冬から早春の作業
一月と二月は実が赤く色づき、一年でいちばん見応えのある時期です。この時期に枝を切ると実を落とすので、作業は風よけと寒肥だけにとどめます。三月に入って芽が動き出す前が、剪定と植え付けの始まりです。
| 月 | 主な作業 | 注意 |
|---|---|---|
| 1月 | 実の観賞、鉢は寒風を避けて置く | 枝は切らない |
| 2月 | 寒肥を株元から離して埋める | 凍った土の日は作業しない |
| 3月 | 主剪定、植え付け、植え替え | 芽が伸び始める前に終える |
寒冷地は各作業がおよそ二週間から三週間遅く、暖地は二週間ほど早くなります。芽の動きを暦より優先します。
春の作業
四月から五月は新芽が伸び、花が咲く時期です。花は小さく紫褐色で目立ちませんが、雌雄を見分けられるのはこの時期だけです。実が欲しいなら雄株が近くにあるか、この時期に確かめておきます。
新芽が伸びる時期は、冬に寒風で傷んだ葉が黄ばんで落ちる時期でもあります。古い葉が落ちて新しい葉に入れ替わるのは自然な姿なので、株全体の新芽が動いていることを確かめられたら、肥料や薬は足さずにそのまま見守ります。
- 新芽の色を見る
- 斑入り品種は新芽が開いたときに斑の出方が分かります。緑一色の芽が出ていたら戻り枝なので、葉が固まる前に付け根から抜きます。
- 花で雌雄を確かめる
- 五月ごろ枝先に小さな紫褐色の花が咲きます。おしべが見えれば雄株、中央にめしべだけなら雌株です。実が欲しいなら両方あるか確かめます。
| 月 | 主な作業 | 見ておくこと |
|---|---|---|
| 4月 | 遅れた剪定の仕上げ、植え付け | 新芽の色と伸び方 |
| 5月 | 開花、雌雄の確認 | 花にアブラムシが付いていないか |
| 5月下旬 | 斑入りの戻り枝を抜く | 緑一色の葉が出ていないか |
初夏から夏の作業
六月から七月は挿し木の適期で、春に伸びた枝が少し固まった頃に切って挿します。梅雨明け以降は葉焼けと水切れが最大の敵になるので、鉢植えは日陰へ移し、地植えは西日をさえぎります。この時期は剪定と肥料をしません。
| 月 | 主な作業 | やらないこと |
|---|---|---|
| 6月 | 挿し木、新梢を軽く整える | 強い剪定 |
| 7月 | 梅雨明けに日よけ、鉢を日陰へ | 肥料 |
| 8月 | 朝の水やり、夕方の葉水 | 植え替えと剪定 |
真夏に葉の縁が茶色くなったら日差しが強すぎる合図です。焼けた葉は戻らないので、その日のうちに置き場所を変えます。
秋の作業
九月から十月は二度目の適期です。挿し木と植え付けができ、夏に伸びた枝の整理も済ませます。実を付けた雌株は実が緑から色づき始めるので、枝を大きく切らないよう気を付けます。
秋の肥料は春の半分ほどの量が目安です。多く与えると寒くなる前に柔らかい枝が伸びて、冬の寒風で傷みます。九月中に済ませ、十月以降は肥料を止めて枝を固めさせます。
| 月 | 主な作業 | ねらい |
|---|---|---|
| 9月 | 挿し木、秋の肥料 | 冬までに根と枝を充実させる |
| 10月 | 植え付け、はみ出した枝の整理 | 寒くなる前に根付かせる |
| 11月 | 落ち葉の掃除、鉢を軒下へ | 越冬する虫と病気を減らす |
晩秋から年末の作業
十二月に実が赤く色づき始めます。寒風で葉が黒ずまないように風よけを用意し、鉢植えは北風の当たらない場所へ移します。この時期は水も肥料もほとんど要らず、実を眺めて過ごす季節です。
- 風よけを立てる
- 北風が直接当たる株は、風上に支柱を立てて寒冷紗や不織布を張ります。株全体を包まず、風の当たる側だけさえぎれば十分です。
- 鉢は軒下へ
- 鉢植えは建物の南側の軒下など、風が当たらず霜の降りない場所へ移します。日陰のままで構いませんが、暖房の効いた室内には入れません。
| 月 | 主な作業 | 注意 |
|---|---|---|
| 12月上旬 | 風よけの設置、実の色づきを見る | 枝は切らない |
