、サラダに散らせます。葉は固くても加熱すれば食べられ、スープや炒め物に向きます。
そのまま置いておけば莢ができ、茶色く乾いたころに種が採れます。翌年その種をまけるので、一株か二株を残しておくと種を買わずに済みます。
- つぼみを摘んで食べる
- 花茎の先端十センチほどは柔らかく、菜の花のように使えます。ゆでても炒めても構いません。
- 固い葉は加熱する
- 辛みが強い葉は、油で炒めるかスープに入れると和らぎます。生食にこだわらなければ無駄になりません。
- 一株残して種を採る
- 莢が茶色く乾いたら刈り取り、日陰で乾かして種を取り出します。翌年の秋まきに使えます。
ルッコラの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
ルッコラの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はルッコラの育て方にまとめています。
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