目的で増やし方を選ぶ
同じ花色を確実に増やすなら株分けかさし芽、たくさんの苗を作るなら種まきです。キキョウの種は親と違う花色が出ることがあり、二重咲きや矮性の品種は種で性質が受け継がれないことが多いので、品種を保ちたいときは株分けを選びます。
どの方法を選ぶにしても、増やした株が咲くまでの時間を先に知っておきます。株分けは翌年から咲き、さし芽は翌年に少し、種は二年目から咲きます。花を早く見たいなら株分け、量がほしいなら種と考えると迷いません。
| 目的 | 向く方法 | 時期 |
|---|---|---|
| 同じ花を確実に増やす | 株分け | 3月または10月 |
| 苗を多く作る | 種まき | 3月〜4月、または9月 |
| 株を掘らずに増やす | さし芽 | 5月〜6月 |
| 混み合った株を若返らせる | 株分け | 3月 |
株分けの手順
植えて三〜四年たった株は芽が混み合って花が小さくなるので、株分けで若返らせます。芽が動く前の三月か、地上部が枯れた十月に行います。根が太くて折れやすいので、無理に手で裂かず、よく切れる刃物で切り分けます。
- 掘り上げる
- 株の周り十五センチほど外側からスコップを入れ、根を切らないよう深く掘ります。太い根は三十センチ以上伸びていることがあります。
- 芽を数えて分ける
- 土を落として芽の位置を見ます。一つの塊に芽が二〜三個と太い根が付くように、刃物で切り分けます。
- 切り口を乾かす
- 切った面を半日ほど日陰で乾かすと腐りにくくなります。急ぐなら切り口に草木灰をまぶします。
- 浅めに植える
- 芽の付け根が地面と同じ高さになるように植え、たっぷり水を与えます。深植えは芽の出が遅れます。
種まきの手順
種は十月に茶色くなったさやから採り、封筒に入れて冷暗所で春まで保管します。三〜四月に育苗箱へまくと二〜三週間で発芽し、その年は葉だけで、翌年から花が咲きます。秋まきもできますが、冬の寒さで小さな苗が傷むことがあるので、関東平野部では春まきが安全です。
秋まきをするなら九月中旬までにまき、本葉が四枚ほどになった苗を霜の当たらない軒下で冬越しさせます。春まきより開花が半年早まりますが、小さな苗は凍ると溶けるので、寒冷地では春まきに絞るほうが確実です。
- 種の準備
- 種は細かく、光を好みます。まく前に湿らせた紙に包んで一晩置くと発芽がそろいます。
- まき方
- 種まき用の土を育苗箱に入れ、種をばらまいて土はかけないか、ごく薄くかけます。霧吹きで湿らせ、乾かさないようにします。
- 発芽後の管理
- 本葉が二〜三枚になったら三センチ間隔に間引き、四〜五枚でポットに移します。日当たりのよい場所で育てます。
- 定植の時期
- ポットの底から根が見えたら、五〜六月に庭か鉢へ植えます。一年目は根作りの年なのでつぼみが付いても摘みます。
種は発芽率が落ちやすいので、採った翌年の春までにまきます。二年以上たった種は多めにまきます。
さし芽の手順
五〜六月に伸びた若い茎を切って土にさすと、三〜四週間で根が出ます。株を掘らずに増やせるのが利点ですが、根付いた株が太い根を作るまで二年ほどかかり、その間は乾燥に弱いので水管理をていねいにします。
根が出たかどうかは、茎を軽く引いて抵抗があるかで確かめます。三〜四週間たって新しい葉が開き始めたころが目安で、そのころポットに移して、秋まで半日陰で育てたら庭へ植えます。
- さし穂を取る
- つぼみの付いていない若い茎を先端から十センチほど切ります。下の葉を落とし、上の葉を二〜三枚残します。
- 水あげする
- 切り口を一時間ほど水につけて吸わせます。切り口は斜めに切ると水を吸う面が広くなります。
- 土にさす
- 湿らせた鹿沼土か赤玉土の小粒に、割りばしで穴を開けてから茎を三センチほどさします。
- 発根まで日陰
- 明るい日陰に置き、土を乾かさないように霧吹きで湿らせます。新芽が動いたら根が出た合図で、少しずつ日に当てます。
うまく増えないときの原因
株分けした株が枯れる原因の多くは、根の切り口からの腐りと深植えです。種が発芽しないなら土をかけすぎたか、古い種です。さし芽が黒くなって腐るのは水のやりすぎか、つぼみ付きの茎を使ったためです。どの方法でも、湿りすぎを避けるのが共通の答えになります。
増やした株は、親株より乾きに弱いことを忘れないようにします。最初の夏は半日陰で朝の水やりを欠かさず、二年目から親株と同じ管理に移ります。ここを乗り切れば、その後は手のかからない丈夫な株に育ちます。
| 場面 | よくある原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 株分け後に芽が出ない | 深植え・切り口の腐り | 浅く植え直し切り口を乾かしてから植える |
| 種が発芽しない | 覆土が厚い・古い種 | 土をかけずにまき直す |
| さし穂が黒く腐る | 水の多すぎ・つぼみ付きの茎 | 新しい土でつぼみのない茎をさし直す |
| さし芽の苗が夏に枯れる | 根が浅く水切れ | 半日陰で朝夕に水を確かめる |
キキョウの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
キキョウの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はキキョウの育て方にまとめています。
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