| 12月下旬 | 鉢は週一回の水やりに減らす | 暖房の部屋に入れない |
実は鳥が食べに来ることがあります。長く楽しみたいなら網を掛けますが、鳥が種を運ぶのもアオキの自然な姿です。
月をまたいで続けること
月別の表に載らない通年の作業があります。特定の月の仕事ではなく、気付いたときに手を動かすもので、株の健康を左右する割合はむしろ大きいものです。暦は目安であって、実際に従うべき合図は株の姿にあります。
- 葉裏のカイガラムシ
- 月に数回、葉の裏と枝の付け根を見ます。白や茶色の粒があれば歯ブラシでこすり落とし、増えているなら枝を透かします。
- 戻り枝の点検
- 斑入り品種は新芽が開くたびに緑一色の枝が出ていないか確かめ、見つけ次第付け根から抜きます。
- 日の当たり方を見る
- 周りの木が育ったり切られたりすると日陰の深さが変わります。葉の色が変わったら、光の量が変わっていないか見直します。
作業が遅れたときの立て直し
暦どおりに進まない年のほうが普通です。遅れても取り返せる作業と、時期を過ぎたらやらないほうがよい作業を分けて覚えておくと、迷ったときの判断が速くなります。アオキは丈夫なので、多少遅れても翌年に持ち越せば済むことがほとんどです。
| 遅れた作業 | いつまでなら間に合うか | 過ぎたときの代わり |
|---|---|---|
| 春の剪定 | 新芽が固まる五月まで | 秋に混み枝を抜くだけにする |
| 寒肥 | 三月まで | 四月に緩効性の置き肥を少量 |
| 挿し木 | 七月上旬か九月末まで | 翌年の六月に回す |
| 植え替え | 四月まで | 秋の十月に回し夏は水を切らさない |
遅れを取り返そうと剪定と植え替えを同じ日に重ねると株が消耗します。順番は枯れ枝の整理、次に水やり、最後に肥料です。
アオキの栽培に一年を通して使うもの
木の作業は冬と夏に固まります。冬に剪定と寒肥、生育期に袋かけと防鳥。この 4 つを季節の前にそろえておきます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm 程度まで切れるもの。バイパス式(刃が交差するもの)。
アンビル式は枝を潰します。生きた枝を切るならバイパス式で、切り口が滑らかなほど早くふさがります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後の折込式。生木用の刃(目の粗いもの)を選びます。
直径 2cm を超える枝は、はさみで切ろうとすると枝も刃も傷めます。工作用ののこぎりは生木で目が詰まります。
- 有機質肥料(寒肥用)探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合肥料。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に 1〜2kg。樹冠(枝の広がり)の外周に沿って埋めます。
冬に入れて、春に効き始めるのを狙う肥料です。ゆっくり分解するので、休眠期のうちに入れておきます。樹種と樹齢で必要な量は変わるので、詰めたいときは施肥基準を見てください。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- 防鳥ネット探す言葉「防鳥ネット 目合い25mm」
- 規格の目安
- 目合い 20〜25mm。小鳥まで防ぐなら 15mm。
- 数量の目安
- 高さ 2m の木 1 本を覆うのに 4m × 4m 程度。
色づく直前にかけます。目合いが大きすぎると小鳥が入り、細かすぎると風で煽られて枝を傷めます。
- 高枝切りばさみは、木が背を越してからで十分です。低く仕立てるならずっと不要です。
- チェーンソーは家庭の果樹には要りません。剪定のこぎりで足ります。
アオキの上手に育てるコツは作物ページに
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